NF亭ショウタです。
「バ美肉」は、”男性が美少女になれる手段”です。
それが学術論文として発表され、賞を受賞しました。
そして、今後はメタバースという仮想世界でも、美少女になる男性が増えていき、性別を自由に行き来するようになります。
この記事では、
- バ美肉の全体像
- 学術論文の影響で世界に起こる変化
- 複数の人生を所有できる未来
…について、解説していきます。
「バ美肉」論文が受賞
2022年5月17日、スイスの人類学者であるリュドミラ・ブレディキナさん(以下、ミラさん)による「バ美肉」をテーマにした論文が、
ジュネーブ大学のジェンダー分野の学術賞「プリ・ジャンル(Prix Genre)」を受賞しました。
(バ美肉の詳細については、後述)
私の論文がジェンダー分野の学術賞を受賞した件、VNOS @vnos_official からプレスリリースを発行しました! ありがとうございます!!
スイスの人類学者ミラ「バ美肉」に関する論文でジュネーブ大学のジェンダー分野の学術賞「プリ・ジャンル」を受賞 世界初の快挙https://t.co/o1JHtwDXVQ
— ミラ🌺🦇バーチャルカルチャーの研究者 (@BredikhinaL) May 26, 2022
公式の記事(フランス語)
バーチャル美少女ねむさん(後述します)によるNOTE
バ美肉とは
「バ美肉=バーチャル美少女受肉」です。
男性が美少女のアバターやボイスチェンジャーを使って、美少女になりきってネット上で活動をすることを意味します。
アバター(Live2D、3D)を「肉体」、アバターを手に入れることを「受肉」と呼ぶことから、この名称が生まれました。
VTuber界で生まれた概念
このバ美肉の概念は、VTuber界で生まれました。
2016年に生まれたVTuber文化において、男性が美少女アバターを使用して活動をする事例が表れて、それが1つのジャンルとして広がっていったのです。
バ美肉は、「ネカマ=ネットオカマ」のような否定的でネガティブな意味ではなく、むしろ そのギャップすらもネタにするような肯定的でポジティブな意味で使用されます。
バ美肉VTuberは、その多くがボイスチェンジャーを使ってカワイイ声で活動をしています。
中身がオッサンなのを忘れてしまうくらいカワイイVTuberが多数存在しており、必ず知っておくべきジャンルです。
ここから、代表的なバ美肉VTuberを紹介します。
有名なバ美肉VTuber
のじゃロリおじさん
正式名称「バーチャルのじゃロリ狐娘youtuberおじさん」
2017年11月に活動を開始しました。
バ美肉の先駆者といえる存在です。
ボイスチェンジャーすら使わず、第一声からオッサンの地声で始まるというインパクトも絶大で、その後のVTuber界に大きな影響を与えました。
魔王マグロナ
2018年6月から活動を開始しました。
その中身は男性のイラストレーターであり、自身が描いたイラストをアバター化して、自身でライブ配信を行っています。
ボイスチェンジャーを駆使して、オッサンなのに美少女のようなカワイイ声を出しているのです。
兎鞠まり
2018年7月に活動開始しました。
ボイスチェンジャーを使っています。
むしろ中身が女性のVTuberよりも、中身がオッサンの兎鞠まり さんの方が女性的なんじゃないかと思ってしまうくらい、可愛らしい仕草が特徴的です。
また、前述した魔王マグロナさんとは、イメージビデオを出しています。
オッサン2人によるイメージビデオというと恐ろしく思えますが、オッサンということを忘れれば、割と癒やされると思います。
また、他にも人気があるバ美肉VTuberはたくさんいますので、興味があるなら下記リンクを見てみると良いでしょう。
受賞者・ミラもVTuber
ミラさん自身もVTuberとして活動しています。
そして、
日本のVTuberである、バーチャル美少女ねむ さんとコンビを組んでおり、VTuber界やメタバース業界を考察しています。
メタバースに関する国勢調査
ミラさんとバーチャル美少女ねむ さんは、、メタバースに関する国勢調査レポートを行っており、数々のメディアで取り上げられました。
⬇また、バーチャル美少女ねむ さんも、バ美肉VTuberとして活動しており、メタバース書籍を出版しています。

男性の中の「女性性」を解放できる世界
「女性性=精神的な女性らしさ」は、女性の専売特許ではなく、男性も持ち合わせているものです。
もちろん全体の傾向としては、女性の方が女性性が強く、男性の方が男性性が強いです。
しかし、
個々の人間にフォーカスした場合、女性性のほうが強い男性もいれば、男性性のほうが強い女性もいるのです。
女性性の特徴としては、
- 感情
- 包容力
- 柔軟性
- 共感性
…などが、あげられます。
男性性の特徴としては、
- リーダーシップ
- 論理性
- 積極性
- 決断力
…などが、あげられます。
また、同一人物でも、その時の状況によって
女性性が強く発揮される場面と、男性性が強く発揮される場面があります。
なので、
女性性と男性性の双方の長所をバランスよく取り入れて、適した場面でそれぞれを発揮することが、人間性を成長させることにつながるのです。
性同一性障害の受け皿になる?
バ美肉は、性同一性障害で悩んでいる人たちが、自分の抑圧された精神を解放できる手段にもなりえます。
”肉体的な性別”と”精神的な性別”が明らかに異なる場合、持続的な違和感を感じる人がいます。
この症状を、性同一性障害と呼びます。
今までは、性同一性障害の人は自分の本音を見て見ぬ振りをすることが多かったです。
しかし、
バ美肉文化の浸透により、性別を自由に選択可能なことを知れば、自分の中の精神的な性別を抑圧する必要がなくなります。
自由に、自分の精神的な性別を表現できる世界に行けるのです。
そして、
現実世界とバーチャル世界で性別を切り替えるのはもちろん、現実世界で性転換を行うかどうかの判断指標にしても良いのです。
「人類学者・論文・受賞」という権威性での影響
「スイスの人類学者が学術論文を書き、受賞した」という今回の件は、高い”権威性”があります。
(権威性=「スゴい人や組織が言うんだから、正しいんだろうな。」と思わせる要素。地位や専門知識が高い者が持つ信用性。)
その権威性が、今回の件で「バ美肉」というモノに付加されました。
今後、バ美肉を語るときに 今回の件が引用され、権威性が付加され続けるのです。
男性の「女性性」への理解
以前は、男性が女性性を強く発揮することは、少なくとも日本では白い目で見られていました。
しかし、VTuber界でバ美肉文化が生まれて、VTuber界の中では理解を得ていました。
そして、今回の「論文が受賞」というできごとで、バ美肉文化への理解が進みます。
つまり、男性による、
- 美少女アバターを使用して、(=手段)
- 女性性を発揮する(=目的)
…という行動が、一般社会での市民権を得ていく…といえます。
メタバースとともに、世界への普及が進む
権威性により、世界の極一部の人しか理解していないバ美肉文化が、一般に知れ渡っていく速度が増します。
つまり、メタバースの普及とともに、バ美肉文化も普及するのです。
今回の出来事は情報拡散されましたし、今後も一般層にバ美肉を説明する際に、引用されつづけて高尚なイメージが付加され、心理的ハードルが下がります。
特に、
現実世界での地位・立場などと無関係に楽しめる世界であるメタバースが普及するに従って、現実世界での性別に縛られないバ美肉文化は必要不可欠なものとなっていきます。
学術の1ジャンルとして認識される
性別に関する学術・学問である「ジェンダー学」というものがありますが、これは現実世界での性別を研究する学術です。
しかし、今回の論文は、バーチャル世界での性別をも取り入れて書かれたものです。
- 従来:現実世界での性別
- ミラさん の論文:バーチャル世界での性別+現実世界での性別
…というように、ミラさんの論文は、従来よりも さらに視点が高く、VTuber・メタバースといった新しい文化を取り入れているのです。
メタバース市場の拡大により、バ美肉を研究する学術は新しい1ジャンルとして認識されて、今後も多くの人が研究を始めるでしょう。
VTuberとメタバースの関連性が強くなる
(前述しましたが、)ミラさんがコンビを組んでいるバーチャル美少女ねむさん もバ美肉です。
ミラさんも バーチャル美少女ねむさんも、VTuberとしてメタバースに関する発信活動をしています。
なので、
今回の論文の受賞、国勢調査も多くの人に知られて、「VTuber」と「メタバース」という、2つの文化の相性の良さも広く知られていきます。
なぜなら、
メタバース市場の発展にしたがい、今回の件が引用される機会も増えて、「メタバースでのバ美肉」が一般的に認知されていくからです。
必然的に、「バ美肉が生まれたVTuber界」も一般に認知されます。
つまり、
今回の論文受賞の影響で「メタバース⇔バ美肉文化⇔VTuber」という連想の構図が一般層の意識に構築されていき、
メタバースとVTuberの相性の良さが更に認識されやすくなるのです。
⬇参考記事

バ美肉専門VTuber事務所
バ美肉の認知度は、今後も上がっていきます。
すると、世界中でバ美肉で活動する人も増えます。
活動場所は、メタバースのみの人もいますし、YouTubeなどのプラットフォームでライブ配信もする人もいるでしょう。
そして、バ美肉のVTuber専門の事務所も誕生する可能性が高まります。
- 自分の中の女性性を抑圧していた人
- 性同一性障害 に悩んでいた人
- 楽しそうにバ美肉するVTuberを見て、自分も やってみたくなった人
…などが、自己表現の手段としてバ美肉VTuber活動をするのです。
バ美肉専門VTuber事務所も、自然と生まれるでしょう。
複数の人生を所有できる時代
これまでの時代は、1人は1つの人生しか歩めませんでした。
生まれた時に与えられた肉体は、性別・容姿などは固定されていて、結果として行動は大幅に制限されます。
もちろん、
- 性転換
- 努力して外見を美しくする
…という風に、自分を変えていき、人生を変えていくことは ある程度できるのですが、1人あたり1つの人生しか所有できませんでした。
しかし、メタバースにより、1人の人間が複数のアバターを所有して、複数の人生を歩めるようになりました。
この現実世界での固定・制限された肉体と違い、メタバースやVTuber界でのアバターは
- 性別
- 年齢層
- 種族(人間以外の生物にも なれる)
…といった要素を自由に選択可能であり、さらに後からいくらでもカスタム可能なのです。
そして、アバターは複数 所有できる(複数の人生を所有できる)のです。
web3.0時代が本格到来するにつれ、匿名での活動が普通になります。
…というより、ネット上で(現実世界とは無関係の)新しい名義を名乗るのが普通になるのです。
(僕自身、「NF亭ショウタ」という名前でこのブログを運営してますが、他にも複数の名義を所有しており それぞれ別の活動をしています。)
つまり、現実世界での
- 性別
- 年齢
- 肩書
- イメージ
…などにとらわれず、新しい名義で新しい人生を歩めるのです。
⬇従来の現実世界では強面のオッサンでも、仮想世界では❤ラブリー&キュート❤な美少女になって、視聴者を虜にすることも可能なのです。
息子の前では「男らしく、頼りがいある父親」でいなければならない…という制約があったとしても、
美少女アバターを所有すれば、もう1つの人生が手に入り、女性性・アイドル願望を存分に発揮できるようになるのです。
これまで1人に1つしか与えられなかった人生を、何個でも新しく創ることができ、SNSのアカウントを切り替える感覚でそれぞれを切り替えていくことができます。
もしかしたら、現実世界の職場で大キライな憎い上司が、バーチャル世界で大好きな可愛い あの美少女かもしれないのです。
複数の人生を歩めば、より多くの視点が手に入ります。
つまり、多角的に世界を見れるようになります。
複数の人生を歩める時代。
人生の違いとは、視点の違い…とも言えます。
視点が違えば、世界は違って見えます。
それは、複数の世界を所有しているのと同じなのです。
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