宗教の聖地がメタバース化されたら生まれる経済圏&最大宗教の実例

メタバース

NF亭ショウタです。

多くの信者がいる宗教は、極めて大規模なビジネスモデルです。

そして、世界最大宗教キリスト教では、メタバースに取り組み始めているのです。

 

宗教間でトラブルが発生することもありますが、大きなお金を生むのです。

宗教の本質は【アイドルビジネス+脅迫】だと、個人的に思っていますが、この本質はメタバースでも有効です。

この記事では、宗教のメタバース展開の

  • 前例
  • メリットデメリット
  • 生まれる経済圏を予測

…を、解説していきます。

宗教の全体像

世界の宗教の信者数と割合

世界には、数多くの宗教があります。

キリスト教・イスラム教・ヒンドゥー教が圧倒的な信者数を誇っています。

 

画像引用:omotenashi

各宗教の信者数は、

  • キリスト教:22億5,450万人
  • イスラム教:14億3,140万人
  • ヒンドゥー教:9億1,370万人
  • 仏教:3億8,430万人
  • ユダヤ教:1,510万人

…となっています。

分布

各宗教が特に普及している地域は、

  • キリスト教:ヨーロッパ・アメリカ・オーストラリア
  • イスラム教:中東・北アフリカ
  • ヒンドゥー教:インド・ネパール
  • 仏教:東南アジア・東アジア
  • ユダヤ教:イスラエル

…です。

構造

ざっくり いうと宗教は、

「人間は罪深い。このままではアナタは地獄行き。
・・・しかし、神を信じれば(=ウチの宗教に入信すれば)天国に行ける。」

…という大前提のもと成り立っています。

 

そして、

  • 神(絶対的な存在)
  • 教祖(神の代弁者)
  • 信者(お布施・寄付をする教徒)

主に信者が勧誘活動をして、新しい信者を増やす”新規集客”をしています。

収入源

信者のお布施や寄付が、メインの収入源となっています。

キリスト教では、信者は「収入の約1割」をお布施として上納します。

キリスト教の信者22億5,450万人が収入の1割を納めると、全体では莫大過ぎる金額がキリスト教の収入になるのです。

 

また、信者からのお布施で得た収入には、税金がかかりません。

つまり宗教は、利益率がとても良いビジネスなのです。

運営・信者のメリット

運営するメリット

儲かる

宗教は、信者からの”お布施””寄付”が膨大な金額になります。

それに加えて、宗教が信仰対象とする神の

  • 仏壇
  • 墓地
  • お守り
  • 装飾品
  • アート

などは、信者は生活を切り詰めてでも買ってくれます。

とうぜん、大きな利益が上がります。

社会的信用度が上がる

運営するために公益法人になると、社会的に信用度があがります。

社会的な信用があれば、病院や学校や幼稚園、墓地・霊園など多角的な経営が可能になります。

 

多角的な経営をしていると、信者は宗教が運営する店舗でお金を使ってくれます。

宗教が運営する幼稚園・学校に、自分の子供を通わせたりしてくれやすいですし、病院や墓地も宗教運営のところを使ってくれやすいです。

また、宗教への帰属意識を満たして、さらに信者が信仰心を強化することにもつながります。

税金面での優遇

(前述しましたが)宗教活動に関わる収入は、法人税等が非課税になります。

つまり、利益率が良いのです。

課税されるかされないかの差は、信者数が多い宗教であるほど莫大な金額の差となります。

 

また、宗教名義での資産保有が可能になります

預金、不動産など財産を宗教法人名義とすることができるのです。

宗教法人名義の資産は、相続税などが免除になるので、一族による資産保有に有利になるのです。

信者になるメリット

(マトモな宗教なら)自分を律せる

(マトモな)宗教では、人として正しい在り方を示します。

人間はズルい生き物なので、表面上は笑顔で礼儀正しくても「バレない。バレても自分は損をしない。」と判断したら、平気で人にデメリットを押し付けたりします。

しかし、「神は、いつでもアナタの行いを見ている」と信じることによって、自分の行いを律することができます。

「正しい生き方をすれば、死後は天国に行ける」のように生きる道を示すので、信者はそれに従って生きれば、道義を外れた行いはしにくくなるでしょう。

 

結果として、社会を良くすることにもつながります。

心の拠り所

人間は、「絶対的な存在を崇拝したい」という欲求を持っています。

程度の差はあれ、誰にでもあります。

そして、信者は「神」という絶対的な存在を崇拝することによって、安心感を得ます。

 

なので、心の拠り所が無いのが理由で精神が不安定な人が、宗教に入るパターンも多いです。

孤独から逃れる

信者同士のつながりにより、仲間意識も得ることができます。

「自分は独りじゃない」と感じることができるので、孤独に耐えられない人が入信することも多いです。

 

「趣味のサークルに参加する」などよりも圧倒的に深く、人生を捧げるレベルで深く組織に関わるので、信者同士の付き合いも濃くなるでしょう。

孤独を紛らわす目的で入信するのは良くないと 個人的に思いますが、本人にとっては大きなメリットとなるのです。

悪用すべきでないメリット

ここまで上げた以外にも、悪用されそうなメリットも存在します。

運営のメリット:洗脳して搾取しやすい

信者を洗脳して運営側の都合の良いように誘導する宗教も多いです。

宗教法人運営にはお金がかかるのである程度のお金を募るのは当然ですが、必要以上にお金を納めさせようとする宗教も多いです。

そのようなところは、信者を洗脳して搾取、運営側だけが豊かになる・・・という良くない状況になりやすいのです。

信者のメリット:人脈づくり

信仰心もないのに、人脈を作ることを目的に宗教に入信する人もいます。

宗教には、さまざまな社会的立場の人がいます。

そこで、会社の社長など有力者との人脈をつくる目的で入信する人もいます。

 

宗教の信者は、同胞には心を開きやすいでしょう。

そこで有力者と親しくなって、宗教の外でのビジネス展開に協力してもらおうとするのです。

真面目に信仰心を持っている人からしたら、よく思われないでしょう。

聖地巡礼する信者

聖地巡礼とは、宗教において重要とされる地に信者が訪れることです。

数ヶ月にわたり1000km以上を移動する、過酷な聖地巡礼も存在します。

 

⬇ここから、主要な宗教の聖地を解説していきます。

キリスト教 ・ユダヤ教・イスラム教の聖地

この3つの宗教は、同じエルサレムを聖地としています。

エルサレムはイスラエルの都市であり、イスラエルは自国の首都と宣言しています。
(国際連合は、この主張を認めていない)

  • ユダヤ教➡神から与えられた土地であり、神殿が存在していた場所
  • キリスト教➡キリストが処刑・埋葬され、そして復活した場所
  • イスラム教➡ムハンマドの旅の到着地であり、天へと昇った場所

…という伝承に基づき、聖地とされています。

そのためエルサレム旧市街には、 各宗教の地区が500m平方の敷地内に密集しているのです。

画像引用:ABEMA TIMES

そして、キリスト教 ・ユダヤ教・イスラム教が「自分たちの聖地」と主張をしているのです。

 

キリスト教 ・ユダヤ教・イスラム教はそれぞれ複数の聖地があり、その内の1つが、このエルサレムの地であり、ダブっているのです。

各宗教にとって重要な聖地なので、とても複雑な事情となっているのです。

ヒンドゥー教の聖地

ヒンドゥー教では、インドに7つの聖地が存在します。

これらは、「七大聖都」と呼ばれます。

そして、7つの聖地の中でも”ヒンドゥー教 最大の聖地”とされているのが、「バラナシ」です。

画像引用:JTB

インド最大の宗教都市であるバラナシは、ヒンドゥー教で”聖なる川”とされているガンジス川も流れており、神聖な地とされています。

画像引用:JTB

仏教の聖地

仏教には、ネパールやインドに8つの聖地が存在します。

これらは、「八大聖地」と呼ばれています。

その中でも最大の聖地とされているのが、インドの「ブッダガヤ」です。

ブッダが悟りを開いた場所であり、仏教が誕生したマハーボーディ寺院が存在するので、仏教最大の聖地とされています。

画像引用:阪急交通社

宗教の聖地をメタバース化

コロナの影響で、一箇所に多人数の信者が集まりづらくなっていても、メタバースなら関係ありません。

VRゴーグルをつければ、臨場感あふれる仮想空間で聖地で礼拝できるのです。

実例

キリスト教は、2018年から教会メタバース VR Churchを運営しています。

 

  • 日曜礼拝(信者以外も入れる礼拝)
  • 聖書研究
  • ミーティング
  • 洗礼(入信の儀式)
  • キリスト教グッズ販売

などが行われます。

仮想通貨やPayPalでの寄付も受け付けています。

メリット

コロナ禍でも大規模な集会がカンタン

コロナの影響で、多人数での集会が難しくなっています。

たとえば、ある宗教の礼拝で信者6000人以上が1000人以上が感染した…という実例もされています。

もともと、大規模な集会は政府から禁止されていたのですが、それを無視して決行されました。

結果、被害拡大をまねくことになってしまったのです。

 

しかし、メタバースでの集会ならいつでもカンタンにできます。

このご時世にマッチした礼拝の手段といえるでしょう。

新規集客のチャンス

誰でも手軽に入れるメタバースなら、新規集客の手段としても有効です。

「宗教ってなんか怖い」って人も、気軽に礼拝を体験できるのです。

 

僕自身は無神論者ですが、海外の寺院に行った時には周りの人をマネて数十分間祈りを捧げたりします。

礼拝(拝む)をすると、思考が整理されます。

すると、瞑想に似た効果があり、思考がクリアになる効果があると知ったのです。

礼拝は、精神にいい影響を与えるのです。

 

そこで、宗教への興味を誘導すれば、新たな信者を獲得するチャンスが生まれるのです。

デメリット:無知ゆえに悪意なく「タブーを犯す」

宗教には多くの「タブー」がある

極一例をあげると

  • 左手で握手はNG
  • 露出の多い服装はNG
  • 足の裏を、人や神に向けてはいけない
  • 相手が子供であっても、頭を撫でてはいけない
  • 女性は、修行僧に話しかけてはいけない

…これ以外にも、数多くのタブーが存在します。

食事や儀式にも厳しい戒律があるので、それに触れると大きな怒りを買うことになります。

 

気軽に行けるオープンなメタバースだと、宗教に無知な者も入ってきて、思わぬトラブルに発展するリスクがあるのです。

宗教間の対立のリスク

(前述したとおり)キリスト教・ユダヤ教・イスラム教の聖地は、同じエルサレム旧市街にあります。

なので、エルサレムの礼拝所にいくため、複数の宗教の信者がエルサレム旧市街に存在すると、宗教の価値観の違いからイザコザが起こり、宗教戦争の火種になりかねません。

これは、深刻な問題となっています。

 

メタバースでも、それは同様の問題が起こりえます。

いずれは、エルサレム旧市街 全体がメタバース化されるでしょう。

”聖地のみ”をメタバース化するより、”聖地を含むエルサレム旧市街 全体”をメタバース化したほうが臨場感がありますし、メタバースで擬似的に観光したい人も集客できるからです。

そこで、宗教同士の価値観の違いなどがトラブルの原因になるリスクがあるのです。

解決策

  • 宗教ごとにメタバースを分ける

…というのが、シンプルで確実な解決策だと思います。

  • キリスト教 信者 用・エルサレム旧市街のメタバース
  • ユダヤ教 信者 用・エルサレム旧市街のメタバース
  • イスラム教 信者 用・エルサレム旧市街のメタバース

・・・という具合に、宗教ごとのメタバースを別々に作るのです。

宗教の運営が、信者であることを証明するNFTなどを配布して、それを通行証代わりにすることも良いでしょう。

 

また、「メタバースでの新規集客」という大きいメリットを活かすためには、

  • 新規集客用:一般公開メタバース
  • 重要な催事用:信者限定メタバース

…を分けるなどで、解決するでしょう。

とうぜん、新規集客用の一般公開メタバースでは、その宗教上タブーとされる行いを事前に説明する・ある程度は寛容になる…などの必要があります。

「宗教×メタバース」は超巨大市場の可能性

極めて大きなビジネスチャンス

宗教の信者は、世界中に超膨大な数が存在します。

日本は無宗教な国であり、信仰心を持たずに宗教的な行事(初詣・クリスマスなど)を単なるイベントとして扱いますが、海外に行くと「あなたの信じる宗教はなに?」と聞かれることも よくあります。

宗教に入っている人は、世界にはとても多いのです。

 

そして、そこにメタバースが掛け合わさると、新しい市場ができます。

「宗教の聖地」だけでなく、「宗教の聖地がある街」をまるごとメタバースに再現すれば、とうぜん”信者”に加えて”観光したい人々”も膨大な人数集客できます。

とうぜん、そこでは大きなビジネスチャンスが生まれます。

 

現実世界でも、有名な観光名所の周りには、観光客をメインターゲットとした店が多数並んでいますよね?

それと同じく、メタバースでも”宗教の聖地”という観光名所の周りに出店したい人は多いです。

なので、出店する権利を売って大きなお金を得ることもできます。

NFT化されるもの

宗教の聖地がメタバースに再現されたら、様々なモノがNFT化されるでしょう。

たとえば、信者には

  • 通行証
  • 階級を表すファッションアイテム
  • お布施・寄付の証明

…などのNFTが、宗教の運営から販売されるかもしれません。

 

また、一般の観光客向けには

  • 記念品としてのアート
  • メタバースで身につけれる装飾品
  • おみやげ品

…などのNFTを販売してもよいでしょう。

メタバースを運営する宗教の運営が直接NFTを売っても良いですし、NFT事業者に販売権(と出店枠)を売っても良いでしょう。

【宗教の本質】アイドルビジネス+脅迫

これは、あくまで僕の超・個人的な見解ですが・・・。

 

宗教は、

「神」という絶対的な信仰対象(=アイドル)を設定して、宗教団体(=ファンクラブ)を形成します。

教祖(=ファンクラブ代表)を中心とした上層部が、宗教団体を運営します。

信者(=ファン)は、信仰心の表現として”礼拝”や”グッズ購入”などをします。

また、

大勢の信者が一同に介して教祖の説法(神の教え)を聴くのも、ライブ会場でアイドルの歌に熱狂する状況と、非常に似ています。

これは、れっきとしたアイドルビジネスといえます。

 

また、信者でない者には、

「このままではアナタは地獄行き!」
といって脅し

「でも、神を信じれば天国に行ける。来世で幸せになれるよ❤」
という救済策

…の2段構えで入信をうながすのも、脅迫といえるでしょう。

(※こんなストレートに言うのではなく、こういった主旨のメッセージを遠回しに伝える…という意味です。)

 

この「アイドルビジネス+脅迫」という宗教のビジネスモデルは、メタバースでも有効です。

世界中の宗教が追随して、メタバース化

宗教の聖地がメタバース化される流れが いったん起これば、他の宗教もドンドン追随します。

 

世界中には、多くの宗教が存在します。

それらが次々とメタバース化されていく可能性は高いです。

つまり、多くの宗教の聖地メタバースが存在する未来がくるでしょう。

 

そして、信者は”他の宗教のメタバース”にも興味を持ちます。

交流のキッカケも生まれます。

そこでトラブルが生まれることも、相互理解が生まれることもあるでしょう。

 

・・・神を信じるにせよ 信じないにせよ、「宗教という世界中の人が信仰するコンテンツ」にふれることは、大きな学びとなるのです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました