NF亭ショウタです。
「東洋医学」と聞いても、多くの人はピンとこないでしょう。
多くの人がイメージする医学は”西洋医学”であり、治療の即効性に優れています。
対して、東洋医学は健康増進と予防に重きを置くので、長期的な学習と実践が必要になります。
そして、メタバースでの東洋医学の学習は、普及する可能性があるのです。
この記事では、
- 東洋医学の全体像
- 可能な戦略
- 未来予測
…を解説していきます。
東洋医学とは?
概要
東洋医学は、東洋の国を起源とする伝統医学です。
「東洋」とは”アジア諸国の総称”として使われることが多いですが、東洋医学は中国をはじめとして・日本・インド・朝鮮などが主な起源とされています。
日本においては、
- 漢方医学
- 鍼灸医学
- アーユルヴェーダ(インド伝統医学)
…などを合わせて東洋医学と呼ばれる場合が多いです。
日本において「医学」というと、発症してから患部を治療してもらいに行く「西洋医学」を指すことがほとんどですが、東洋医学は真逆といえる特徴を持っています。
なので、「東洋医学」と「西洋医学」は、対の存在として扱われることが多いです。
特徴
東洋医学の特徴は、身体と精神を一体のモノと考え、長期的に人体の健康増進・予防を目指すことを主眼とします。
つまり東洋医学は、病気などが発症してしまう根本的な原因を除去して健康体を目指すのです。
東洋医学の治療では
- 漢方
- 指圧
- 鍼(はり)・灸(灸)
…などが使用されます。
また、普段から実践することにより健康増進・美容効果が期待できるため、病気でない健康体の人でも東洋医学を学ぶメリットはあるのです。
西洋医学との比較
日本においては、「医者・医学」といくと、真っ先に西洋医学がイメージされます。
(西洋医学は、発症した患部のみにフォーカスして、短期間で治す局所療法といえます。)
…東洋医学と西洋医学を比較すると、
- 東洋医学
- 全体的
- 長期的
- 個別的(オーダーメイド)な治療
- 西洋医学
- 局所的
- 短期的
- 定型的な治療
…という違いがあります。
双方にメリット・デメリット(次項で解説)があるため、一概に優劣をつけることはできません。
なので、
西洋医学で悪いところを集中的に治療した後、東洋医学で全体を意識して予防・健康増進につとめる…というのが、適した双方の活かし方といえます。
メリット
東洋医学は、予防や健康増進を主眼としているので、多くの人に興味を持ってもらえるチャンスがあります。
自分が持っている「治す力」を高めていく治療ですから、副作用の心配がなく再発する可能性も少ないという利点があります。
デメリット
長期的に身体の調和を高めていくので、重大なケガや病気の治療に適していません。
東洋医学の療法は、その効果が出るまではある程度の期間がかかるため、出血多量・骨折などの緊急性が問われる患者の場合は、不向きなのです。
(西洋医学では、薬物・手術による即効性の高い治療が行われるので、緊急性の高い患者に適しています)
また、施術をする者の技量によって、効果がまったく異なります。
技量が乏しい者に施術をしてもらうと、十分な効果を発揮されないのです。
メタバースで東洋医学を広める?
「長寿・健康・美容」を促進・良化する東洋医学は、非常に多くの人にメリットをもたらすことができます。
しかし、これだけ有益な東洋医学が広まっていないのは、「学ぶ時間や金がない」「存在自体、知らない」という理由でしょう。
ですが、メタバースを活用すれば、習う場所までの物理的移動も不要ですし、一部を無料で教えることもできます。
知ってもらうための施策は色々試していかねばなりませんが、メタバースを使用すれば実際に習ってもらうまでの敷居が格段に低くなります。
メリット
サブスク課金に適している
東洋医学は、長期的に学び、実践していくモノです。
長期的な取り組みなので、サブスク(月額課金)に適しており、払ってもらえる総額はかなり高くなるでしょう。
ネットで検索すれば、”東洋医学スクール”はありますが、かなり高額な受講料が必要です。
短期講座でも5万円ほどはかかりますし、ある程度しっかり学ぼうと思うと数十万円単位で受講費が必要になります。
これでは、興味を持っても、なかなか学び始めるキッカケがつかめません。
しかし、メタバースなら場所代などの経費を大幅に抑えられますし、わざわざバスや電車で教室まで行く手間もなく、長期的に学び、課金してくれやすくなるのです。
月々 数百円~千円程度のサブスクを基本として、オプションで課金額が増える…みたいなシステムにすれば、気軽に始めて継続する人も増えやすいでしょう。
潜在需要が大きい
健康になるために具体的に努力している人は少なくても、「健康になりたい」という潜在需要は、極めて大きいです。
たとえ明確に意識していなくても、健康になりたい願望は誰もが持っているものです。
なので、「健康になりたい」という需要を顕在化させる上手いプロセスを用意すれば、多くの人が顧客になってくれる可能性があります。
そして、金を持っている人ほど、健康意識が高い傾向にあります。
つまり、満足のいくクオリティの学びを得るために、喜んでお金を払ってくれる層が興味を持ってくれやすいのです。
センシティブな相談もしやすい
センシティブな身体部位などについては、リアルでは質問しにくい場合もあるでしょう。
しかし、メタバースでは自分の顔を隠せるので、リアルで対面しての相談がしにくい内容でも、相談しやすいです。
言いづらい悩みや症状なども、気兼ねなく相談しやすいのです。
(音声だけでなく、テキストでの質問を可能にすると なお良い。)
これは、リアルの講座・セミナーに比べて、大きなメリットと言えます。
デメリット
東洋医学 自体、よくわからない人が多い
「東洋医学」と言われても、多くの人は「何それ?」という感じです。
多くの人は、まったくわからないのです。
なので、「東洋医学を学べる!」とだけいっても、多くの人にはスルーされてしまいます。
なので、他の角度からのアピールが必要となります。(後述します。)
全身トラッキングが必要な場合もある
ストレッチなど、全身の動きを認識する必要がある場合、指導される生徒が全身トラッキングを使う必要があります。
その場合、フルトラッキング設備を生徒が用意しなくてはいけないのです。
(しかし、生徒のストレッチが正しく行えてるかのチェックをされなくても、指導者の動きが認識できれば良い…という場合は、生徒側のフルトラッキング設備は不要です。)
厳しいチェックが義務化?
健康系コンテンツで収益化するのは、チェックが厳しいです。
たとえば、
2017年には、医療・健康系のサイト・ブログのうち、「医療従事者・医療機関」など、専門家が関わっていないコンテンツが上位表示されなくなるという検索アルゴリズム大幅改変が実施されました。
医療や健康系は、命に直接かかわるものですから、専門家でない企業・個人が運営するブログは、正確で上質な情報を提供することよりも、アフィリエイト収益を得るための情報を発信しており信頼性が低い・・・と判断されたのです。
つまり、健康系のメタバースもいずれは同じように厳しいチェックが入る可能性もあるのです。
診断の精度が落ちる
東洋医学では、患者を
- 視覚(体形・顔色・舌など)
- 触覚(体温・脈・肌の張りなど)
- 聴覚・嗅覚(声質・体臭・口臭など)
- 質問する(症状の詳細・体調の変化・生活習慣など)
…という視点で診断していきます。
これらのうち、「触覚・嗅覚」による高精度の再現は、現時点のメタバース上では とても困難なため、診断の精度がリアルに比べて格段に低下してしまいます。
(※触覚については、開発が進んでいる。後述。)
可能な戦略
「長寿・健康増進・美容効果」のメリットを強調
東洋医学と言われても、ほとんどの人は全くわかりません。
「東洋医学を学べるメタバースです!」
…といっても、興味を持ってくれる人は ほとんどいないでしょう。
なので、メリットとして”長寿・健康・美容”といった目的を強調します。
「長生きしたい」
「健康になりたい」
「美しくなりたい」
…というのは本能的・普遍的な欲求なので、それが満たされると思ったら強い興味をもってくれやすいです。
そして、その目的への”手段”として、東洋医学というものを知ってもらうのです。
無料でセミナー➡有料で個別相談
メタバース上で、たまに無料で初心者向けセミナーを開きます。
そこで、
- 東洋医学の概要
- メリット・デメリット
- 初心者向けの手軽な実践方法
…などを伝えるのです。
そして、より深く学びたい人に有料サービスの存在を伝えればよいです。
東洋医学を学べるサブスク課金オンラインサロンなどを運営して、そこへ誘導してもよいでしょう。
経絡ストレッチをメタバースでする
全身トラッキングできる設備があるなら、メタバース上で経絡ストレッチを教えることができます。
自宅に居ながらにしてできますし、ヨガの要素も強いので「ヨガスクールに通いたい」と思っている人もターゲットにできます。
経絡ストレッチをしている3D映像をいつでも無料で再生・体験できるようにします。
そして、より深く個別指導をしてもらいたい人向けに、有料指導を案内すればよいでしょう。
漢方薬の通販
東洋医学では、治療に漢方薬を使います。
なので、無料で漢方薬について教えたうえで、通販サイトから試供品を郵送する…という方法も可能です。
気に入ってもらえたら、そのまま継続的に漢方薬を購入しつづけてもらいでしょう。
また、上級者向けコースではその調合法を教えて、原料(生薬)を通販する…という方法でも良いでしょう。
画像引用:東洋医学の教科書
見習いの育成
東洋医学の見習いの”育成の場”として、メタバースで指導をさせるのも有効です。
見習いがお客さんに教えているときも、(お客さんに気づかれずに)師匠から見習いへのアドバイスが可能です。
経験が浅い見習いでも、間違いなどがあっても師匠からその都度 指摘をもらえるので、安心して講師としてメタバースで指導できるのです。
見習いの成長速度も、飛躍的に上がるでしょう。
VTuber運営
VTuberとして、東洋医学の魅力を発信します。
- 企業で運営➡自社製品販促
- 個人で運営➡企業からの案件獲得
…という感じで、収益につなげることができます。
しかし、すでに東洋医学を教えるVTuberの前例はありましたが、活動を終了しています。
つまり、工夫無く教えても伸びないのです。
なので、
- 東洋医学あるある
- 東洋医学で ありがちな誤解
…など、東洋医学を知らない人にも楽しんでもらえる娯楽性を高めた内容を発信することが必要になります。
⬇こんなノリで東洋医学を紹介すると、興味を持ってもらいやすくなります。
歌ってみた動画やゲーム配信など、東洋医学とまったく関係ない内容も発信すると、さらに娯楽性が高まります。
触覚が再現される➡指圧の指導
メタバース上での触覚を再現する技術は、研究が進んでいます。
Meta社も、触覚を再現するグローブを開発しているのです。
How do we touch the virtual world? Our Reality Labs team is working to create the technology to make it possible. Today we shared some progress in researching and developing haptic gloves to bring the sense of touch to the metaverse. Check it out https://t.co/MliVQQdtfs pic.twitter.com/mdOsMwXE5Q
— Meta (@Meta) November 16, 2021
つまり、メタバースで他人に触られたら、その触覚を再現されるようになるのです。
そして、いずれは触覚スーツで全身の触覚を再現することが普通になります。
その触覚の精度は、ドンドン上がっていきます。
精度が格段に上がれば、全身の経絡(ツボ)を指で押す”指圧”の指導も可能になります。
「どこを、どれくらいの角度で、どのくらいの強さで押せばよいのか?」
…という言語化しにくい感覚的な情報も、触覚再現テクノロジーで伝えることができるようになるのです。
未来予測
人々は、ドンドン賢くなっています。
ネット上には、無料で学べる質の高い記事・動画コンテンツが、大量にあります。
(記事を読む習慣のない人でも、YouTubeなら学びやすいです。)
もちろん、特定の商品のセールスなど、目的達成に好都合な偏った情報もたくさん存在します。
しかし、色々な人の情報を得ることによって、より正確な情報を得ることができるのです。
(僕が、東洋医学に興味を持ったのも、西洋医学を盲信するのは危険極まりない…と気づいたからです。
なんの知識もなく病院に行ったら、下手すりゃ「薬漬けにされ➡自然治癒力が退化➡高額な薬代を払い続ける」というハメになりかねないのです。
西洋医学は、患部を局所的・短期的に治療するのは適していますが、それ以上は深入りすべきではありません。)
これからも人はドンドン賢くなります。
YouTube上では、「健康」はもちろん「お金」「最新テクノロジー」など人生に役立つ良質なコンテンツが無料で見放題です。
⬇ 9:10~の”バターコーヒー”は、マジでオススメ。脳の回転がメッチャ良くなります。
書籍だと能動的に読み込む必要がありますが、動画だと他のことをしながら聞いてても学べるのです。
(もちろん、書籍には書籍のメリットがありますが。)
「日本人は、短絡的で思考が浅く論理的に考えられない」と言われています。
日本人全体の傾向としては、確かにそうでしょう。
周りに流され、自分の頭でロクに考えられない人が多いのです。
(そして、自分の立場が上だと判断すると、スイッチが切り替わったようにとつぜん横暴・攻撃的になる人も多いです。)
しかし一部の人は、様々な情報を収集して自分で考える力をもっています。
そして、これからもそのような人は増えるでしょう。
そのような学習意欲が高い人に向けたメタバースを創ることで、向上心が高い人たちを集客しやすくなります。
そして、深く学んでいきたい人を対象に有料で教えつつ、
いずれ成長を遂げた生徒にビジネスパートナーになってもらい、一緒に東洋医学の指導をしていく・・・というパターンもありえます。
メタバースは娯楽としてだけでなく、”教育”の場としても大きな可能性を秘めているのです。
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