NF亭ショウタです。
一時期ブームを引き起こしたオンラインサロンは、いまや”下火”と言われています。
国内最大級のオンラインサロンは、会員数が 7万人➡3万人に激減してしまいました。
しかし、メタバースとの融合で、戦略が格段に広がります。
また、NFTを組み合わせれば、より有用なコミュニティになるでしょう。
この記事では、
- オンラインサロン市場の実情
- 可能な運営戦略
- 未来予測「メタバース×一部DAO化」
…を解説していきます。
オンラインサロンとは?
概要
オンラインサロンとは、ネット上の会員制コミュニティの総称です。
掲げるコンセプト・テーマのもとに、専門的なスキルや経験を持つ主催者が運営しています。
主催者主導で様々な活動が行われ、作品を創ったりイベントを開くことも多いです。
また、タレントや有名人のファンクラブとして運営されることもあります。
特徴
FacebookやDiscord上など、SNSを介してコミュニケーションをとることが多いです。
クローズドなコミュニティなので、外部から内部の詳細な情報は知ることは難しいです。
オンラインサロン内では専門知識を教えるだけでなく、プロジェクトを計画して実行するなど、一丸となって1つのことを”共創”していくことも多いです。
また、仕事の発注・受注をするなどの経済圏が成立することもあります。
さらに、会員限定のリアルイベントが開かれることも多いです。
オンラインサロン市場の現状
画像引用:BBT大学院
「ビジネス・起業」「スキルアップ」「金融・投資」という、「お金を稼ぐ」ことに直結するジャンルが、圧倒的なシェアを占めています。
また、「映画・音楽・アニメ・スポーツ・旅」など、「趣味を楽しむ」という欲求にこたえるジャンルがそれに続きます。
そして、「美容・ファッション・恋愛」といった、「異性にモテたい」という願望を実現するジャンルも人気があります。
ジャンルごとに順位をつけるなら、
- お金を稼ぐ
- 趣味
- 異性にモテたい
…といった順で、大きいシェアがあるのです。
主催者メリット
運営者自身の学びになる
オンラインサロン内では、さまざまな情報が飛び交います。
主催者が知らない情報も、たくさん出てくるでしょう。
圧倒的な”集合知”を得ることができるのです。
また、1つの話題に対して、十人十色な意見が飛び出すので、”多角的な視点”で物事を見ることができます。
”集合知”と”多角的な視点”から、主催者が学びを得ることも多いでしょう。
アンチによる誹謗中傷リスクの軽減
オンラインサロンは、月会費を取っているところが大半です。
つまり、”会費を払う”のがアンチの侵入を阻む障壁となっているため、荒れにくい…という大きなメリットがあります。
たとえ、月500円という格安会費であっても、アンチを排除するには十分な効果を発揮します。
主催者にとっても、会員にとっても、気分良く活動しやすくなるのです。
スキルや経験の収益化
主催者は、自分ができる価値提供をすることにより、会員から会費をもらえます。
つまり、参加者よりも高いスキル・経験を持っており、それを教えることで収益化できるのです
そして、
集めた会費を資金として、自分の学び・実践のために使い、それらの経験や知識を基にさらなる価値提供を行う…というサイクルが可能になります。
オンラインサロン内で商品をセールスできる
オンラインサロンのコンセプトに合った高額商品を売ることができます。
会費を払って参加している会員は、投資意識が高いですから、有益だと思ったら高額でも購入してくれやすいです。
主催者デメリット
ほとんどのオンラインサロンが失敗する
オンラインサロンの運営を試みる人は多いですが、ほとんどが失敗に終わります。
知名度が低い人が運営開始しても、集客が上手くいかず、閑散としたイメージがついてしまい人が集まらない…というのが起こります。
また、超有名なインフルエンサーであるマナブさん、イケダハヤトさんも過去にオンラインサロンを運営して、そして運営終了しています。
絶大な影響力を持つインフルエンサーでも失敗することが多いので、オンラインサロン運営を軌道に乗せることは、極めて困難といえます。
常に新しい価値を提供しないとダメ
月額課金なので、常に新しい価値を提供しなければ、会員は在籍する意味がないので退会してしまいます。
ネットでは無料で有益な情報が大量に出てきます。
また、SNSやDiscordで、同じ趣味を持つ人たちとも無料でコミュニケーションをとれます。
そんな状況なのに、在籍してもらうには、常に新しい価値を生み出さねばならないのです。
過去に出した情報の焼き直しをしていては、古参の会員にはバレやすくなり、結果として離脱されやすくなります。
なので、専門知識を教えるだけでなく、
興味を引けるプロジェクトを先導して、一丸となって取り組む…など、”共創”することも重要になるでしょう。
トラブルへの対応
オンラインサロン内では、様々な人間が集まりますから、とうぜんトラブルも起こりえます。
そんなとき、主催者がしっかりと対応をしないと、会員からの不信感につながります。
また、重要な内部情報がもれないように配慮することも必須になります。
また、各種問い合わせへの対応も必須となります。
会員のメリット
クローズドな情報
YouTubeなどオープンな媒体では公開していない、秘匿性の高い情報を知ることができます。
インフルエンサーがオープンな場で無料の情報を発信するのは、”集客”としての意味合いが強く、初心者でも理解しやすい内容が多くを占めます。
しかし、クローズドな空間で発信される情報は、オープンな発信に比べてハイレベルな情報が多いので、より密度の高い濃い学びを得ることができるのです。
インフルエンサーとの距離が近い
普段は雲の上の存在であるインフルエンサーにZOOMで質問できるなど、少人数の場で接することができます。
また、リアル交流会などが開かれることもあり、そこではインフルエンサーと間近で接することができるので、インフルエンサーのファンである人には、大きなメリットとなるでしょう。
会員同士で協力して共創
近い趣味嗜好を持つ会員同士が協力し合い、1つのプロジェクトを創る…という、貴重な体験をすることができます。
居住地も仕事もバラバラなメンバー同士が協力し合い、1つのことを成し遂げていく…というのは、オンラインサロンというコミュニティの有効な活かし方といえるでしょう。
会員のデメリット
会費が必要
毎月、会費を支払い続ける必要があるため、継続的な負担が発生します。
だいたい、3000円~10000円ほどの月会費を設定しているオンラインサロンが多く、結構な出費になります。
また、リアルイベントの際は、とうぜん旅費は自分で出すことになるので、金銭的な負担がかなり増えるでしょう。
入会しないと実情がわからない
オンラインサロンの詳細ページでは、とうぜん美辞麗句が書かれています。
あえてデメリットを説明しているページがあっても、それは
「きちんとデメリットを説明してくれる誠実な人なんだ!」
…と思わせて信ぴょう性を上げるための手段であり、本当に深刻なデメリットは隠すものです。
また、オンラインサロンの良し悪しも重要ですが、個人的な”フィーリングが合う、合わない”も重要な判断指標です。
結局、自分にとって有益なのか否かは、実際に入会しないとわからないのです。
国内の有名なオンラインサロン
堀江貴文イノベーション大学校
ホリエモンが運営しており、月会費11,000円という、強気の値段設定です。
そんな高い月会費を払う必要があるのに、1000人ほどの会員が所属しているのは、ホリエモンのネームバリューもさることながら、オンラインサロンで得られる体験にも高い価値を感じている人が多いのでしょう。
会員同士が集まるリアルイベントも頻繁に開かれています。
西野亮廣エンタメ研究所
「えんとつ町のプペル」で有名な、西野亮廣さんのオンラインサロンです。
月会費1000円で会員になれます。
西野さんによるエンタメ創りの情報が、構想の段階から共有されるので、最先端のエンタメの舞台裏をリアルタイムで知ることができます。
また、会員がエンタメ創りのプロジェクトに参加することもできます。
中田敦彦オンラインサロン「PROGRESS」
月会費は、980円です。
⬇超有名なYouTubeチャンネル「YouTube大学」を運営している中田敦彦さんが運営しています。
中田さんが行うプロジェクトに参加できるのはもちろん、イベントをプロデュースすることもできます。
また、YouTube大学などの収録をリアルタイム視聴できたり、毎朝の生配信を見れたりと、様々なメリットがあります。
オンラインサロンのメタバース化
オンラインサロンは、SNSやZOOMなどのツールで情報の提供・交換が行われています。
しかし、それをメタバース上で実施することによって、高い臨場感を得ることができます。
今までは、リアル会場を借りて現地に集まる…という時間と お金がないと、一堂に会することはできませんでしたが、メタバース上なら、頻繁に集まることが容易です。
オンラインサロン主催者との距離が近くなる感覚を得られるため、会員の満足度も上がります。
オンラインサロンを開くインフルエンサーは情報感度が高く、常に時代のトレンドにアンテナを張っています。
したがって、メタバースを”運営戦略の選択肢”として、すでに思案しているでしょう。
オンラインサロンのメタバース化は、まだまだ未開拓です。
しかし、これからは様々なインフルエンサーがメタバース上で交流会などを開くようになるでしょう。
メリット
臨場感・参加感が増す
オンラインサロンでは、リアルタイムでのコミュニケーションはZOOMが使われることが多いです。
しかし、ZOOMでは参加者の顔が映し出されますが、平面的な映像なのでなかなか臨場感・参加感がありません。
なので、メタバースでのコミュニケーションを取り入れることにより、臨場感・参加感を感じやすく、満足度も上がりやすくなります。
アニメ志向アバターで親しみやすい
メタバースでのアバターでは、アニメ志向アバターが一般的です。
親しみやすいので、コミュニケーションも円滑になるでしょう。
従来のオンラインサロンのようにZOOMなどでは、オッサン・オバサンの素顔が映し出され、変な緊張感があります。
また、自分の素顔を明かしたくない会員は、イラストアイコンなどを表示しての参加であり、壁を隔てている感じがありましたが、アバターで交流するなら、壁を感じることも少なくなります。
そして、主催者自身が素顔を隠したまま運営することもできます。
普段からイラストアイコン・アバターとして情報発信・活動しているなら、そのままのキャラでメタバースのオンラインサロンを運営することができます。
革新性・話題性
オンラインサロンを本格的に導入したメタバースは前例が見当たらないので、実行すれば革新性があります。
メタバース関連メディアで取り上げて情報拡散してもらえる可能性が高いです。
もちろん、「交流会をメタバースで行う」というのは有効ですが、それは誰でも思いついて実行できるので、それだけだとすぐに他のオンラインサロンの中に埋もれてしまいます。
他のオンラインサロンではやっていないような、メタバースを活かすアイデアを考えて、実行し続けると、大きな話題性を呼び、注目度が上がっていくでしょう。
デメリット
メタバース デバイスがない人は、損してる感
メタバースに参加できるデバイスを持っていない人は、損をしてしまう感じが生まれます。
ヘッドセットを持っている人は まだまだ少ないですし、ヘッドセットなしでパソコンからアクセスしようにも、ファイルダウンロードやアカウント作成など、煩雑な手続きが必要です。
また現時点では、Chromebookでは、メタバースに参加するには不向きなので、敬遠される恐れがあります。
メタバース デバイスがある程度普及するまでは、
メタバースでのイベントやセミナーの際は、その様子をYouTubeでも同時配信して、チャットで質問を受け付けるなど、工夫が必要になるでしょう。
情報だけ欲しい人からしたら、メンドクサくて敬遠される?
オンラインサロンでは、”学習だけ”を目的としており、”交流”や”プロジェクト参加”を目的としてない人もいます。
特に、ビジネスやマーケティングを学ぶオンラインサロンでは、そのような人も多いでしょう。
そのような人からしたら、メタバースデバイスを用意するのは、面倒と思われるかもしれません。
なので、(前項と同じく)YouTube上で同時配信するなどの配慮をしたほうが良いでしょう。
可能な運営戦略
会員権NFT販売(個人情報が不要)
通常、オンラインサロンでは、ある程度の個人情報が必要になります。
- 決済手段の登録
- Facebookアカウントの用意
…など、個人情報を一切登録せずに参加することは難しいのです。
しかし、会員権NFTを販売して、
- NFTを保有するウォレットで、会員認証
- オンラインサロンを利用可能
…という感じにすれば、「決済手段・交流」が完全匿名で可能になります。
そして、メタバース・実名が不要なSNSなどを利用すれば、”完全匿名で参加できるオンラインサロン”と名乗ることができます。
しかし、注意点として、
クレジットカード決済のように”自動継続課金”ではないので、会員権NFTの期限が切れたら再度 会員権NFTを能動的に購入してもらう必要があります。
つまり、”惰性”で月会費を払い続けてくれる可能性が減ってしまうのです。
なので、一度購入したら保有する限り ずっと会員でいられる”永続会員権NFT”として販売することもできます。
とうぜん、保有者は永続的に会員として活動してくれる可能性が高いです。
その保有者からは月会費をもらうことはできませんが、メンバーとして活動してくれる人がたくさんいれば、活気を演出することができます。
長期間在籍者にインセンティブ
オンラインサロンでは、一通り学んだら退会…という手段を取る人もいます。
(繰り返しますが)特に、ビジネスやマーケティングを教えるオンラインサロンでは、「学ぶことだけが目的」の人も多いです。
なので、長期間メンバーとして真剣に学び続けている人には、なにかしらのメリットが発生する…というインセンティブを用意することも有効でしょう。
たとえば、
- インフルエンサーの直接アドバイスが定期的にもらえる
- インフルエンサーからの仕事依頼が来やすい
…などのメリットがあれば、今後も継続的に在籍してくれる可能性が高まります。
独自トークン発行
運営が軌道に乗って、オンラインサロン内で経済圏を生み出せるようになったら、独自トークンを発行してもよいです。
オンラインサロン内での仕事の依頼の報酬などに、独自トークンを支払うのです。
また、独自トークン保有者は、独自トークンの相場価格を上げたいので、自主的にオンラインサロンを盛り上げて、宣伝してくれます。
すると、さらにオンラインサロンが盛り上がりやすくなります。
また、
運営開始したばかりで軌道に乗っていない場合も、初期から独自トークンを無料配布することにより会員が集まりやすくなります。
広告枠販売
メタバース内における、広告枠を販売します。
オンラインサロンのテーマと近い広告の方が興味を持たれやすく、広告効果も高いでしょう。
ただし、粗悪な商品の広告を表示してしまうと、オンラインサロン自体のイメージも低下してしまうので、ある程度の審査を設けるべきでしょう。
資金調達➡NFT販売
オンラインサロンで何らかのプロジェクトを実行したい場合、とうぜん資金が必要になることも多いです。
その際、資金調達にクラファンが使われることも多いです。
しかし、従来型のクラファンだと、受け取った返礼品を転売することが難しいです。
なので、資金調達としてNFTを販売することもできます。
(とうぜん、NFTは転売可能です。)
⬇すでにクラファンとNFTを融合したサービスも存在します。

未来予測「メタバース×一部DAO化」
オンラインサロン市場は、現在”下火”と言われています。
たとえば、
(前述した)国内トップクラスの「西野亮廣エンタメ研究所」の会員数は、7万人台から3万人台へと急激に下落しました。
この出来事そのものが、”オンラインサロンは下火”というイメージを加速させて、さらにオンラインサロンをやめる人を増やしてしまうでしょう。
その要因としては、
「人々の知的欲求や自己実現欲求が低下した」のではなく、「知的欲求や自己実現欲求を充足させる他の手段が増えて そちらに流れた」と言えます。
しかし、
オンラインサロンの本質ともいえる「学ぶ場所」「共創する場所」は、常に需要があります。
そして、その本質を受け継ぐポテンシャルを秘めるのが「メタバース×一部DAO化」という組み合わせです。
情報感度の高い人にとって、メタバースはすでに知れ渡っていますが、DAOについては理解している人が少ないです。
しかし、とても大きな可能性を秘めた「共創する場所」といえます。
⬇DAOについては、こちら

すべてをDAO化するのではなく、
プロジェクトを進めるのアイデアなどを募り、参加者の多数決で決めたい場合のみ投票で決める・・・という一部DAO化をするのです。
つまり、最終的な決定権は主催者が持ちつつも、アイデア共有などもできるのです。
さらに、投票権となる”ガバナンストークン”は、好きな時に売却できるため、参加者は売却益を得れるメリットもあります。
- メタバースで交流
- DAOで情報共有
- NFT販売で資金調達
…という、新時代のコミュニティは、次世代のオンラインサロンといえるかもしれません。
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