NF亭ショウタです。
「メタバースでのハラスメント」に関する世界規模のアンケート調査が行われました。
メタバース界の急速な発展とともに、そこでのハラスメントも問題として浮かび上がっているのです。
これからは、メタバースのハラスメントに対する認識が必要不可欠となってくるでしょう。
この記事では、
- メタバースでのハラスメントの概要
- 悪意があるパターン・悪意がないパターン
- 未来予測:危険因子「エナジーバンパイア」
…を、解説していきます。
「メタバースでのハラスメント」に関するレポート公開
2022年11月8日、「メタバースでのハラスメント」の調査レポートが無料公開されました。
この物理的な現実世界でハラスメントが大きな問題とされているのと同様に、急激に発展しているメタバース業界でもハラスメントが問題となりつつあるのです。
そして今回、メタバースでのハラスメントに関する世界規模でのアンケートを実施した結果をまとめたレポートが、無料公開されたのです。
(VRヘッドセットの利用者をアンケート対象としており、PC・スマホのみでの利用者は対象外となっています。)
上記の目次を見ての通り、多角的な視点でアンケートを実施・集計しています。
今後のメタバース業界で大きな問題となるであろうハラスメントについて、早期に認識しておくのは極めて重要といえるでしょう。
メタバースのハラスメントとは?
メタバースでは、まるで仮想空間に自分の身体が存在しているかのような没入感を体感できます。
なので、ZOOMなどに比べて、他者とのコミュニケーションのリアル度・密度が圧倒的に高まるのです。
反面、
メタバースでのハラスメントをされて、この物理世界での日常生活に悪影響を受けている被害者もすでに存在します。
高いコミュニケーション密度のメタバースで、良いコミュニケーションができれば精神的に良い影響を生みますが、悪いコミュニケーションをしたら精神に悪影響を及ぼすのです。
この状況は、メタバース業界全体の価値の低下につながりかねない、深刻な問題といえるでしょう。
レポート作成者「Nem x Mila」とは?
メタバースでのハラスメントに関するレポートは、メタバース研究ユニット「Nem x Mila」によって作成・公開されました。
このユニットは、バーチャル美少女ねむ さんと、ミラ (リュドミラ・ブレディキナ)さんの2名によって結成されています
- バーチャル美少女ねむ
2017年から活動する個人勢VTuberであり、メタバースが注目を浴びる遥か前から メタバースに入り浸っていました。
YouTubeでメタバース関連の発信活動をするとともに、仮想通貨やNFTなどにも精通しています。
著書「メタバース進化論」の出版でメタバースの有識者として知られ、
- TV出演
- 有名大学での講義
- 新聞掲載
- 文化庁・文化経済部会へのデータ提供
…などを行っています。
⬇バーチャル美少女ねむ さん著「メタバース進化論」の詳細

- ミラ (リュドミラ・ブレディキナ)
スイス・ジュネーブ大学で修士号を取得しており、現在はフリーの人類学者として活動しています。
2022年に「バ美肉VTuber」に関する修士論文を発表して、ジュネーブ大学のジェンダー分野の学術賞「プリ・ジャンル」を受賞しました。
(※バ美肉=男性が美少女VTuberとして活動すること)
⬇「バ美肉VTuber」についての修士論文の詳細

メタバースでのハラスメントのレポート考察
メタバースでのハラスメントは、
- 言葉のハラスメント
- 物理的ハラスメント
- 環境ハラスメント
…の3つに分類されます。
1つずつ、解説していきます。
言葉のハラスメント
レポート内では、言葉のハラスメントの種類として、
- 性的な言葉
- 耳障りな音
- 暴言
- 脅迫
…などが挙げられています。
言葉によるハラスメントは、物理的な現実世界でも大昔から存在します。
相手からの否定的な言葉は、自分の価値が低く見られている…ということなので、自尊心が低下してしまい精神的にダメージを負います。
その場限りの人間関係だったとしても、不快な気分になります。
ましてや、
その後も継続していく人間関係の中だったら、割り切ることもできずに「また、この人から何か言われたら嫌だなぁ…。」と、長期的に引きずっていくことになります。
それは、実名や素顔を明かす必要のないメタバースにおいても同様です。
メタバースにおける身体となるアバター・設定した名前と、「個」は明確に結びついています。
なので、もはや自分自身なのです。
例えば、バーチャル美少女ねむ さんは、物理的な現実世界での名前・素顔は一切明かしていません。
しかし、メタバース(+VTuber界)においては、「バーチャル美少女ねむ」という名前とアバターで活動しています。
とうぜん、バーチャル美少女ねむさんに否定的な言葉を浴びせたら、バーチャル美少女ねむ さんからしたら、物理的な現実世界と同じくらい精神にダメージを追うでしょう。
むしろ、バーチャル美少女ねむ さんは、物理現実よりもメタバースに人生の比重を置いている印象を受けるので、物理現実よりも大きなダメージを負う可能性すらあるのです。
その場限りのコミュニケーションである「5ちゃんねる」などの匿名掲示板に罵詈雑言を書き込むのとは、まったくワケが違うのです。
(匿名掲示板に罵詈雑言を書き込むの自体、よろしくないが…。)
メタバースでも物理現実でも、名前と身体はまぎれもなく「アイデンティティ(自分が自分である証明)」であるという本質は、全く同じなのです。
物理的ハラスメント
レポート内では、物理的ハラスメントの種類として、
- 過度で不要な接近・接触
- 性的な嫌がらせ
- ストーカー行為
- 動きを封じる
…などが挙げられています。
メタバースは、いうまでもなくネット上に再現された仮想世界です。
なので、
「メタバースは相手に触れないじゃん。物理的なハラスメントなんてないでしょ?」
…と思ってしまうかもしれません。
しかし、
メタバースは物理現実に匹敵する臨場感ゆえに、人間の脳も物理現実と同じような反応を示します。
例えば、他者から睨まれたら、物理現実だろうとメタバースだろうとものすごくイヤな気分になるでしょう。
また、メタバースで”殴る そぶり”をされたら、実際に物理的ダメージを負うことはなくても、とてもイヤな気分になり精神的なダメージを負います。
つまり、相手が物理攻撃をする態度は、そのまま精神的な攻撃となるのです。
(アバターによる動きで、負のエネルギーをぶつけられているようなものです。)
そして、レポート内で書かれている、「パーソナルスペースへの立ち入り(不要で過度な接近)」や、「性的に触られる(胸や尻などに触る)」なども、敵意や下心として受け止められてしまいます。
(相手との十分な信頼関係があれば冗談で通用しますが、そうでないなら不適切な行為でしかないのです。)
特に、相手に接触する行為は、ファントムセンス(視覚・聴覚のみが再現されるはずのVRデバイスの体験中に、他の感覚を感じる現象)を誘発しやすいです。
⬇ファントムセンスの詳細は こちら

…なので、メタバースで肩を触られたら、物理現実でも肩に触られたような感覚になることもあるのです。
とうぜん女性の場合、好きでもない異性から胸や尻を触られてファントムセンスを感じたら、とてもイヤな気分になるでしょう。
つまり、ファントムセンスを体感する人が増えれば、”メタバースでの物理的なハラスメント”という概念も認識されていくと思われます。。
アニメ志向アバターが相手だと、親しみやすいデザインゆえ つい適度なラインを超えてふざけてしまうかもしれませんが、相手の気持ちを推し量るのを忘れないようにしたいものです。(自戒。)
環境ハラスメント
レポート内では、環境ハラスメントの種類として、
- 不適切なアバターを見せる
- 不快なコンテンツを見せる
…が挙げられています。
グロ映像を見せる、また その要素があるアバターで接される…などがあるでしょう。
これは、以前からネット上でもあります。
匿名掲示板で、「可愛いハムスター画像を貼っといた」と書かれたリンクを開いたら、無関係なグロ画像だった…というパターンは、いくらでもあるのです。
しかも、没入感の強いメタバース上でやられたら、匿名掲示板よりも強い精神的ダメージを負います。
また、虫が苦手な相手に対してムカデのアバターなどで(一例)で接近するなども、ハラスメントになるでしょう。
一般的な感性では理解しづらい趣向のアバターを制作・利用すること自体に問題はないのですが、苦手な人が多いであろう場合は、場所をわきまえることが必要になります。
一般的に敬遠される趣向のアバターは、好きな人同士で楽しむべきでしょう。
【悪意が無い】PC勢とヘッドセット勢の「没入感の差」による感覚の違い
PCとVRデバイス(ヘッドセット)では、圧倒的に”没入感”に差が出ます。
メタバースの魅力の1つが、物理的な現実世界と錯覚してしまうほどリアルさから生まれる、圧倒的に高い没入感です。
だからこそ、物理現実と同じようにコミュニケーションを取ろうとするマインドが生まれます。
反面、
PCでしかメタバースを体験したことがない人には、「没入感」というモノがわかりません。
目の前に他の人がいたとしても、単にPC画面に映し出されたキャラと認識してしまうのです。
相手を、3Dゲームに登場するキャラのように感じてしまうんですね。
つまり、
- PC利用者の認識=PC画面に映し出された3Dキャラ
- ヘッドセット利用者の認識=現実に存在する人格を持った人間
…と、相手に対する感覚的な違いが生まれてしまうのです。
結果として、PC利用者はヘッドセット利用者に失礼に当たる対応を「悪意無く」してしまうのです。
だからこそ今回のレポートでも、スマホやPCのみの利用者は、調査対象外となっているのでしょう。
この、「PC勢とヘッドセット勢の感覚の違い」は、今後の1つの大きな課題となってくるかもしれません。
【悪意がある】「抑圧された負のエネルギー」を持つ人が来る
倫理観らしきモノが、外部からのプレッシャーのみで形成された人はいる
「相手が嫌がっている」と承知の上で、意図的・自覚的にハラスメントをする人も、存在します。
…本来、倫理観はそれまでの人生の中で築き上げる”行動の中心軸”ともいえます。
自分なりの倫理観を中心軸として、他者への接し方や やってはいけないこと を考えていくのです。
しかし、
本来の意味での倫理観がなく、「外部からのプレッシャー」という抑止力で倫理観があるように行動せざるを得ない…という人は結構たくさんいます。
とうぜん、外部からのプレッシャーがなくなったら、抑止力がなくなり相手の心情など考慮しなくなります。
「外部からのプレッシャー」とは「報復されるリスク」です。
自分に対しての”悪評の流布”や”殴る蹴るの実力行使”など、報復・反撃をされるのが嫌だから、仕方なく相手の心情を考慮して、倫理観があるように行動しているに過ぎないのです。
しかし、
メタバースでは匿名で行動できるので、悪評を流布されようが、離脱してまた別人になって再来すればよいだけなのです。
つまり、メタバースでは「報復されるリスク」をなくすことが可能なため外部からのプレッシャーが働きにくく、明確な悪意を持って抑圧された負のエネルギーを捨てに来る…という人が現れるデメリットがあるのです。
日本社会では、プレッシャーをかけあう人間関係が多い
日本の職場などでの人間関係は、プレッシャーをかけあう人間関係が 多いです。
友好を装い、相手を小馬鹿にしたような態度を取り、ジワジワと自尊心を下げようとしてくる人もいます。
相手の反応を慎重に うかがいながら、テスト的に少しずつマウンティングをしていき、故意にエネルギーを奪おうとする人はいるのです。
もちろん、そのような人間関係のグループ内にいるとイライラは溜まるでしょう。
しかし、日本人は「一人になるのが耐えられない。怖い。他者から笑われる。」と考える傾向が強いので、結局はストレスを感じるイヤなグループに いつづける人も多いのです。
そのような人間関係で生きてきた人の中には、筋や道義というものを驚くほど考慮しない人も多いです。
なので、そのような人のストレスに捌け口にメタバースが選ばれるリスクがあるのです。
「態度によるハラスメント」は、第三者による判断が困難
前述した、
- 言葉のハラスメント
- 物理的ハラスメント
- 環境ハラスメント
…は、第三者から見て不適切であると判断しやすいです。
「誰が・いつ・どこで・何をした」という”事実ベース”の内容なので、加害者側も嘘をつきにくいですし、その場面だけを見れば「悪質である」という判断を下せるからです。
反面、
「態度によるハラスメント」は、第三者からしたら判断が極めて難しいです。
なぜなら、”それまでの関係性”や”声のトーン”や”会話の間”など、「言語化しにくい情報の集積」が、態度によるハラスメントにつながるのです。
つまり、その場で明確な不適切行為が行われるわけでなく、長期的な関係性の中での態度によって少しずつジワジワとハラスメントをしていくので、第三者はいつもその場に居合わせていない限り、判断が極めて困難なのです。
⬇人間のコミュニケーションは、言語情報(7%)よりも非言語情報(55%+38%=93%)の方が圧倒的に多いです。
引用:Schoo
人間関係のコミュニケーションにおいては、
- 言語情報=言葉の内容(7%)
…と、言葉そのものが占める割合は非常に小さく、
- 視覚情報=見た目・しぐさ・表情・目線(55%)
- 聴覚情報=声質・声量・口調・テンポ(38%)
…と非言語情報の方が、圧倒的に大きな意味を持つのです。
視覚情報や聴覚情報は、とうぜん言語化して他人に説明することは大きな手間がかかります。
また、(真意はどうあれ)加害者が「そんなつもりはない。」と言ってしまえば、それ以上は言及しづらくウヤムヤになってしまうのです。
なので、態度によるハラスメントは、「冗談の範疇」なのか「友好を装ったマウンティング」なのか、判断しづらいです。
メタバース業界の発展を阻害してしまう
メタバースに日常的に行ったり、メタバース情報を収集している人からすると、まるで世間では「猫も杓子もメタバース!」…という状況かと錯覚してしまうかもしれません。
しかし その実、一般層からしたら、
「メタバース?何それ?」
「名前は聞いたことある!…で、結局なんなのメタバースって?」
…という人がほとんどでしょう。
一般層からしたら、そんな認識なのです。
そんな状況でも、メタバースに新しく興味を持って訪れてくれる一般層の人もいるでしょう。
ですが、もしそこでハラスメントの被害にあってしまったら、2度とリピートしてくれないかもしれません。
そんな状況があちこちで起これば、本来増えるハズだったメタバースの利用人口が増えなくなるのです。
その結果、メタバース利用人口の増加速度が鈍くなったら、参入企業も減るでしょう。
メタバース業界の発展が阻害されて、将来性が失われていくのです。
なので、解決策を用意することが必要不可欠となります。
解決策
レポート内で提示された対処法
レポート内では対処法として
- ブロックする
- 逃げる
- ミュートする
- 非表示にする
- 音声ボリュームを下げる
- キック(追放)投票を行う
…などが挙げられました。
「管理者に報告する」というのは、第三者から見て不適切さを理解しやすい場合は、有効でしょう。
しかし、態度によるハラスメントは、なかなか理解されづらいこともあります。
管理者が、対応をしてくれないことも十分あり得るでしょう。
また、「キック(追放)投票」も、一定数以上の人が同一人物に不快感を感じていない限り、可決されないでしょう。
(特定の人物だけをターゲットにして、他の人には普通に接する…という加害者も多いでしょう。)
なので、「ブロック・ミュート・逃げる」などは自己判断で可能なので、有効な策となりえるでしょう。
運営サイドによる解決策「アカウント信用度・ビデオ判定」
メタバースプラットフォーム運営サイドによる解決策としては、「アカウント信用度」「ビデオ判定」が挙げられます。
「アカウント信用度」は、そのユーザーの総利用時間頻度などでランク付けをして、ランクに応じて行動の自由度を上げていく…という方法です。
VRchatなど、すでに導入しているプラットフォームも存在します。
なので、他の利用者からの通報などが一定数になると、アカウント信用度を下げる、ひどい場合はアカウント停止…などの対処が可能です。
(新アカウントを作って またハラスメントしに来る人も当然いるでしょうが、加害者の総数を減少させるには有効と言えます。)
「ビデオ判定」は、プラットフォーム運営サイドがワールド内での利用者の行動一部始終を録画(+一定期間保存)しておき、申し出があった場合に後から該当場面を検索・確認を可能にする…という方法です。
「言葉のハラスメント・物理的ハラスメント・環境ハラスメント」においては、これで有効な対応が可能になるでしょう。
(むろん、データ保存のためのサーバーの負荷が膨大になるので、月額いくらでのサービスにするのが現実的でしょう。)
反面、
「態度によるハラスメント」の場合は、(前述した通り)運営サイドからしても極めて判断しづらいでしょう。
なので、運営サイドのみでなく利用者(加害者・被害者は もちろんその関係者)も確認可能にして、後から裁定可能にすべきでしょう。
解決しづらいケース
所属するコミュニティのメンバー
また、対処法があってもそれを行使できないケースもあるでしょう。
それが、「所属するコミュニティのメンバーからのハラスメント」です。
楽しむためにメタバースで交流していると、自然と共通の趣味がある人達が集まりコミュニティが形成されます。
しかし、コミュニティ内に1人でもハラスメントをしてくる人がいると、そのコミュニティにいる楽しさが失われかねません。
すると、そのコミュニティからの離脱、ひいてはメタバース自体の魅力が損なわれてしまう恐れがあるのです。
また、これからはメタバースを利用する企業も増加確実ですから、職場での陰湿でストレスフルな人間関係が、メタバース上に そっくりそのまま置き換わることも起こりえます。
物理現実でイヤな同僚がいても我慢して接さなければならないように、メタバースでイヤな人間がいても我慢して接さなければならない…という状況になってしまうのです。
メタバース業界の危険因子「エナジーバンパイア」
メタバースでは、”人を見る目”が より重要
メタバースは、誰でも無料で利用可能であり、世界中どこからでも好きな時にアクセスできます。
そして、無数にコミュニティが形成されており、多くの人がコミュニケーションを取ることができます。
しかし、その利便性の高さは、人間性に問題がある者がドンドン訪れてくるというリスクと表裏一体です。
人格的に大いに問題があって誰にも相手にされないような人間は、物理的な現実世界にいくらでも存在します。
「一人が好き」なのではなく、「他の人に相手にされない」ので、一人でいざるを得ないのですが、その孤独に耐えられず、常に居場所を求めている状態なのです。
そのような人たちが、居場所を求めてメタバース界に次々と押し寄せてくるリスクがあるのです。
とうぜん、そんな人たちがメタバースに押し寄せてきたら、人間関係のトラブルが多発します。
コミュニティのリーダー格にはやたら愛想よく取り入り、他メンバーには尊大な態度を取るような人もたくさんいるでしょう。
とうぜん、そのような人は他の人から嫌われやすいですし、放置したらコミュニティの雰囲気が悪くなります。
その問題は、コミュニティのメンバー同士でのトラブルというカタチで顕在化していきます。
そして、日本社会においてよくある極めて短絡的なトラブル解決法が、
- 喧嘩両成敗
- 4D言葉(でも・だって・どうせ・ですが)=悪徳
…とする風潮です。
この2つは、トラブルを裁定する人間にとっては極めて短時間で楽に解決(した雰囲気を出せる)できるので、多用されます。
しかし、
「喧嘩両成敗」「4D言葉=悪徳」の使用を続けていると、コミュニティの崩壊につながる危険性が高いです。
⬇片方が明らかに悪いケースも多いので、喧嘩両成敗は人格に問題がある方に有利すぎる
引用元:LINE BLOG
また、4D言葉は”自分の成長を止める言葉”といわれ、使ってはいけない言葉とされています。
立場が上の人間から「”でも”じゃない!子供みたいな言い訳するな!」と、言い分も聞かず否定されたことがある人も多いのではないでしょうか?
しかし、これもよくよく考えればおかしい風潮です。
相手と異なる意見を言うとき、自分の意見主張するための”反論の起点”となるのが4D言葉です。
自分の権利を守るためには、時として反論することはとうぜん必要です。
つまり、4D言葉=悪徳という理論は、「立場が上の者だけが使える”反論封じ”」なのです。
(立場が上の者は、普通に4D言葉を使います。)
(補足:「4D言葉=悪徳」ではなく、「”4D言葉を使わざるを得ない相手”と関わらない」のが正解だと思います。)
日本の職場では、筋や道義に照らし合わせるのではなく、立場の上の者がプレッシャーかけて無理やり押さえつける傾向が強いです。
職場では、このような「喧嘩両成敗」「4D言葉=悪徳」という極めてアホな対処法でも、コミュニティは維持されます。
人が職場に行く目的は「お金(給与)を得るため」だからです。
給料を得ることが目的なので、職場の人間にイライラしていても、上司や同僚と接するのが憂鬱(ゆううつ)でメンドくさくても、生活費を稼ぐために職場というコミュニティに嫌々行かざるを得ないのです。
しかし、人間関係のコミュニケーションを楽しむことを目的としているメタバース上のコミュニティにおいては、「イヤなら行かない」という選択肢があります。
なので、「喧嘩両成敗」「4D言葉(でも・だって・どうせ・ですが)=悪徳」でトラブルを表面的に解決していると、次第にまともな人が去っていき、まともでない人は居座るでしょう。
結果、コミュニティ崩壊につながるのです。
なので、コミュニティのリーダーは、トラブル時にはしっかりと時間と労力をかけて真相を確かめて、ジャッジすることが求められるでしょう。
「エナジーバンパイア」の存在を共通認識として、対処しやすい土壌を築く
エナジーバンパイアとは、精神的エネルギーを吸い取ろうとする人です。
一緒にいるとなんだか疲れてしまったり、自信を失って元気がなくなってしまう人を意味します。
やたら否定してきたり、見下して小馬鹿にした態度をとって、相手の自尊心を低下させようとするのです。
- エネルギーを奪うことが、人間の三大欲求レベルになってしまっている
- 自分が小馬鹿にされることを回避すべく、他者をスケープゴート(身代わり)にしたい
…という、極めて有害な人種なのです。
悪意が無いのではなく、罪悪感が無いのです。
悪意が無いのではなく、悪意があるのが平常レベルになっていて自覚できないのです。
なので、
会話をしようとしてもエナジーバンパイアが相手だと、やたら茶化してきたりして話が噛み合わず楽しくもなく、接しているだけでグッタリと疲れたり、後々イライラしてしまったりという悪影響が心身を蝕むのです。
もちろん、冗談をいって”イジる”ことは、人間関係を朗らかにするためには有効です。
しかし、それは相手との信頼関係があってこそ有効なのです。
エナジーバンパイアは、信頼関係がないにも関わらず、度を越えてイジろうとしてきます。
”コミュニケーションの潤滑油”ではなく、”イジり続ける”ことが主目的になってしまっているのです。
しかも、それを息を吸うようにナチュラルに行いますし、指摘しても「そんなつもりはない!」「あなたの考えすぎだって!」と、是正しようとしません。
もし、コミュニティの他メンバーから指摘された場合は、反省したような態度をとりますが、それは”外部からのプレッシャーで押さえつけられてる”だけです。
エナジーバンパイアは、スキを見て同じことを繰り返すでしょう。
だんだんと、会話する気が失せてくる人もいるでしょう。
また、メタバースに集まって、「みんなで何かの作品を共創しよう!」など、エネルギーが高まっているときなどに、
なんらかのアイデアを出そうとしたとき、やたら茶化し続ける人がいたら、一気に士気が下がってしまうでしょう。
すると、高まったエネルギーが奪われ続けてしまい、行動を起こすモチベーションがなくなってしまうのです。
対抗策として、反撃マウンティングをする流れが起こります。
相手のアラ探しをして貶めるプロセスを考えて実行することに、思考エネルギーを使ってしまう様になるのです。
結果として、エネルギーを奪い合い 低めあう人間関係が形成されていきます。
…そのような事態を回避して、メタバースでのコミュニティを良好に維持するためには、エナジーバンパイアを可能な限り見分けて適切な対処をして、居座られないようにすべきです。
しかし、エナジーバンパイアを見分けて排除する際にも注意が必要です。
恐らく、エナジーバンパイアはロクに反省もせず「新しいアカウント作って、別のコミュニティに行けばいいや」とメタバース業界をゾンビのように徘徊する可能性もあります。
なので、下手に追放すると「あそこのコミュニティで酷い目に遭った!自分は被害者!」などと、同情を買おうと あちこちで悪評をばら撒かれる…というリスクがあるのです。
なので、メタバース業界において「エネルギーバンパイアへの対応は必要不可欠」という共通認識を持つのが、理解を広めるのが必要となるでしょう。
(※「それは差別だ!」
「そういう偏見を持つから、そういう眼で見てしまう。」
「お前は完ぺきな人間なのか?」
…という人も出てくるかもですが、そういう人は自分が多大なデメリットを負うリスクがない、安全圏から立派そうなことを言ってるに過ぎません。
シカト推奨。
歯が浮くようなキレイゴトを言って、ケツを拭くのは他人任せ…という人は、どこにでもいるものです。)
同時翻訳AI実用化➡日本人への悪評リスク
いずれは、メタバースで同時翻訳できるAIが実用化されるでしょう。
日本人・外国人でも、ほぼ同じようにコミュニケーションを取れるようになるのです。
…つまり、日本人と外国人のコミュニケーションは増え続けるのです。
日本人はストレス(負のエネルギー)を貯めこんで働いている人が多いです。
なので、「日本人は匿名だと豹変する人が多い」とも言われています。
つまり、素顔も本名も明かさず(+ボイチェン使えば完璧)過ごせるメタバースでは、豹変する悪質な日本人が押し寄せてくる…という危険性もあります。
そして、豹変した日本人と外国人が接する機会も増えます。
結果、一部の日本人の陰湿性が世界からの悪評を生みかねないのです。
いずれは、AIによるエナジーバンパイアの判断(その人物と接した相手たちの反応を見て判定)が、それなりの精度で可能になるかもしれません。
ですが、最終的な判断は結局は人間が決めるべきでしょう。
メタバースを健全な業界にしていくためには、
”エナジーバンパイア=メタバース界の危険因子”という認識を世界規模で広めていき、エナジーバンパイアがいづらい環境創りが、極めて重要といえます。
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