NF亭ショウタです。
メタバースは高い注目を集めており、どんどん普及しようとしています。
そして、そのメタバースと高い相互補完性があるのがVTuber界です。
これからは、”メタバース活動履歴”としてVTuber化する人が増えていきます。
・メタバース活動=フロー型
・VTuber活動=ストック型
これらの活動の特性と、未来予測について解説していきます。
企業のメタバース活用は必須になる
メタバース=移動が制限され、抑圧された需要の受け皿
コロナによる海外への渡航制限だけでなく、国内移動もかなり制限されています。
なので、「外出したい」という需要が満たされづらい状況が続いています。
そこで、バーチャル空間を自由に移動できる上に旅費や運賃がかからず、擬似的に外出・旅行を楽しめる手段として、メタバースが需要の受け皿となっている…といえます。
好きなときに、好きな場所へ、好きなだけ行ける・・・というメタバースは、同じ趣味嗜好を持つ人たちが全世界から集まる”社交場”としても価値があります。
純粋な娯楽としてメタバースを回遊するのも良いですし、ビジネスを仕掛ける側としてイベントを開催することもできます。
会議利用でも有用
また、
・現実世界の会議➡わざわざ物理的に一箇所に集まる手間が煩わしい
・Zoom会議➡上半身の身なりや背景やライトアップを整える手間。臨場感もない
という手間がデメリットですが、メタバースはそれが不要です。
時間さえ合わせれば、世界中どこからでもメタバース上の一箇所に集まり、臨場感がある空間で会議ができます。
大型スクリーンにはプレゼン資料を表示できますし、会議の会場にも遊び心があり無機質な会議室よりも楽しく集中力も持続しやすい・・・という二次的メリットもあります。
大多数の企業は”商業利用”
企業によるメタバース利用も活発化しています。
非常に大きな発展が見込まれるメタバースですから、事業を成長させるチャンスとして捉える企業も増えているのです。
その際、
1.メタバースを「開発」
2.メタバースを「商業利用」
の2つに大別できます。
メタバースを制作・運営するのは、多大な資金と時間を投入せねばなりません。
なので、自分たちでメタバースを創るのではなく、商業利用者の立場でメタバースに関わる方が、 はるかにリスクが低く参入しやすいのです。
そして、メタバースを商業利用する際は、VTuber活動も併行することが有効な戦略となってきます。
その理由を解説していきます。
メタバース活動履歴のストック手段=VTuber
メタバース活動の情報を、VTuberチャンネルで保存
メタバースで活動しても、その情報は基本的に記録されず消えていきます。
しかし、VTuberとして活動すればYouTube上に活動履歴を残すことができます。
例えば、VTuber文化の初期から活動するバーチャル美少女ねむ さんは、メタバースでの活動情報をYouTubeで発信しています。
つまり、メタバースでの活動情報を、VTuberチャンネルで保存しているのです。
”情報の深度”が自由自在な履歴書
VTuberは、YouTubeをはじめとしたプラットフォームで活動を行っています。
とうぜん、その活動の内容は活動するプラットフォーム上に残ります。
これは、活動履歴のアーカイブとなり、新しく知ってもらう人に対する”履歴書”のような役割を持ちます。
概要をサラッと確認したい人は、アーカイブ一覧をサラッと目を通します。
深いところまで活動履歴を知りたい人は、各アーカイブを再生してじっくり視聴します。
「どの程度まで知りたいのか?」という相手の需要に合わせて、適切な深度まで臨機応変に活動履歴を知らせる手段・・・。
それが、VTuberとしても活動するメリットなのです。
アバターの主流はアニメ志向
メタバースで使われる3Dアバターは、本物の人間のようなリアル志向より、VTuber的なアニメ志向の方が圧倒的に多いですよね。
・リアル志向
画像引用:PR TIMES
・アニメ志向
アニメ志向の方が、表現の自由度も高くてカスタム性を楽しめますし、親しみやすいのです。
とうぜん、アニメ志向のアバターはそのままYouTubeで発信すればVTuberになれます。
メタバース活動の延長線上の感覚で、気軽にVTuberをはじめる人も激増するでしょう。
「配信勢VTuber」のメタバース情報の発信者が増える
VTuberは、以下の2つに大別されます。
・配信勢=数十分〜数時間のリアルタイム配信がメイン。準備の手間も少なく手軽。
・動画勢=数秒〜数分の短い動画をメインに発信。内容が濃いが「台本を作る➡収録➡編集」というステップが必要。
ライブ配信の強みは”リアルタイム感”です。
動画の強みは”じっくり練られた濃い内容を短時間で手軽に見れる”という点です。
そして、メタバース上の活動をそのままリアルタイム配信すれば、すぐに配信勢VTuberになれるのです。
差別化要素の重要性
しかし配信勢VTuberは、手間が少なく手軽にできるメリットがあるのですが、その分 非常にライバルも多いです。
ゲーム配信や雑談配信をしているVTuberは星の数ほど存在しますが、そのほとんどがチャンネル登録者数百人以下と、伸び悩んでいるのが実情です。
ライバルがすでに多数いるので、後追いで同じことだけしても伸び悩むのは当然といえます。
なので、何らかの”差別化要素”が必要になってきます。
具体的には、
・メタバース内の特定のジャンルに特化。
(例:美術館めぐりVTuber・ファッション情報VTuber・パルクールVTuber…など)
・短時間の動画メインで、テロップ入りで濃いメタバース情報を発信する”動画勢”になる
…などです。
片方だけでも良いですし、両方組み合わせても良いです。
ジャンルを絞って発信すれば、そのジャンルに興味がある人が見てくれます。
早く参入したほうが、「〇〇系VTuberといえば、あの人!」という感じで、ポジションを取りやすいので後々有利になります。
なので、活動を開始するなら早いほうが良いでしょう。
メタバース&Youtubeで同時ライブ配信
短時間の動画も長時間のリアルタイム配信も、同時配信が可能
VTuberは、現在はYouTube上で発信して活動しています。
しかし、近い将来
1.YouTube上
2.メタバースに設置された、ディスプレイ上
で同時に発信されるようになるでしょう。
そうすれば、YouTubeとメタバースの両方の利用者に見てもらえるので効率が良いのです。
企業案件の獲得にも ”2ヶ所で同時配信”は強力なアピールポイント
VTuberの収入源の1つに「企業案件」があります。
企業からの依頼で、商品の宣伝などを請け負って報酬をもらうのです。
その際、「YouTube」と「メタバース」の2ヶ所で配信すれば、それぞれの利用者にアプローチできるので、アピールポイントになります。
結果、企業案件を獲得できる可能性が上がります。
特に、VTuber全体からしたらメタバースで本腰入れて活動している人はまだまだ少ないので、早期に始めればそれだけ有利なのです。
メタバース上のスタジオで公開収録?
VTuber界において、リアルタイム配信(配信勢)が活動のメインとなっています。
そのリアルタイム配信が、メタバース世界のスタジオで公開収録される日も近いでしょう。
それにより、VTuberの収益化手段も増えます。
くわしく解説していきます。
会場でNFTグッズ販売
公開収録するスタジオで、そこでしか買えないグッズを販売します。
スニーカー・帽子・TシャツなどのNFTファッションアイテムを販売すれば、わざわざ見に来てくれるファンは購入に至りやすいでしょう。
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広告枠を販売
公開収録するスタジオで設置される広告枠を販売します。
スタジオの所有者がスポンサーを募って、収入源にするのです。
その際、スタジオ所有者からしたら有名なVTuberに公開収録してもらったほうが集客効果が高くスポンサーから喜ばれます。
なので、有名VTuberには無料で利用してもらう…というパターンも生まれるかもしれません。
大手VTuber事務所の配信専用スタジオ
多人数のVTuberが所属するVTuber事務所では、リレー配信という文化が定着しています。
配信時刻をリレー形式で繋いでいくことにより、どの時刻でも事務所メンバーの誰かが配信を行っている状況を、可能な範囲で作るのです。
このリレー配信により、視聴者が事務所所属VTuber全体のファンになる「箱推し」(箱=事務所)という文化が生まれやすくなります。
特に、大手VTuber事務所”ホロライブ”は、リレー配信を強く意識しており、所属VTuberの配信時刻を告知する専用メディアも用意しています。
また、ホロライブのような大手事務所ならメタバースに自社専用の収録スタジオも用意することも可能です。
そこで、何時でも所属VTuberの誰かが公開収録を行っている状況を作り出せば、メタバースとYouTubeの両方においてリレー配信の効果を得ることができます。
さらにホロライブは、英語圏をはじめとして海外にも事務所を作っており、外国語を話すVTuberも多く存在します。
そして、メタバースでの”同時翻訳”の機能が実用化されれば、海外言語のVTuberの配信も同時翻訳されることになります。
なので、日本語のVTuberでも英語のVTuberでも、見物客は同時翻訳されるトークを楽しむことができるので、同じスタジオで公開収録を行えるのです。
いずれは、リレー配信の密度が高まり、24時間 常に誰かが配信している・・・という状況が作り出せるかもしれません。
大手事務所である”ホロライブ”や”にじさんじ”は、メタバース事業に乗り出すことが発表されていますので、可能性は高いと言えます。
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メタバースにおいて、VTuberは必要不可欠な要素
メタバースでは、VTuberであること(=アニメ志向アバター&YouTubeで活動履歴ストック)がとても高いメリットを生みます。
創造性が高まる
アニメ志向アバターは、自由自在にカスタムできます。
なので、
「もっとこうした方が、個性が出て注目されるかも!」
「うちの地元では〇〇が名産品だから、デザインに反映させよう!」
「あの人のアバター魅力的!その理由は、なぜだろう?」
…と、楽しみながら創造力を働かせることになるのです。
結果、インスピレーションや洞察力が高まります。
コミュニケーションの円滑化
親しみやすいアニメ志向アバターは、コミュニケーションの潤滑油となります。
前述したバーチャル美少女ねむ さんによる記事では、(アニメ志向の)美少女アバターが、心理的な距離が特に縮まりやすいと考察されています。
![](https://nft-japan.tokyo/wp-content/uploads/cocoon-resources/blog-card-cache/a93590965d5e5b4e8b2c26b7fd6e553e.jpg)
リアルアバターは威圧感を与えやすいですが、アニメ志向アバターは威圧感を与えにくいのでリラックスした心理状態になりやすいメリットがあるのです。
相手の本性が わかりやすい
前の項で解説した、「アニメ志向アバターは、威圧感を与えにくい」という要素は、他にも特性が生まれます。
「人間の本性が出やすい」のです
ここからは、意見が分かれると思いますが・・・。
人間は、匿名だと横暴になりやすいです。
本音と建前の差が激しいといわれる日本人は、それが特に顕著です。
「日本人は誠実」と言われるのは、目の前に相手がいてプレッシャーを感じるからです。
反撃されて争いに発展するのを回避するために、誠実にならざるを得ないのです。
しかし、「コイツは、反撃してこない!」と判断したら、スイッチが切り替わったように横暴になる人も一定数いるのです。
・・・そして、メタバースで対面する際は、
現実世界の人間のようなリアル志向アバターよりも、威圧感がないアニメ志向アバターの方が、相手のタガを外しやすく、本性が横暴な人間を判別しやすいメリットがあるのです。
実際に対面しないメタバースでは、相手の本質を判断しやすい・・・というのは不思議な考えかもしれませんが、1つの視点として持っておくと良いでしょう。
メタバースでの就職活動に有利?
今後は、メタバースでの就職活動をすることもあるでしょう。
すでに、就職相談をメタバースで行うサービスも存在します。
(まだ、リアル志向アバターですが、いずれはアニメ志向アバターも導入されるかもしれません。)
そして、就職活動の際、前述した「”情報の深度”が自由自在な履歴書」としての要素が活きてきます。
応募者が どれだけの時間、どんなクオリティの情報を発信してきたのかを、極めて詳細に知ることができるからです。
優れた人材を採用したい企業からしたら、実際の活動履歴が記録されたメディアを確認したくなるのは自明の理です。
メタバースを活用しようとする先進企業ならば、なおさらメタバースでの活動履歴を重視するでしょう。
現段階では、実際に働く企業での「面接・勤務」は、メタバース空間上ではないようです。
しかし、いずれは実際に働く企業での面接と勤務もメタバース空間で行われるようになるでしょう。
すでにテレワークという概念は社会に浸透しましたし、同じように”メタバース就職”という概念も浸透していくのです。
「メタバース↔VTuber界」の双方向性による融合
メタバースとVTuberは、一方向性ではなく双方向です。
現在、VTuberとしてYouTubeで活動する人が、メタバースでも活動を開始する事例は多いです。
逆に、メタバースで活動する人が、VTuber活動も開始することも増えます。
1.VTuber界(YouTube)➡メタバース
2.メタバース➡VTuber界(YouTube)
…というように、相互に人々が流入していき融合していくでしょう。
高レベルの相互補完
このように、”高い臨場感を体感”できるメタバースと、”活動履歴をストック”できるVTuberは、それぞれが相互補完できる大きなメリットがあります。
・・・2016年に誕生したVTuberという文化は世界中に広がっています。
日本で活動するVTuberが、海外のインフルエンサーに取り上げられて急激に知名度を上げるなど、言語の壁を超えた交流の実例も多く存在します。
結果として、VTuber界自体も世界規模の大きな経済圏が存在するので、企業が導入する事例もとても多いのです。
・メタバース活動=フロー型
・VTuber活動=ストック型
・・・というように、3Dアバターで活動するための両輪として、どんどん活用されていくでしょう。
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