DAOとは?ブロックチェーン・仮想通貨との関係をわかりやすく解説

DAO

NF亭ショウタです。

「DAOってなに?どんな構造なの?」

…という疑問がある人は多いです。

DAOは、ブロックチェーン技術を活かした組織形態なのですが、理解している人は極少数なのです。

 

僕は、現在進行系で開発中のDAOの動向を複数チェックしていますので、実例をまじえて多角的な視点からDAOを解説していきます。

この記事をしっかり読めば、DAOを深く理解することができるでしょう。

DAO(分散型自律組織)とは?

DAOは、Decentralized Autonomous Organizationの略称です。

日本語訳は、「分散型自律組織」です。

画像引用:fisco

DAOには、従来のピラミッド型の意思決定プロセスがありません。

DAO参加メンバー全員に権限があるため、メンバーそれぞれが自ら考えてビジネスアイデアを提案できるのです。

そして、提案内容をメンバーによる総意(投票の多数決)で決めるのです。

 

組織内の全員が発言・提案ができます。

なので、一人の人間による支配がなく、メンバーそれぞれの意向が組織運営に反映されやすいのです。

組織のルールはスマートコントラクトに書き込み、自動運用されます。

(※スマートコントラクト=条件が満たされた時、あらかじめ決めておいた処理が自動実行されるプログラム)

 

また、組織の財源の管理なども透明化されており、不正に運用したらすぐにバレます。

組織のリソースをメンバー全員で所有・管理しているのです。

仮想通貨と同じくブロックチェーン技術で成立

DAOは、ブロックチェーンにより成立しています。

ブロックチェーンでガバナンストークンの所有権を証明しています。

そして、ガバナンストークンによる投票で運営戦略が決まるのです。

 

ブロックチェーンは元々は仮想通貨ビットコインを成立させるための技術です。

そして今では「デジタル所有権の証明」という特性を活かし、DAOという構造を成立させるために有効活用されているのです。

⬇ブロックチェーンの詳細は、こちらで解説。

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ガバナンストークンの入手方法

ガバナンストークンを得るには

  • 取引所で買う
  • 企画でプレゼントされる
  • DAOに参加後、貢献度に応じて配布される

…といったパターンがあります。

 

日本の有名インフルエンサーであるマナブさんは、プレゼント企画でガバナンストークンを無料配布しました。

その後も貢献度に応じて、ガバナンストークン配布がされています。

DAOの特徴

管理者が不在

中央の意思決定者がいない構造の組織です。

従来の組織では、中央に意思決定者がいて決定権を持っていました。

 

しかし、DAOでは中央に意思決定者がいません。

DAOは、ブロックチェーンの思想を反映した非中央集権型の組織なのです。

メンバーが運営戦略を提案

メンバーに上下関係がなく、戦略のアイデアを誰でも提案することができます。

多様な知識や経験を持ったメンバーたちが自由にアイデアを持ち寄るので、多角的な視点からの運営戦略のアイデアが集まります。

従来の会社のように、上層部だけの会議ではなく、多くの人間が自由で柔軟に戦略会議に参加できるのです。

意思決定はガバナンストークンを投票

DAOの意思決定は、メンバーによる投票の多数決で行われます。

ガバナンストークンと呼ばれる投票権の所有者たちで多数決を取ることにより、運営戦略のアイデアが採用されるか否かが決定するのです。

オープンソースで透明性が高い

DAO内の取引履歴は、すべてブロックチェーン上に記録されます。

なので、虚偽が不可能であり、不正が行われてもすぐにバレます。

 

なので相手を信用する必要もなく、安心して取引ができるのです。

だれでも参加可能

DAOのガバナンストークンは、ネット上の取引所で誰でも購入できます。

つまり、誰でもDAOに参加することが可能なのです。

また、DAOを設立することも誰でも可能です。

DAOの仕組み

運営ルールをプログラムする

DAOでは、組織のルールを厳密に定義します。

そのルールはブロックチェーン上に書き込まれます。

一度決定したルールは、変更が不可能です。

 

そして、条件を満たせば処理が自動で実行されます。

つまり、不正がなく公平な取引ができるのです。

資金調達

DAOのルールが決定したら、賛同した投資家などがガバナンストークンを購入します。

(日本国内では、トークンを発行することは可能ですが、販売は現状では違法になります。無料配布は合法です。なので、海外に拠点を移す選択肢もあります。)

 

集まった資金は、DAOの共有ウォレットに保管されます。

その資金の使い方、つまり運営戦略は、前述のとおりガバナンストークン所有者により提案・投票によって議決・実行されます。

実際の運営

DAOの運営は、匿名性が保たれます。

誰が設立して、どのようなメンバーが参加しているのかが わかりません。

 

つまり、DAOのプロジェクト内容が実行されると都合が悪い団体などが、DAOに圧力をかけてコントロールしたくても、DAOのメンバーがどこの誰かもわからないので圧力をかけることもできません。

DAOのガバナンストークンを大量に購入して保有すればコントロールしやすくなりますが・・・。

  • ガバナンストークンが多く発行されている
  • メンバーの熱量が高くて、簡単には売らない

…という場合は、ガバナンストークンの大量保有は困難になります。

メリット

 公平性と透明性

DAOの取引履歴は、すべてが誰でも見れます。

つまり不正をしたら必ずバレるのです。

 

従来の組織では、不正をしても隠すことが可能でした。

また明らかな不正でなくても、上層部の都合で運営の方針がいつの間にか変わっているなどもあります。

 

それらがDAOでは不可能なので、公平性・透明性が保たれるのです。

資金調達しやすい

従来の組織形態では、運営に多大なるコストがかかるため資金調達が必要です。

しかしDAOは、ガバナンストークンを販売することにより資金調達ができます。
(ガバナンストークン発行は、費用はかかりません。)

ガバナンストークン販売で得た資金は共有ウォレットで管理され、プロジェクト運営資金になるのです。

匿名性

ガバナンストークンは、株式と性質が似ていますが、最大の違いは匿名性です。

株券は匿名で買うことができないため、匿名性はありません。

しかしDAOは、仮想通貨の取引所で売買されるガバナンストークンを買えば良いため、完全匿名で参加することができます。

言語の壁が格段に低くなる

DAOは、「条件が満たされた時、処理が自動実行される」というプログラムが使われます。

つまり、言語の壁が格段に低くなるのです。

ブロックチェーンに書き込まれたルールだけを理解していれば、その後の認識の違いによる「言った、言わない」というトラブルが なくなります。

また、普段のチャットでの話し合いも、自動翻訳機能を使えば言語の壁を超えて意思疎通がしやすくなります。

国という概念に縛られず、よりグローバルな人材が集まりやすくなるのです。

リターンを受け取るタイミングも自由

DAOでは、ガバナンストークンの発行上限が明確に決まっていることが多いです。

なので人気や注目度が高いDAOの場合、ガバナンストークンの市場価値がハネ上がることもあります。

 

つまりガバナンストークン保有者は

  1. 売却して利益を得る
  2. 引き続き保有して、DAOに関わっていく

…という選択肢があるのです。

複雑な手続きを排除

従来の組織のように、提案書や契約書を作成して「重役のハンコのスタンプラリー」をする手間も時間も不要です。

すべてがブロックチェーン上に記録されたルールに乗っ取り、条件を満たしたら自動で処理がされるからです。

 

人間関係でのストレスも無いので、他人に変に気を遣うこともなく、自由にのびのびと活動できます。

また、DAOに関わる義務などもなく、興味がなくなったら放置するなりガバナンストークンを売るなり すれば良いのです。

非常に自由な組織形態なのです。

デメリット

ルール変更が困難

一度決定したルールは、ブロックチェーンに記録されます。

そのルールは、書き換えることが不可能です。

つまり、一度決定したルールを変更することはできないのです。

 緊急の意思決定が困難

DAOでの意思決定は、ガバナンストークン投票によって決まります。

つまり、緊急を要する意思決定でも、投票期日まで待たなければいけません。

”意思決定プロセスの臨機応変さ”に欠けて、スピード感が失われてしまうのです。

どんな人間が紛れ込むかわからない

このデメリットは、匿名性というメリットと表裏一体です。

素性を明かさず参加できるDAOは、どんな思惑を持つ人間が参加しているか不明です。

ライバルとなるDAOのメンバーが、潰す目的で参加していても、気付くことは非常に困難なのです。

取引所ハッキングのリスク

ガバナンストークン自体のセキュリティが破られなくても、取引所のセキュリティが破られるリスクはあります。

取引所から仮想通貨が流出した前例もあります。
(その後、顧客への賠償はされました。)

 

そのような事態が再発しない保証はありません。

もしガバナンストークンが流出したら、投資金がムダになるリスクもあるのです。

乗っ取られるリスク

ガバナンストークンは投票権なので、大量に保有すれば自分の提案を通しやすくなります。

DAOにとって悪影響を与える提案をして自分で投票すれば、DAOを潰すこともできるのです。

DAOは匿名で参加できますから、なりふり構わない潰し方ができます。

 

対策は、「最初は中央集権的。徐々に完全なDAOに近づける」というものです。

具体的には、ガバナンストークンの分散性が上がる(多くの人に行きわたる)までは、DAO設立者が拒否権を持つ(多く投票された提案だろうと、拒否できる。)ことです。

そして、あまりにDAOに不利な提案を拒否するのです。

そして、多くの人にガバナンストークンが行きわたってから、拒否権などの権限を放棄して完全なDAOにするのです。

法の保護がない

DAOは現状は法律による保護がありません。

つまり不当に損失を被っても、すべて自己責任なのです。

これは念頭に置いておく必要があります。

DAOが注目されている理由

DAOには

  • 完全匿名
  • 投資がなくても始められる
  • 信頼関係を築く手間が不要
  • 取引履歴は公開されるので、不正はバレる
  • 出入り自由

…という特性があります。

 

従来の組織形態では、相手との信頼関係や資金が必要不可欠でした。

しかしDAOではそれがなくても良く、ブロックチェーンに記録されたDAOのルールだけを信用すればOKなのです。

 

コンセプトと事業内容を打ち出してDAOを設立すれば、賛同してくれる人がガバナンストークンを買ってくれて資金が集まります。

つまり、コネも資金もない個人でもDAOを設立することにより、ネットでつながる世界中から仲間が集まり、事業をすることができるのです。

 

従来に比べて圧倒的に自由にビジネスができる…ということです。

DAOの事例

ビットコイン

ビットコインはDAOというイメージはないかもしれませんが、その構造はDAOです。

特定のリーダーによる支配はなく、非中央集権的な構造で仮想通貨というプロジェクトを存続しています。

ビットコインのブロックチェーン上に書き込まれたルールにしたがって、自動で処理されているのです。

ビットコインは誕生して以来、DAOの本質である分散性と自律性を維持しているのです。

MakerDAO

2014年に設立されたDefi(分散型金融)プロジェクトです。

Defiの元祖と言われています。

 

MakerDAOは、

  • ステーブルコインDAI
  • ガバナンストークンMKR

…で構成されており、いずれも取引所で購入可能です。

 

⬇また、Defiについてはこちらで解説。

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Aragon

DAOを作るためのプラットホームです。

そして、このAragonというプロジェクト自体もDAOなのです。

(ややこしいけど、革新的ですねw)

 

いままでにAragonで1900以上のDAOが作られ、それらのDAOには5.0億ドル以上の資産が保管されていると言われています。

世界初NFT担保型ローン「PleasrDAO」

NFTを担保にローンを組めるPleasrDAOが存在します。

 

ブロックチェーン業界で有名な人たちが参加しているDAOであり、”NFTを収集している”という特徴があります。

投資家がお金を出しあって、投資目的でNFTを買っているのです。

そして、NFTを担保にしてお金を貸す世界初のサービスを運営しています。

 

また、PleasrDAO以外にも、NFTを担保にローンを組めるプロジェクトは複数 存在します。

マナブさんトークン

日本のインフルエンサーとして有名なマナブさんも、ガバナンストークンを配布してDAOを開始しています。

マナブさんのフォーラムでは、ガバナンストークン保有者による提案や投票などが行われて、DAO形式でプロジェクトが進んでいるのです。

マナブさんの影響力は高いので、DAOというものに触れる機会が多くの人に提供されていくでしょう。

⬇また、マナブさんのガバナンストークンの詳細はこちらで解説してます。

マナブさん”NFT的ガバナンストークン”発行!メタバース交流も
有名インフルエンサー・マナブさんが、オリジナルのトークンを発行します。マナブさんは、今回のトークンは「NFT的な側面」もあると語っています。この記事で、マナブさんのトークンについて、どこよりも くわしく解説していきます。

イケハヤNFTシリーズCryptoNinja「NinjaDAO」

イケダハヤトさんは、CryptoNinjaというNFTシリーズを運営しています。

⬇詳細

イケハヤNFT・CryptoNinjaとは?関口メンディーも購入
■イケハヤNFT「CryptoNinja」の状況を数分で理解■CryptoNinjaは、有名なイケダハヤトさんのNFTアート。状況を知りたくても状況の変化が激しく「断片的な情報が点在」しているので、特に重要度の高い内容をまとめました。

そしてCryptoNinjaは、いずれは著作権者であるイケダハヤトさんの手を離れて、DAOで運営される予定なのです。

イケダハヤトさん自身が運営するDiscordグループでは、CryptoNinja運営戦略やDAO化のための会議がされています。

まだまだDAOは歴史が浅く手探りの状態ですが、少しずつ推し進めていずれは完全なDAO化にする予定とのことです。

ブログ運営DAO「MediaDAO」

ブロックチェーン関連情報のメディアをDAO化しています。

 

現時点ではブログがDAOで運営されています。

また、Discordグループでは

  • エンジニア
  • クリエイター
  • ライター
  • 営業
  • マーケター
  • 通訳

なども募集されており、多角的なメディア運営を予定しているようです。

DAOの今後の見通し

DeFiで需要が増加

ブロックチェーン関連のプロジェクトでは、DAOで運営されているモノも増えています。

NFTやDefiのプロジェクトはブロックチェーンへの理解が深い人がやっているので、DAOで運営されるプロジェクトの比重が少しずつ高まっているのです。

NFTもDefiも急激に伸びている市場ですので、DAOという組織形態もどんどんメジャーになっていくでしょう。

組織の構造が変わる

すべての提案はガバナンストークン投票によって採決されるので、中央に意思決定者(リーダー)が存在しません。

なので、従来の組織とはまったく異なる原理で動く組織です。

ブロックチェーン技術が一般普及していくにしたがい、DAOという革命的な組織形態も採用されることも多くなるでしょう。

ガバナンストークンの価値上昇

プロジェクトの注目度が上がれば、そのプロジェクトに参加したい人が増えます。

つまり、DAOのガバナンストークンの需要が上がり、相場価格が上がります。

 

有望なプロジェクトのガバナンストークンを買って、プロジェクトが成長して相場価格が上がってから売却するなどの稼ぎ方も出てくるでしょう。

「DAOに就職」という選択肢

今までは、社長がいる組織に就職するのが当たり前でした。

リモートワークだったとしても、出勤時間や退勤時間に縛られていました。

しかしDAOは、そんな働き方に革命を起こしています。

 

有望そうなプロジェクトがあったら参加して働くことができます。

複数のDAOで働くこともできますし、興味がなくなったら働かなければ良いだけです。

ガバナンストークンを持っていても参加の義務もないので、不参加の権利もあるのです。

 

給料を受け取る代わりに、ガバナンストークンの売却益で金銭的メリットを得ます。

ガバナンストークンが値上がりしてから売却して利益を得ることができるのです。

 

  • 参加不参加
  • 就職も退職
  • 金銭を得る

…という行動が、完全に”自由”で”匿名”で可能なのです。

これからは「DAOに就職」という選択肢が、少しずつ普及していくでしょう。

メタバース創造プロジェクトDAOが活性化?

メタバースは、ブロックチェーン技術(NFT・仮想通貨)と相性が良いです。

なのでNFTや仮想通貨にくわしい人は、メタバースにも強い興味があることが多いのです。

同時に、ブロックチェーン技術で成立するDAOへの興味や理解度も高いです。

 

急激に発展しているメタバース業界を見て

「自分だったら、こんなメタバースを創りたい!」

…と、アイデアがある人もいるでしょう。

 

しかしアイデアがあっても、それを実現する「スキル」「資金」がないのでできません。

ですが、DAOはアイデアに賛同してくれる人がガバナンストークン購入というカタチで資金を出してくれますし、スキルを持つ人が協力してくれやすいのです。

そのメタバースの人気が上がれば、ガバナンストークンの市場価値も上がるので、本気で協力してくれる人もドンドン現れます。

 

・・・DAOによって、世界中の組織の在り方は、激変していくのは確実です。

 

⬇メタバースとブロックチェーン技術の相性の良さは、こちらで解説しています。

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⬇また、将来的に起こりえるDAOのリスクも、こちらで解説しています。

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