NF亭ショウタです。
有名な音楽系VTuber事務所が、DAOを活用してのメタバース展開を開始しました。
そのプロジェクト名は、「KAMITSUBAKI DAO」です。
【メタバース×VTuber×DAO】の戦略はこれから増えていくので、動向を追って戦略考察することは、大きな学びがあります。
この記事では、
- 「KAMITSUBAKI DAO」の全体像
- 可能な戦略
- 未来予測:”共創”と”投資”の流れが起こる
…を、解説していきます。
「KAMITSUBAKI DAO」とは?
「KAMITSUBAKI DAO」は、仮想都市「神椿市」のメタバース建設を目的とした、共創Web3コミュニティです。
(くわしくは後述しますが)
「KAMITSUBAKI DAO」に参加すると、神椿市メタバースの「住民権」を得ることができ、メタバース開発・運営に関するイベント参加や、運営戦略に関する投票ができます。
つまり、各種プロジェクトへの参加権が得られるのです。
音楽系VTuberたちが所属する事務所「KAMITSUBAKI STUDIO」は、共創型コミュニティアドベンチャー「神椿市建設中。」(詳しくは後述)というプロジェクトを2019年から進めています。
そのプロジェクトにおけるメタバース展開として、この記事で考察していく「KAMITSUBAKI DAO」が開始されたのです。
運営組織「KAMITSUBAKI STUDIO」とは?
「KAMITSUBAKI DAO」を運営する組織は、「KAMITSUBAKI STUDIO」というバーチャルアーティスト事務所です。
2019年10月18日に設立されたKAMITSUBAKI STUDIOは、株式会社THINKR傘下の組織であり、音楽系VTuberたち(後述)が所属する音楽レーベルです。
統括プロデューサーは、インタビューで、
顔出し前提だと見つからない才能もあるなと。
才能がありながらもプロになろうとしていない人たちは、純粋に歌が好きでSNSやアプリに投稿はしていても、通常のオーディションなどではなかなか浮かび上がってこないんですね。
(中略)
バーチャルや覆面はその壁を外すことができる。
もしかしたら、そういう見過ごされてしまう才能のなかに、次世代の歌姫が隠れているのではないかとは常々思っています。
引用元:Real Sound
…と語っており、顔出し前提では発掘できない才能を発掘するため、当時急速に発展していたVTuber文化を活かした運営方針を決定したとのことです。
他にも音楽系VTuberは多数 存在しますが、KAMITSUBAKI STUDIOは音楽に加えて、どこか幻想的な”独自の世界観”を前面に押し出しており、差別化に成功しているといえます。
また、所属メンバーにはボカロ界で有名なカンザキイオリさんをはじめ、絵師、映像作家など多彩なスキルを持った人材が所属しています。
そして、KAMITSUBAKI STUDIOの代表的な存在である花譜さんは、2022年8月24日に、VTuberとしては初の日本武道館でのライブ『不可解参(狂)』を開催しました。
XR(クロスリアリティ)技術を駆使したライブは7000人を動員して会場は満員となったのです。
また、Twitterでハッシュタグ「#不可解参狂」(ライブ名)は日本におけるトレンド1位を獲得しました。
このことからも、花譜さん ひいては所属事務所「KAMITSUBAKI STUDIO」の人気と知名度の高さがうかがえます。
神椿市メタバースで重要な「V.W.P」メンバー
「V.W.P(VIRTUAL WITCH PHENOMENON)」は、KAMITSUBAKI STUDIO所属アーティストのうち、中心的な5名によって構成されるグループです。
神椿市のメタバースでも、イメージ画像には この5名が描かれているので、重要な役割を担うのは必定のメンバーと言えます。
簡潔に、解説していきます。
花譜(カフ)
2018年10月18日、活動開始。
(当時14歳でデビュー。)
「V.W.P」ひいてはKAMITSUBAKI STUDIOを代表する最初期メンバーです。
歌ってみた動画を投稿しているYoutubeチャンネル総再生回数は、2億回を突破しています。
儚げで 切ない歌声が強烈に印象に残ります。
理芽(リメ)
2019年10月18日、活動開始。
Tiktokでオリジナル曲「食虫植物」ショートverが話題を呼び、Youtubeのフルverは約4000万回を記録、2020年VTuber再生ランキングで第1位を獲得しました。(参考記事)
@virtual_rim
春猿火(ハルサルヒ)
2019年11月15日、活動開始。
駆け抜けるような疾走感のある、力強い歌声に惹かれます。
ヰ世界情緒(イセカイジョウチョ)
2019年12月9日、活動開始。
童話のようなファンタジー性、どこか影を感じさせる儚い歌声が、心に残ります。
幸祜(ココ)
2020年10月25日、活動開始。
透明感がある 伸びやかな歌声です。
「神椿市建設中。」とは?
2019年よりKAMITSUBAKI STUDIOが進めているプロジェクトで、仮想都市「神椿市」の謎を解明して、平和な街を実現するための視聴者参加型の物語です。
このプロジェクトに登場する仮想都市「神椿市」のメタバース化を目的としているのが、この記事で解説している共創型コミュニティ「KAMITSUBAKI DAO」なのです。
神椿市は、「神椿市建設中。」というストーリーの中に存在していますが、まだ詳細な設計はされていません。
なので、クラファンで資金提供してくれて住民権を持つ”共創者”とともに、神椿市メタバースを共に創り上げていくことを目的として、”DAO”という組織形態を採用したのが、「KAMITSUBAKI DAO」なのです。
⬇DAOのシステムについてはこちら
「トークン発行型クラファン」を利用
「KAMITSUBAKI DAO」開始にあたり、トークン発行型クラウドファンディング『FiNANCiE(フィナンシェ)』というプラットフォームを活用しています。
詳細ページ(クラファン終了後はページが閲覧不可になるためPDF)
初回のクラファンは、2022年9月16日~10月31日の期間限定で行われました。
当初の目標金額は3000万ポイントでしたが、その目標を遥かに超える1億3573万ポイント(=1億3573万円 相当)を集めることに成功しました。
そして、クラファンのリターン品として、トークンが発行されます。
資金提供した”共創者”はトークンを所有することにより、
- 神椿市メタバースの共創(企画・投票)に参加
- 各種優待
- 相場価格上昇したら転売して利益を得る
…などのメリットを受け取れます。
⬇参考記事:FiNANCiEについての詳細・考察
以前にもクラウドファンディングを行っている
「KAMITSUBAKI STUDIO」は、2021年1月にもクラファンを行っています。
(今回のようにトークン発行型ではなく、従来型のクラファンです。)
そして、目標金額の約2倍という多額の資金を集めることに成功したのです。
リターン品として、「KAMITSUBAKI STUDIO」ファンにとっては嬉しい限定グッズが配布されました。
ですが、転売益が見込めないため、投資家からは対象外だった…といえます。
しかし、トークン発行型クラファンは、その欠点を補い、転売益を目的とする投資家を対象にすることができます。
なので、最高で1000万円相当という高額な支援コース(後述します。)も可能になるのです
完全なDAOではない「一部DAO化」
クラファンの詳細ページでは、下記のように解説されています。
トークン保有者(=共創者)限定で、「神椿市」に関する様々な議題を共に考えていく投票企画を定期的に行います。
投票企画に参加することで、神椿市(メタバース)の建設活動の一部に参加しながら、プロジェクトの応援をすることが出来ます。
(中略)
投票を通してあなたの「こんな都市になってほしい」や「こんなイベントに参加したい」を一緒に実現していきましょう。
上記の引用文には、「神椿市(メタバース)の建設活動の”一部”に参加」とあります。
つまり、神椿市メタバースの運営戦略全体を投票で決めるわけではない(完全なDAOの組織形態ではない)のです。
あくまで全体的な運営戦略を考えて実行するのは、「KAMITSUBAKI STUDIO」運営サイドであり、
「KAMITSUBAKI DAO」では、運営サイドが考えた運営戦略の範疇内で「トークン保有者による投票で決めてもらおう!」と投票を募った内容に限定されるのです。
(コミュニティ内でトークン保有者からのアイデアを参考にはするでしょうが、投票にかけるか否か自体は、運営サイドが決めると思われます。)
つまり、言い方を変えると”判断に迷ったら、アンケートを取って決める”ようなものです。
しかし、これはとうぜんの措置といえます。
すでに「KAMITSUBAKI STUDIO」は、大きなプロジェクトとなっています。
それを、完全にDAO化してしまうと、
- 短期的に結果が出そうなアイデア
- 誰でも理解しやすいアイデア
…が、提案・採用されやすくなり、プロジェクト全体の統率がとれなくなるリスクが高いです。
(くわしくは後述。)
また、悪質なライバル企業がいたら大量に投票権を保有して、害になるアイデアを自ら提案・自ら投票して強引に可決させて、故意に潰そうとしてくるリスクも高いです。
これから、まったくのゼロから組織を立ち上げる場合は、完全なDAOも選択肢に入るかもしれませんが、
すでに長く運営されている組織の場合は、”完全なDAO”ではなく、今回の「KAMITSUBAKI DAO」のような一部DAO化が適している…といえます。
メリット
投資家からの出資
トークンをリターン品にすることで、投資家からの出資がされるようになります。
従来のクラファンでは、熱量の高い既存ファンしか資金を出してくれませんでした。
リターン品が、既存ファン向けのモノのみだからです。
なので、(前述した)2021年に行われた従来型クラファンでは、最高額プランでも7万円にとどまっていました。
しかし、「FiNANCiE」のようなトークン発行型クラファンでは、トークンの転売益への期待から、投資家からの購入も起こります。
なので、トークンがリターン品となる今回のクラファンでは、
- 25万円
- 100万円
- 1000万円
…に相当する高額なプランが、投資家・企業向けに用意されているのです。
(FiNANCiEでは、”ポイント”で取引される。1ポイント=1円。)
有識者からの協力
メタバースの開発・運営が軌道に乗れば、「KAMITSUBAKI DAO」のトークンの取引相場が上昇します。
つまり、トークン保有者は積極的に協力をしてくれるのです。
特に、企業・投資家は大口のトークン保有者になりやすく、売却益を得るために真面目に協力をしてくれやすいので、それまでの経験・知見から考えられるアイデアも有益なものも多いでしょう。
また、積極的に情報拡散してくれやすいので、より広範囲に神椿市メタバースに関する好意的な情報が知れ渡りやすくなります。
「pixivFANBOX」に比べて、サブスクでないので気軽に払ってもらいやすい
VTuber界では、「pixivFANBOX」というクリエイター支援サブスク プラットフォームがあります。
これは、継続課金を前提として支援する代わりに、毎月クリエイターから支援金額(500円~1万円のコースが多い)に応じたリターン品が受け取れる…というモノです。
しかし、「継続課金が前提」なので、支援者からしたら心理的・金銭的ハードルが高くなります。
対して、
トークン発行型クラファンは、「一回限りの支援」なので、ハードルが低いので支援を決断してくれやすいのです。
(しかも、一回限りの支援後もリターン品を追加でもらえたりする)
「支援したいが、継続課金はイヤだ」という人からも、支援してくれるチャンスがあるのです。
デメリット
既存ファンの多くは「トークン?何それ?」状態
すでに多くのファンがいるKAMITSUBAKI STUDIOですが、その内の多くが「トークンが、どんなものかわからない・・・」という人が大半でしょう。
FiNANCiE詳細ページにおいて、
FiNANCiEにおける「トークン」とは、クリエイター(運営チーム)とサポーター(共創者)を繋ぐ証となる『デジタル上のアイテム』です。
このトークンはポイントのように数量を持つもので、需要に応じてその価値(=価格)が変動するという特徴を持っています。
…と解説されてはいますが、
トークンというモノは まだまだ一般には浸透していないため、既存ファンの多くは手が出しづらいと思われます。
また、”FiNANCiEにおけるトークン”とは別にNFTも発行されており、これを受け取るには別途ウォレットが必要になります。
⬇初回ファンディング支援者特典NFT
この状況は、既存ファンからしたら、
「”トークン”だけでなく、”NFT”ってのも あるの?」
「NFTを受け取るには、”ウォレット”ってのが必要なの?」
「複雑で理解できない!」
…と、混乱させてしまう可能性があるのです。
トークン・NFTというモノが一般に浸透していない現状、既存ファンが資金提供してくれる確率が低い…というデメリットがあるのです。
(反面、(前述したとおり)企業や投資家といった、トークン・NFTを理解してウォレットをとうぜんのように持っている情報感度の高い少数の人達から、大口の融資を狙えるメリットと表裏一体といえます。)
従来のクラファンのように一回きりでなく、特典を提供し続ける
従来型クラファンでは、リターンは一回限りの提供でした。
しかし、トークン発行型クラファンでは、その後もなんらかの優待権利を提供していくことが必要です。
他の多くのNFTプロジェクトでは、後から様々なインセンティブが追加されていくのが通例ですので、継続的・長期的に特典を提供していく必要があるのです。
pixivFANBOXに比べて、利益率が下がりやすい?
クラファンでは、多額の資金が一気に集まりますが、継続性がありません。
つまり、(前述した)サブスク型支援プラットフォームであるpixivFANBOXに比べると、利益率は下がりやすくなります。
トークン投票で、”良いアイデア”よりも”理解しやすいアイデア”が採用されやすい
(前述通り)「有識者がアイデアを出してくれやすい」というメリットはあります。
しかし、投票の際、
- 長期的視野で深く考えられたアイデア
- 短期的に結果が出やすい、理解しやすいアイデア
…の2つがあった場合、後者が採用されやすくなる危険性があります。
”長期的視野で深く考えられたアイデア”は、その背景から本題まで、意図を伝えるのには高度なマーケティング理論を使った長文になりやすく、読み疲れを起こす人も多いでしょう。
一般のファンはもちろん、有識者であっても他に本業がありますので、それを理解するために多くの時間と思考力を使ってくれるとは、限りません。
対して、
”短期的に結果が出やすい、理解しやすいアイデア”は、意図を伝えるのもカンタンで、すぐに結果が出やすくわかりやすい刺激があります。
なので、短絡的な考えのもと選ばれやすくなる危険性があります。
したがって、根幹に関わる重要な運営戦略などは、投票にかけない方が良いでしょう。
可能な戦略
独自トークン発行
メタバース内で”通貨”として使える、独自トークンを発行します。
(前述した、トークン発行型クラファンFiNANCiEで発行されるのは、NFTや投票権(ガバナンストークン)です。
対してこちらは、メタバース内で様々なモノを売買するためのトークンです。)
メタバースに多くの人が常時訪れるようになったら、そこで経済圏が生まれる土壌ができます。
その経済圏での取引をするための独自トークンを発行するのです。
メタバース自体の人気が上がれば、独自トークンの相場も上がります。
なので、ファンはもちろん、メタバースを有望視する投資家なども将来の売却益を期待して独自トークンを大口購入してくれます。
また、運営企業があらかじめ数割保有しておき、資金が必要な時に売却…ということも可能です。
また、
運営開始時に複数回訪れた人に無料配布キャンペーンなどをすれば最初期の集客が促進され、盛況なことをアピールでき、各種メディアで好意的に評価されて情報拡散されやすくなります。
NFT販売
独自トークンや仮想通貨で購入可能な、NFTを販売します。
- 神椿市メタバースの限定エリアへの通行証
- メタバースで着用できるファッションアイテム
- デジタルトレカ
…などのNFTを販売すれば、利益を得ることができます。
(また、
OpenseaをはじめとするNFT売買プラットフォームでは、二次流通市場での転売されるたびに、最大10%ほどのロイヤリティが利益として入ってくるので、それも利益となります。)
音楽ライブ
「KAMITSUBAKI STUDIO」に所属する「V.W.P」メンバーによる音楽ライブをメタバースですれば、とうぜんファンを大量に集客できます。
現状、メタバースの同時接続数の制限などの懸念点もありますが、それは各種メタバースプラットフォーム側がドンドン改善してくれると思われるので、神椿市メタバースが正式に公開されるころには大量の観客が一堂に会して音楽ライブを楽しめるようになるでしょう。
また、ライブ開始時間より早めに会場に入れるようにして、近くに(前項で解説した)ファッションNFT・デジタルトレカNFT・物理的なグッズ(購入者には郵送)を展示しておけば、購買意欲を刺激できます。
海外へのアプローチ
VTuberは日本発祥です。
つまり、日本のVTuberのメタバースには、世界中のVTuber好きな人が興味を持ってくれるポテンシャルがあります。
しかし、ネックになるのが”言語の壁”です。
しかし、これはいずれは自動翻訳AIが発達すればメタバースにも搭載されていき、タイムラグほぼなしでメタバース内での会話も実現するでしょう。
つまり、”言語の壁”は、いずれ解決していくのです。
それに備えて、海外層へのアプローチを戦略の選択肢に入れておくのは、有効です。
- KAMITSUBAKI STUDIOの公式チャンネル
- 所属アーティストのチャンネル
- 各種SNS
…は、英語対応・英語発信をしていない様子ですし、動画のコメント欄を見ても、英語圏のファンからのコメントは まだまだ少ない印象です。
運営企業としても、「まずは日本国内でしっかり認知してもらい、ファンを増やす」という、考え抜かれた運営戦略がとうぜん、あるでしょう。
しかし、それをふまえても、いずれは英語圏をはじめとして海外層へのアプローチをするのは、とても重要と言えるでしょう。
広告枠を販売
「神椿市」のメタバースで活動するのは、(前述した)「V.W.P」のメンバーです。
とうぜん、メタバースのメインコンテンツは音楽関連のモノになるでしょう。
つまり、メタバースには「音楽系VTuberに興味がある層」が集まりやすくなります。
そして、VTuber界には、音楽をメインに活動するVTuberは多数存在します。
その中でも、メタバース展開を考えている音楽系VTuberはすでに存在しますし、これからも増えていくでしょう。
⬇具体例:RIOT MUSICなど。
すると、多数存在する他の音楽系VTuberからしたら、自分のメタバースなどで音楽ライブをするときに、「神椿市メタバースに広告を出したい」…と考えるのは自然な流れです。
そこで広告枠を販売すれば、利益を得ることができます。
未来予測
創造性と将来性が高いメタバース市場で「共創」と「投資」の流れが起こる
メタバースは、極めて高い創造性と将来性を秘めています。
現実世界にある(物理法則、時間の流れなど)あらゆる制限から解放され、自由自在に思い描く世界を創造できる”理想郷”といえます。
そして、Meta社をはじめとして、大企業が次々に参入をはじめており、将来はインフラレベルの超巨大市場に発展するでしょう。
…そして、
⬇VTuber界でも、従来型クラファンでメタバースを制作する前例は存在します。
そして、今回の「KAMITSUBAKI DAO」では、神椿市メタバースを創るため、トークンをリターンとしたクラファンを実施して、「共創」と「投資」という要素が加わりました。
投票トークン(ガバナンストークン)を持つ人は、神椿市メタバースを創るためのアイデアを考え、そのアイデアの可否を決定するための投票に参加できます。
人間は、プロジェクトに「自分が参加している」という実感があれば、その行く末を知りたくなり、結果として長期的に”共創者”として協力してくれる確率が上がります。
そして、神椿市メタバースの人気が上がれば、リターン品である投票トークン・限定品NFT(いずれは”神椿市メタバースの通貨”として独自トークンも発行)の価値が上がるので、「投資」としてのクラファンに協力してくれる人も増えます。
人間が持つ創造性を「共創」要素で満たし、
人間が持つ打算性を「投資」要素で満たせるのです。
この「共創」「投資」という要素は、これからのメタバース開発にとって、定番戦略の1つとなるでしょう。
「VTuber×地方自治体メタバース」戦略も増加していく?
また、「V.W.P」は長崎県南島原市 自治体とのコラボも計画されています。
このプロジェクトは、
南島原市に ふるさと納税が目標金額5,000万円が集まれば、南島原市を舞台とした「V.W.P」のオリジナルミュージックビデオが制作される…というものです。
そして、南島原市は期間限定でメタバースも公開しています。
もし、この南島原市によるメタバース計画が順調に展開していけば、市内の名所などもメタバース化されていくかもしれません。
すると、その宣伝・集客の手段として、「V.W.P」の音楽ライブなどが開催される可能性もあります。
そのための資金は、今回のように南島原市への ふるさと納税の促進というカタチで可能です。
- 一般客➡ライブ鑑賞(Youtube上で同時配信)
- 南島原市への ふるさと納税者➡ライブ鑑賞(メタバース)+限定グッズ
…という風にすれば、多くの「V.W.P」ファンに南島原市メタバースを知ってもらえますし、ふるさと納税をした人は より高い価値を感じることができます。
これから、自治体公式メタバースでの有名VTuberの音楽ライブ・限定NFTがリターン品になる事例が増える可能性が高いです。
⬇また、「自治体公式メタバース×VTuber」の前例は、すでに存在します。
…メタバース開発には資金・人件費が必要で、膨大な費用がかかります。
「KAMITSUBAKI STUDIO」も、様々な職種の求人をかけており、「3D CG」「グラフィック」など、メタバースと関連性が高い人材も募集しています。
これらの人材を雇えば、とうぜん毎月 多額の人件費が飛んでいくことになります。
しかし、今回の記事で解説してきたように、
投資性があるトークン発行型クラファンの活用すれば、その資金面での問題が解決しやすくなります。
メタバース開発元の知名度があり、これからの成長も有望視されているなら、多額の資金が集まりやすくなるのです。
つまり、トークン発行型クラファンの活用により、これから多くの資金をかけたメタバースが続々と誕生する可能性があるのです。
いままでも、「メタバース×VTuber」の実例はたくさん存在しました。
⬇参考記事、多数
それにDAOが加わり、【メタバース×VTuber×DAO】の戦略を実行する企業が、さらに増えていく可能性があるのです。
今のうちに あなたも、世界に広がる日本発祥文化であるVTuber界にも興味を持っておけば、メタバース市場をより深く楽しんでいけるでしょう。
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