NF亭ショウタです。
仮想世界メタバースは、現実世界の地方創生も可能です。
実例を解説します。
また、VTuber界にも、特定の地方の魅力を発信する「ご当地VTuber」と呼ばれる人たちがいます。
これからは、自治体が公認して”メタバース”と”ご当地VTuber”を運営していく事例も出てくるでしょう。
その理由も解説していきます。
「ご当地メタバース」というジャンルが生まれる?
「ご当地メタバース」という単語は、まだありません。
しかし、メタバースの総数が増えれば、カテゴリ分類されていくのが自然な流れです。
つまり、多種多様なメタバースが創られるにしたがい
- ◯◯系メタバース
- □□系メタバース
- △△系メタバース
…という具合にジャンル分けされていきます。
そして、ご当地要素の強いパラリアルもどんどん創られるでしょう。
(※パラリアル=実在の都市のメタバース)
その”ご当地要素の強いパラリアル”というジャンルが「ご当地メタバース」のような固有名詞で表されていくと思います。
(※”都市連動型メタバース”という固有名詞はありますが、その固有名詞が使われるのは渋谷や秋葉原など有名な繁華街のメタバースであり、「ご当地」という印象は強くない印象です。
また、実在の都市をメタバース化したパラリアル自体、実在の都市との連動が当然になると思われますので、”都市連動型メタバース”という呼称を わざわざ使用することもなくなっていく…と思います。)
”ご当地要素の強いパラリアル”だとムダに長いので、この記事では以後「ご当地メタバース」と呼びます。
メタバース×沖縄=ご当地メタバース「バーチャルOKINAWA」
バーチャルOKINAWAは、沖縄県那覇市の㈱あしびかんぱにー が開発している ご当地メタバースです。
あしびかんぱにー はゲーム事業をしており、2019年にVTuber事業も開始しました。
そして2021年、バーチャルOKINAWAでメタバース事業も開始したのです。
バーチャルOKINAWAは、コロナの影響で観光客が激減した沖縄の再興のため、IT技術でメタバース空間に創造していくプロジェクトです。
バーチャルOKINAWAでは、沖縄の名所をメタバース化していく予定であり、現時点では2つのメタバースが開発されています。
沖縄最大の繁華街:国際通り
沖縄県那覇市にある、全長1.6kmにおよぶ沖縄県最大のメインストリートのメタバースです。
飲食店・みやげ物屋・アパレルショップ・宿など、様々な店舗があるので、沖縄の観光スポットしても有名です。
しかし、コロナ影響で観光客が激減してしまいました。
なので、VR空間で国際通りの魅力を体感してもらうべく、メタバース化しているのです。
クラウドファンディングで資金を集めて、現在進行系で開発されています。
現在、ベータ版が公開されています。
今後、正式版もリリースされますので、とても楽しみです。
焼損した世界遺産:首里城
沖縄県那覇市にある世界遺産・首里城は2019年10月31日に発生した火災で焼損しました。
いま現在、補修工事がされており、完全な首里城の姿を見ることができません。
画像引用:産経新聞
しかし、
⬇かつての完全な首里城の姿を再現するメタバースが、バーチャルOKINAWAで公開されました。
メタバース上で”仮想通貨のお賽銭”などができたら面白そうですね。
もしかしたら、一般人が立入禁止のエリアもメタバースなら自由に入れるかもしれません。
バーチャルOKINAWAの特徴
バーチャル空間で沖縄の魅力を体感
実在の繁華街である国際通りを、臨場感あるメタバース空間で感じることができます。
実際の国際通りと同じように創られているので、現地に行けなくても気軽に国際通りの雰囲気を感じることができます。
沖縄の離島へもワープ
設置されているワープポイントから、沖縄県の離島に行くことができます。
ワープ先の離島ではまだ行動範囲がとても狭いのですが、今後は行動範囲が広がり、メタバースとして成立する可能性もあるでしょう。
現実の人間の出演もある
バーチャル国際通りで行われたイベントでは、現実の人間による演目も行われました。
琉球舞踊や沖縄空手など、現実の人間が行う演目も、メタバースに投影して融合できるのです。
つまり、アバターを持っていない人でも、イベントの演目に参加可能です。
特産品などを売買
バーチャル国際通りでは、沖縄の特産品を購入することができます。
メタバース空間に出店されている屋台などで商品を購入すれば、後日郵送で届くのです。
これは、観光客激減で商品が売れない地元商店にとって、メタバース出展できるので新しいビジネスチャンスが生まれます。
新規層に認知拡大
メタバース業界は、2021年9月ころから急激に注目されました。
Googleの検索エンジンでは、同時期から「メタバース」の検索数が爆発的に急上昇しています。
どんな業界でも、早い段階から本格参入すれば注目を集めやすいです。
なので、早い段階でご当地メタバースであるバーチャルOKINAWAを開発しはじめたのは、認知拡大にとても有効です。
正式版完成の前に、とりあえず試作段階でも市場に出せば、メタバースやVTuber情報発信メディアに情報拡散してもらえます。
その後も進展があるたびに記事ネタにしてもらえて宣伝になるのです。
また、利用者からのフィードバックを得つつ改善していくこともできますし、わざわざフィードバックをくれた人は、再訪してくれる確率が高いです。
なので、見切り発車でプロジェクトを公開して、後から修正していく…というのは、現代に適しているのです。
国宝を完全な状態で再現
首里城は、2019年10月に発生した火災で焼損してしまいました。
僕も、実際に首里城に行きましたが、大規模な補修工事中でした。
過去の画像や動画でしか、本来の首里城を見ることができないのは、とても残念でした。
しかし、メタバースの場合、焼損していようと、はたまた全壊していようと、完全な状態で復元され体感することができます。
過去の失われた遺産も、メタバースで再現できる・・・。
大いなるロマンがありますね。
メタバース×VTuber界の高密度の融合
メタバースでの活動情報のストック手段として、VTuberをするのが有効です。
(⬇詳細は、こちらで解説。)
しかし、バーチャルOKINAWAの事例は、もっと”高密度”な事例といえます。
その理由を解説していきます。
同社運営・沖縄県ご当地VTuberの活動拠点
バーチャルOKINAWAを開発・運営している㈱あしびかんぱにー は、VTuber根間ういさんを2019年より運営しています。
根間ういさんは、沖縄の魅力を発信する”ご当地VTuber”です。
普段から沖縄のご当地情報を発信しているVTuberなので、バーチャルOKINAWAを活動拠点にすることも違和感なくスンナリとできます。
YouTubeチャンネルを見ている人も沖縄に興味がある人たちなので、バーチャルOKINAWAにも興味を持ってもらいやすいです。
すでにバーチャルOKINAWA上で司会をしたり、他の地方の ご当地VTuberと共演したりと、活動拠点の1つにしています。
これは、メタバース時代における地方創生のモデルケースになる可能性を秘めているといえます。
「バーチャルOKINAWA↔YouTubeチャンネル」の相互送客
認知拡大につながるキッカケは、多いほうが良いです。
そして、根間ういさんというご当地VTuberを知るキッカケは、大別すると
- メタバース(バーチャルOKINAWA)
- YouTubeチャンネル
の2つです。
どちらか片方をキッカケに根間ういさんを知った人は、もう片方も自然と知ることになります。
つまり、「バーチャルOKINAWA↔YouTubeチャンネル」という感じで相互に送客できるのです。
そして、バーチャルOKINAWAのシンボル的存在といえる、根間ういさんの影響力も上がっていきます。
YouTubeもメタバースも巨大市場ですから、その両方を利用して相互送客するのは、これからのスタンダードな手法になるでしょう。
実在都市のメタバースは次々と創られている
バーチャル渋谷・バーチャル原宿(渋谷区公認)
渋谷区が公認するメタバースです。
実際の町並みをリアルに再現しています。
渋谷区公認のもと、KDDI株式会社をはじめとする総計73社が参画してプロジェクトが運営されています。
また、渋谷区内のファッションストリートである原宿を再現した「バーチャル原宿」も開発しています。
自治体が公認するメタバースは、これからも増えるでしょう。
バーチャル大阪
2021年12月から公開されています。
岡本太郎さんの代表作「太陽の塔」が印象的です。
2025年の大阪・関西万博にそなえて、大阪の魅力をバーチャル空間で発信するらしいです。
バーチャル秋葉原
2022年春にオープン予定です。
神田明神(神社)とAKIBA観光協議会が公認するプロジェクトです。
日本伝統文化や、オタクカルチャーを発信することで、経済の活性化を図ります。
秋葉原のメインストリートである「中央通り」と「神田明神」を中心にVR空間を創っていくそうです。
バーチャルマーケット 「パラリアル渋谷」「パラリアル秋葉原」
2018年から定期的に開催されているバーチャルマーケット内のワールドです。
世界最大のVRマーケットといわれています。
出店サークル数・出展企業数・来場者数などで世界最多であり、ギネス認定されています。
開催期間中は、24時間稼働です。
この中では、3Dアバターやリアル商品の売買が行われています。
⬇バーチャルマーケットについては、こちらで詳しく解説してます。
メタバース城郭ツアー
古城ファンによる祭典「お城EXPO」で、メタバースでのお城見学ツアーが実施されています。
実在するお城をメタバース上に再現して、他の参加者とリアルタイムで会話できます。
・2020年(安土城)
・2021年(安土城・彦根城・肥前名護屋城・和歌山城)
とてもリアルに再現されているので、歴史好きな人達はどんどん来訪するでしょう。
いずれはエジプトで、ピラミッドなどのメタバースなどが創られても面白そうですね。
世界中の自治体がご当地メタバースを創る?
人々の自由時間は「現実世界➡メタバース」へ移行
メタバースが発展するにつれて、人々はメタバースで過ごす時間が増えていきます。
労働の合間の30分の休憩時間でも、メタバースはヘッドセットを装着すれば、すぐに楽しむことができます。
メタバースを楽しむ機器も高性能化・低価格化がすすんでおり、一般層にもドンドン普及していくでしょう。
さらに、自由時間だけでなく、労働時間もメタバースへ移行するでしょう。
メタバースで就職する・・・なんて未来も、すぐ近くまで来ているのです。
自治体が ご当地メタバースを運営or支援の可能性
いま現在、自治体がVTuberを運営or公認する事例は多く存在します。
そして今後も、その事例は増えていくでしょう。
この流れはVTuber業界だけでなく、メタバース業界でも起こりえます。
つまり、パラリアル渋谷のように”自治体公式メタバース”が増えていく可能性が高いのです。
文化財 保護目的の立入禁止エリアにも出入り自由?
歴史的に価値がある建造物には、一般人が立入禁止のエリアが必ずあります。
国宝や世界遺産に指定される建造物なら、なおさらです。
それは、文化財保護のため仕方ないことです。
しかし、メタバースなら破損する恐れがないため、立入禁止のエリアも入れるようになるでしょう。
いままでは一般人が立ち入ることが許されず、断片的な画像を見て想像するしかなかった深奥の部分まで、自由に立ち入って体感することが可能になるでしょう。
失われた遺産もメタバース化
すでに失われた太古の古代遺跡などのメタバースも、復元することもできます。
たとえば、バーチャルOKINAWAプロジェクト内で、与那国島の海底都市などをメタバース化すれば、幻想的な光景が味わえそうですね。
画像引用:Twitter
まるで、幻の大陸アトランティスのような不思議な体験ができそうですし、注目度も高くメディアなどで情報拡散されるでしょう。
・・・ふと、精神が疲れた時。
海底都市メタバースに来て、郊外の人のいない場所で仰向けになる。
上を見上げれば、美しい海の生き物たちが優雅に泳ぐ神秘的な光景を見れる・・・。
想像するだけでも、ワクワクしてきます。
多種多様なご当地キャラグッズが販売される
ご当地キティちゃんをはじめとして、人気マンガやアニメは、ご当地コラボグッズが販売されることも多いです。
ご当地メタバースの総数がある程度増えれば、メタバースでご当地コラボグッズNFTなどが販売されるでしょう。
実現はまだ先になりそうですが、実現の可能性は高いと思います。
伝統装飾品をNFT販売
そのご当地の伝統的な装飾品を、メタバースで身につけられるファッションアイテムNFTとして、販売できます。
- 和服
- 扇子
- ネックレス
- イヤリング
- 指輪
- カンザシ
- ゲタ
…など。
様々な伝統的ファッションアイテムをNFTとして限定数を設定して販売して収益化できます。
⬇ファッションアイテムNFTは、この記事でくわしく解説。
広告枠をNFT販売
また、ご当地メタバースの広告枠をNFTとして販売できます。
例えば、「1月21日〜1月27日:D地区のNo.18の広告枠の権利のNFT」という具合に、広告枠をNFT化して販売すればよいのです。
そして、NFT所有者(NFT落札者)だけがログインできるページを用意して、NFT所有者が自分で出稿すれば、広告枠を販売した側の管理の手間がなくなります。
また、更にターゲットに応じて、細分化した広告枠として販売することもできます。
- 性別
- 年齢層
- 独身or既婚
- 時間帯
などの項目でカテゴリ分けして、広告枠を細分化してNFTを販売すれば、広告を出したい企業側もターゲットを明確に絞って宣伝できます。
広告枠を売る側としても、細分化したほうが全体の利益が上がりやすくなるでしょう。
ご当地VTuber運営企業がメタバース事業にも続々と進出する
現時点では、ご当地VTuberという市場は小さいです。
しかし、次第に企業の参入も増えていき、地方IT企業や地方テレビ局運営のご当地VTuberも増えている印象です。
IT企業はもちろん、テレビ局も新しいテクノロジーを積極的に取材します。
つまり、最先端テクノロジーであるメタバースへの情報感度も高いのです。
そして、「自社でもメタバース運営したら、利益になるかも?」と、考えるのは自然な流れです。
近い将来、地方IT企業や地方テレビ局などが ご当地メタバースを開発する流れが起きるのも、ごく自然な流れです。
そして、ご当地VTuberとご当地メタバースを同時に運営して、地方創生をしつつ利益を上げるモデルケースも、多数 見れるようになるでしょう。
「ご当地VTuber×ご当地メタバース」
この組み合わせは、大いなる可能性を秘めているといえます。
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