指原莉乃VTuber計画バーチャルシンデレラ[メタバース×現実×世界]

VTuber

NF亭ショウタです。

VTuber界にて、指原莉乃さんがクリエイティブ・ディレクターをつとめる「バーチャルシンデレラプロジェクト」が進行中です。

ソニーミュージックや、中国最大手動画サイトbilibiliなど、大手企業が参加しています。

 

バーチャルシンデレラに関する情報は、指原莉乃さんのネームバリューに着目した内容が多いです。

しかし深く知れば、とても革新的なコンセプトの計画であることがわかります。

 

この記事では、バーチャルシンデレラの”全体像”と”運営戦略の考察”を解説していきます。

バーチャルシンデレラとは?

SONYと中国動画サイトbilibiliによる VTuberプロジェクト

Sony Musicと中国大手動画サイトbilibiliによるVTuberプロジェクトです。

bilibiliとは中国の最大手プラットフォームであり、月間アクティブユーザーは2.6億人と言われています。

中国のVTuberはもちろん、人口が多い中国での知名度を上げたい他国のVTuberにも利用されています。

指原 莉乃=クリエイティブ・ディレクター

AKB48グループ(AKB48・HKT48・STU48)のメンバーとしてアイドル活動をしていた指原莉乃さんが、クリエイティブ・ディレクターをつとめます。

クリエイティブ・ディレクターとは、”制作現場責任者”という意味です。

 

指原莉乃さんはアイドル活動以外にも、HKT48劇場支配人や女性アイドルグループ「=LOVE」や「≠ME」のプロデューサーとしても活動していました。

そして今回、VTuberという市場においてアイドル活動をしたい人を支援するバーチャルシンデレラプロジェクトのクリエイティブ・ディレクターに就任したのです。

海外大型イベントや動画プラットフォームで活動

Sony Musicや中国動画サイトbilibiliのコネクションを活かし、すでにYouTube&bilibiliでのレギュラー番組や、海外の大型リアルイベント出演も決まっています。

特にbilibiliは巨大市場であり、炎上事件などのリスクもありますが、同時にチャンスもとても大きい動画プラットフォームです。

 

過去には、超大手VTuber事務所も中国との誤解が生じてしまい、極めて大きなトラブルに発展したこともありました。

しかし、価値観・文化の違いなどの課題をクリアすれば、大きい影響力を手に入れるチャンスがあふれた国といえるでしょう。

1年間限定のプロジェクト

公式サイトでは、「1年間限定で運営されるプロジェクト」であることが明記されています。

Q.1年間の活動期間と書かれていますが、その後の活動はどうなりますか?

A.ユニットの活動としては1年間限定となりますが、その後もSony Music所属で活動を予定しております。

しかし、
(バーチャルシンデレラプロジェクト内の)ユニットとしての活動期間が1年間であり、その後もSony Musicという事務所所属で活動を継続すると説明されています。

先行デビューメンバー3名は 中国で すでに知名度が高い

デビューが決まっている3名は、すでに中国動画サイトbilibiliで活動をしており、多くの登録者がいます。

1名ずつ解説します。

神楽めあ

・YouTube:2018年6月 活動開始(登録者29.4万人)

 

・bilibili:2019年8月 活動開始(登録者86.1万人)

個人運営のVTuberです。

以前は、Project ParyiというVTuberプロジェクトに参加していましたが、2019年4月に同グループが解散した後は一人で活動していました。

清楚なイメージとはかけ離れたエッジの効いたトークが印象的です。

YouTubeよりもbilibiliの方が登録者が多く、中国で高い人気を泊しているVTuberです。

花園セレナ

・YouTube:2018年9月活動開始(登録者2.9万人)

 

・bilibili:2018年10月活動開始・登録者58.4万人

個人運営VTuberです。

前述した神楽めあさんと同じ、Project Paryiに所属していました。(2019年4月に解散。)

落ち着いた雰囲気の配信なので、癒やされたい人にオススメです。

緋赤エリオ

・YouTube:2019年5月活動開始(登録者1.58万人)

 

・bilibili:2019年5月活動開始(登録者47.9万人)

個人運営VTuberです。

”ちゅこらら”というVTuberグループに所属しています。

イケボな歌声が特徴的です。

歌配信では、力強い歌声を聞くことができるので、とてもオススメです。

3名ともキャラデザインはParyi氏

神楽めあ・花園セレナ・緋赤エリオの3名のキャラデザインは、イラストレーターであるParyi氏が担当しています。

更に、神楽めあ さん・花園セレナさんが所属していたグループProject Paryi(通称:ぱりぷろ)と、緋赤エリオさんが所属している”ちゅこらら”も、Paryi氏が運営者です。

バーチャルシンデレラの先行デビューメンバーが3名ともParyi氏と深い関わりがあるのです。

その詳しい理由は、不明です。

新メンバー募集も行われた

2021年12月15日〜2022年1月17日にわたり、新メンバー募集の告知もされていました。

いま現在は、メンバーを選考中とのことです。

2022年4月にデビュー予定です。

東京・上海・バンコク・ジャカルタetc…などに常設ARシアター

バーチャルシンデレラの制作統括は、VAPOLLO JAPAN株式会社です。

VAPOLLO JAPAN株式会社は、2019年から中国の上海などの主要都市にVTuberの常設ライブハウス「VAPOLLO THEATER」を運営しています。

この常設ライブハウスにより、中国の国外にいるVTuberも、上海のライブハウスでファンとリアルタイム交流できる様になりました。

また、今後は東京・タイ王国バンコク・インドネシアのジャカルタなど、様々な都市でもVAPOLLO THEATERを運営する予定だそうです。

AKBグループの戦略を応用?

中華圏をメインターゲットに展開

バーチャルシンデレラは、中国を中心に事業を展開するようです。

VAPOLLO JAPANのCEO・斉藤秀氏は、インタビュー記事で「中華圏に拘る理由は、市場規模が大きいから」と語っています。

”中華圏”は、次の4つの地域の総称です。
(シンガポールなどを含める場合もある)

  • 中国(人口:14億4420万人)
  • 香港(人口:760万人)
  • マカオ(人口:70万人)
  • 台湾(人口:2352万人)

※いずれも2021年時点の人口。

以前にVTuber界では、日本のVTuberが中国と台湾に関する発信に問題があるとして、極めて大きなトラブルが起こっています。

 

具体的には、Youtube視聴者のデータ一覧画面で、「台湾が”国”として表記された」ことに対し、中国が「台湾は”国”ではなく、中国の支配下にある。」と国際問題に発展したのです。

これは、配信画面に映し出したデータ一覧画面の表記であって、VTuberが「台湾は国」と発言したのではありませんが、大きな問題となってしまったのです。

 

なので、中国と台湾をはじめとする中華圏の国で活動するのなら、文化や宗教の違いなどに最大限配慮しつつ慎重に戦略を考える必要があるのです。

しかし、そのリスクを考慮したうえでも、中華圏という巨大市場はメリットが大きい…と判断したのでしょう。

いずれは、中華圏以外の国にも展開の可能性

前述のとおり、選考メンバー3名に加えて新メンバーも募集されていました。

その志望フォームには、話せる言語についての質問もありました。

非常に多彩な選択肢の中から、話せる言語を選択するのです。

つまり、話せる言語を重視していると うかがえます。

 

前述したとおり、VAPOLLO THEATERは東京・タイ王国バンコクやインドネシアのジャカルタなどの中華圏以外にも展開予定です。

つまり、中華圏中心での運営で経験値を貯めて、他の国でも応用していき、上手く行けばAKB48グループと同じように世界展開も考えていると思われます。

ご当地VTuberと真逆の性質で地方創生?

今後、大規模イベントが多数開催されれば、その会場の周りも活性化します。

バーチャルシンデレラ自体は ご当地要素がないですが、現実世界に常設されたライブハウスに人が集まるので、その街の経済活性化につながります。

AKB48グループと同じく、発信内容にご当地要素が無くても、結果として地方創生になるのです

 

これは、”ご当地VTuber”といわれる人たちと、対の戦略といえます。

ご当地VTuberとは、特定の地方の魅力を広めるため活動するVTuberのことです。

ご当地VTuberたちは、ご当地要素のある情報を発信していますが、物理的な会場はありません。

・バーチャルシンデレラ
=ご当地要素ない。
どこかのご当地に物理的にリアル会場が存在。

・ご当地VTuber
=ご当地要素ある。
物理的な会場がない。Youtubeなどネット上で発信。

⬆このように全く反対の性質ですが、結果として両方とも地方創生につながるのです。

 

つまり、バーチャルシンデレラの収益化手段として

  • リアル会場で、地元企業とのタイアップ商品を販売
  • リアル会場で、地元企業をターゲットに広告枠を販売
  • リアル会場で、地元企業運営ご当地VTuberとのコラボ

なども可能になり、戦略の幅が広がるのです。

 

しかし、「地元企業運営ご当地VTuberとコラボ」は、現時点では ご当地VTuber界という市場は小さいので、実現は難しいです。

ですが、今後ご当地VTuber市場が世界に拡大していくにしたがい、事例も出てくるでしょう。

メタバースと現実の融合

VTuberとメタバースは相性が良いです。

なぜなら、

・メタバース=フロー型
・VTuber=ストック型

だからです。

 

メタバースは臨場感が高いですが、活動した情報は記録されず流れていきます。

しかし、VTuberとしてYouTube上で発信すれば、その情報はアーカイブとして保存されます。

つまり、メタバースとVTuberを併行することによる相互補完で、”活動の両輪”となるのです。

(⬇こちらで深く解説してます。)

「メタバース=フロー型」「VTuber=ストック型」活動の両輪
メタバースと高い相互補完性があるのがVTuber界です。これからは、”メタバース活動履歴”としてVTuber化する人が増えます。「メタバース活動=フロー型 ・VTuber活動=ストック型」この2つの相互補完性と、未来予測について解説。

そして、メタバースとVTuberを同時運営することにより、様々なメリットが生まれます。

それを解説していきます。

”メタバース”と”現実世界の常設シアター”で相互送客

バーチャルシンデレラでは、メタバースでのライブをする予定です。

メタバースはこれからも爆発的に発展することが確実ですし、ライバル企業たちもどんどん参入してくるでしょう。

ライバル企業は商売敵であると同時に、ともにメタバース業界を盛り上げていく協力者でもあるのです。

 

つまり、爆発的に普及するであろうメタバースでライブイベントをすれば、バーチャルシンデレラというプロジェクトを新規層に知ってもらえるのです。

なので、”メタバース”と”VTuber”という2つの接点でバーチャルシンデレラを認知拡大して、「メタバース↔VTuber」という風に、相互に送客できるのです。

「1年間限定」の謎

前述したとおり、バーチャルシンデレラは1年間限定のプロジェクトです。

これは、メンバーがユニットとして活動するのが1年間限定であり、その後はSony Music所属で活動を継続するようです。

 

別の言い方をすれば、バーチャルシンデレラでVTuberたちが影響力を得た後、Sony Music所属にしていくということです。

つまり、AKB48みたいに どんどんメンバー総数を増やすのではなく、少数のVTuberたちを丁寧に育ててから、Sony Musicという事務所に移籍させていき、Sony Musicという事務所の層が厚くなる。

そして、バーチャルシンデレラは新メンバーを募集してまた育てる・・・。

というサイクルだと思います。

 

つまり、バーチャルシンデレラでの1年間の活動後、Sony Music所属になった後も、VAPOLLO THEATERとbilibiliへの出演は継続すると思われます。

根拠としては、これだけ多くの企業が関わっているのですから、バーチャルシンデレラというプロジェクト全体が1年間で終わるとは考えにくいです。

プロジェクト自体が軌道に乗らずピンチ・・・という事態が起こったらどうなるかわかりませんが・・・。

運営する側の考えとしては、長期的に運営して「先行投資分+利益」を回収していく予定でしょう。

メタバースと現実を一体化

バーチャルシンデレラのインタビュー記事では、メタバースやリアル会場などで同時に体感できるエンタメを目指していると語られています。

もちろんライブはリアル会場に限らず、オンラインやVRでも同時配信するし、メタバース上のバーチャルな会場でも同時開催します。

そしてリアル会場・オンライン配信・メタバースのお客さんがステージに上がるなど、演出面でもオン/オフのリミットをどんどん外していく。

今まではメタバースなどのネット上のライブと、リアル世界のライブは明確に分かれていました。

しかし、それらを融合していくとのことです。

 

そして、リアル会場は世界の主要都市に用意して、国境をまたいでのリアルライブも計画しています。

具体的には、東京にも、上海にも、バンコクにも、ジャカルタにも(リアル)会場が存在し、演者は東京からパフォーマンスの映像や歌唱をリアルタイムでそのnヵ所に送出して、世界中のお客さんの前に同時にメイン会場を作るという構想です。

今後は、”国境”という概念もどんどん希薄になり、世界も融合していきます。

つまり、

・メタバース×現実×世界

が融合していくのです。

 

僕は、
VTuber界が進化をつづけて、メタバース時代を象徴するエンターテイメントに昇華されていく可能性を感じます。

胸が高鳴りますね。

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