音声NFTとは?VTuberのボイス・芸人ギャグ音声&市場を予測

NFT

NF亭ショウタです。

「音声NFT」と聞くと、何をイメージしますか?

ピンとこない かも知れません。

まだまだ知名度が圧倒的に低いからです。

 

しかし、音声NFTはとても有望なジャンルです。

音声市場 自体が、爆発的に発展しているからです。

この記事では、音声NFTの事例&未来を解説します。

音声NFTとは

NFTの音声版です。

「音声の所有権」を売買するのです。

 

音声は意外に大きい市場があります。

デジタル音声広告の市場規模は年々拡大しており、2025年には420億円に達すると予測されています。

画像引用:デジタルインファクト

ClubhouseやVoicyをはじめとして、音声プラットフォームも多数あり、今後も増えていくでしょう。

したがって、音声NFTも これからの発展が期待できる市場といえます。

事例

VTuber 蒔田つぐみ

2018年からVTuberとして活動している蒔田つぐみさんが、全4種・限定200個のASMRボイスを発売しました。

音声にあわせて、イラストが動く特別バージョンとなっています。

全4種のNFTをコンプリートする人がとても多いらしく、ファンの平均の熱量が高いことがうかがえます。

⬇サンプル動画

また、第2弾の販売も検討されています。

 

蒔田つぐみ さんは、ASMR・シチュエーションボイスをメインに発信しているASMRボイス アーティストVTuberです。

エイベックス・ビジネス・ディベロップメントに所属しており、同社が運営する音声事業にも参加していくことが予想されます。

世界初のギャグ音声NFT

芸人の たむらけんじ さんが、自身の一発ギャグの音声をNFT化して販売しました。

 

このギャグ音声NFTは、77,861XYM = 約167万円で落札され、大きな注目を集めました。

また、購入者には特典として たむらけんじさん本人から焼き肉をゴチになれるそうです。

 

この事例は、たむらけんじ さん本人がスマホで音声をアップロードして販売したものです。

たむらけんじさんは、仮想通貨投資家としても活動しており、ブロックチェーン関連市場にもともと詳しかったと思われます。

そして、このギャグ音声で爆発的に成長しているNFT市場への参入も果たしたのです。

「音声を使ってNFT配布」も可能

東京・渋谷の寿司屋「鮨 渡利」は2021年7月に、音声を使ってNFTを配布するプロジェクト「SUSHI TOP SHOT」を行いました。

「SUSHI TOP SHOT」は、一般公開された動画の音声に「音響透かし」と呼ばれる、音に文字情報などを埋め込む技術を使っています。

 

読み取ると音響透かしが検知されて、NFTを購入する権利が手に入る・・・というものです。

⬇この動画にも音響透かしが使われています。

販売されたNFTは、寿司職人の技術を撮影した動画です。

NFT所有者には来店して寿司を食べると、特典があるらしいです。

 

この音声透かし技術は、新しい可能性を秘めています。

たとえば、スピーカーからの町内放送で、

「◯◯さんの飼い犬が行方不明です。見つけて捕まえた人にはお礼として□□があります。
このような外見です。(音響透かしで画像URL)

…という感じで、

ローカルなスピーカー放送と ハイテクな音響透かしを、組み合わせることも可能になるでしょう。

音声NFTのメリット

音声コンテンツの波にのれる

音声市場は、急速に成長しています。

音声は、他のことをしながら聞ける「ながら聴き」が可能なため、視線が拘束されてしまう動画に比べて”自由度が高い情報収集の手段”として需要が増しているのです。

 

また、発信者の立場でも”動画編集の手間がない”ことが大きなメリットです。

何時間もかけて動画編集をする手間がなく気軽に発信できるので、YouTubeからVoicyなどに発信の場を移す有名インフルエンサーも多いです。

 

音声プラットフォームは、ClubhouseやVoicyをはじめとして次々と誕生しており、音声市場は大きな注目を集めています。

音声NFTは、その大きな注目度を利用しやすいのです。

ライバルが少ない

音声NFTは、イラストNFTに比べて圧倒的に出品が少ないです。

なのでNFT業界でも認知度が圧倒的に低いです。

ごく一部の事例意外は、ほとんど注目されていません。

 

(しかし、未成長なジャンルでライバルが少ないからこそ、音声NFTクリエイターとしてのポジションを取るチャンスでもあります。)

フルオンチェーン化しやすく、資産価値を認識されやすい

「フルオンチェーン化=すべてのデータがブロックチェーンに記録される」という意味です。

画像引用:パジ×かねりん

世の中のほとんどのNFTは、フルオンチェーン化されていません。

ほとんどのNFTは、「◯◯というURLにあるコンテンツの所有者は□□さん」というように、メタデータ(”URLと所有者情報を紐つける”ための情報)をブロックチェーンに記録しています。

しかし、”◯◯というURLにあるコンテンツ”自体はブロックチェーンに記録されません。

なので万が一、

”◯◯というURLにあるコンテンツ”を保存しているストレージ(データ保存庫)のバグや運営停止などにより消失してしまったら、ブロックチェーンに残るのは「URLと、その所有者情報」だけになってしまいます。

肝心のコンテンツ自体はブロックチェーン上に残らないので、資産価値が失われるのです。

 

しかし、音声NFTは、音声自体もブロックチェーンに刻まれているのです。(=フルオンチェーン化)

ブロックチェーン上に永遠に記録されているので、いかなる場合も肝心のデータは失われることが無いのです。

フルオンチェーン化されたNFTは、資産価値があると認識されやすいのです。

これは、音声のデータ容量が小さいため、ブロックチェーンに記録することが容易なので可能になるのです。

 

前述した、たむらけんじさんのギャグ音声NFTも、フルオンチェーン化されています。

たむらけんじ さんの今回の音声は9秒間で「141KB」というデータの軽さなので、フルオンチェーン化が可能になったのです。

今後も、フルオンチェーン化しやすい音声NFTという市場は広がっていくでしょう。

音声NFTのデメリット

わざわざ再生しないと、内容が伝わらない

イラストNFTは、マーケットプレイス一覧で、多数のイラスト作品が表示されます。

一目で多数の作品を見ることができるので、効率的に多くの人の目に触れるのです。

opensea

さらに、イラスト画像なのでSNSでも拡散されやすいです。

 

しかし、音声NFTの場合は

マーケットプレイス一覧を見ても タイトルくらいしかわからず、具体的に内容を知るには個別の作品ページに行かなければなりません。

 

現状のNFT市場では、長尺の音声を聞いてもらえる可能性は低いので、短尺の音声で伝わる内容がメインになりそうです。

もちろん、SNSでの拡散もイラスト画像に比べて されにくいでしょう。

「プロフィール画像用」の需要を狙えない

NFT市場において、イラストNFTは一番メジャーです。

これは、「SNSのプロフィール画像にする」という巨大な需要があるので、それに適したイラストNFTが出品されるのです。

すでにTwitterは、ウォレットとの接続により「プロフィール画像の所有権を証明する機能」を実装しています。

つまり、「オレは、このイラストNFTを所有しているんだぜ!」と、所有欲を満たせるのです。

 

しかし、音声NFTはSNSのプロフィールに反映できません。

なので現状は、プロフィール画像用という巨大な需要を拾えないデメリットがあるのです。

地味な印象

鮮やかで派手なイラストNFTに比べると、音声NFTというジャンルは地味な印象があります。

内容が面白かったとしても、まずは聞いてもらわなければ その後の発展につながりません。

 

しかし前述したとおり、

聞いてもらうにも個別の作品ページに行ってもらわなければ、そもそも聞いてもらえません。

購入するか否か以前に、音声を聞いてもらうハードルが とても高いのです。

言語の壁➡市場が大きい海外層にアプローチしにくい

外国人に音声の内容を理解してもらうには、言語の壁があります。

どんなに面白い内容の音声であっても、日本語なので海外の人にはアプローチしにくいのです。

 

⬇音楽NFTなら、メロディーの魅力があれば言語の壁を超えやすいです

【記事 作成中】

しかし、音声は言語がわからなければ、購入されづらいです。

圧倒的にNFT取引が活発な海外層へのアプローチにおいて、非常に不利といえます。

シチュエーションボイス・ASMRのNFT化は有望

  • シチュエーションボイス=特定の状況を設定して展開する、ストーリー形式の音声
  • ASMR=人間が「心地よい」と感じる音(「ささやく声」や「ポテトチップスを割る音」など)

…という音声ジャンルがあります。

「ささやく声(ASMR)でストーリーが展開される(シチュエーションボイス)」という、両方の要素がある音声も多く存在します。

どんな作品があるのか

シチュエーションボイスは、女の子(男の子)の性格や状況設定により、様々なモノがあります。

⬇イラスト1枚を表示して、音声を入れた動画が、Youtubeに多く投稿されています。

また、ライブ配信で数時間にわたる長尺のASMR・シチュエーションボイスを、リアルタイム配信する人も多いです。

 

作業用や睡眠用ASMRもあり、スマホやパソコンの画面を見なくても内容を楽しむことができます。

現在の市場規模

ASMR・シチュエーションボイス音声市場は活発化しています。

「ASMR」のキーワード検索数も高まり続けています。

いままでの需要も増えていますし、過酷な労働でグッタリした人たちなどが寝っ転がり目を閉じながらでも”癒やし”を楽しめるので、これからも需要は増えていくと思います。

販売サイト

ASMR・シチュエーションボイスを販売しているサイトは、BOOTHとDLsiteが代表的です。

両サイト共に、様々なクリエイターが作品を販売しています。

成人向けのボイス作品も多いです。

BOOTH

DLsite

DLsiteでは専売契約を結んでいるクリエイターも多く、ここでしか買えないASMR・シチュエーションボイスもたくさんあります。

VTuber界でも定番に近い商品

ASMR・シチュエーションボイスは、VTuber界でも多用されています。

特に、周防パトラさんはVTuberのASMR界においてトップクラスに有名です。

周防パトラさんは2018年7月から活動をしており、ボイス作成のクオリティ追求のために投資した金額は数百万におよぶと言われています。

ボイス販売でも高い売上を記録しており、
2021年6月14日に発売された作品は発売から24時間で1万ダウンロード突破を記録しました。

これは、全年齢版作品としてDLsiteの歴代最速(全年齢版において)で突破するなど、驚異的な売れ行きを記録しました。

 

さらに、2年連続で「DLsite ASMR オブ・ザ・イヤー」に輝くなど、華々しい実績があります。

他にもボイス作品で高い売上を記録しているVTuberは多く存在します。

 

また、

VTuber専門の音声レーベルぶいの〜らる!が設立されるなど、VTuber界においてもASMR・シチュエーションボイスは有力な市場になっているといえます。

 

さらに、

サントリー公式VTuber燦鳥ノムさんは自社商品の炭酸ASMRをするなど、音声コンテンツとして成立しつつ商品の宣伝にもなる戦術をとっています。

 

⬇カルビーもポテトチップスの咀嚼音ASMRを聞くだけのページを用意しており、ASMRの宣伝活用を明らかに意識しています。

ASMRでの自社商品宣伝は、これから定番戦略になっていくでしょう。

クリエイターの新しい収入源になる

声優志望の人は多いです。

しかし、そのうち声優として売れるのは極一握りです。

 

クラウドソーシングサイトなどで単発的な声優の仕事をこなしても、わずかな収入しか得れない人も多いのです。

声優の仕事がないときは、Youtubeにシチュエーションボイスなどをアップして、ASMR・シチュエーションボイス専門のチャンネルを運営する人もいます。

しかし、そこから広告収入を得たり、仕事を獲得することができる可能性は、全体としては低いでしょう。

また、ASMRやシチュエーションボイスは、Youtubeに「センシティブなコンテンツ」と判断されて、BAN(アカウント停止)されるリスクが高いのです。

 

しかし、NFT化して売れば、チャンスの可能性があるのです。

これから音声NFTもドンドン増えるでしょう。

シチュエーションボイスのVR映像もNFT化されていく?

シチュエーションボイスは、状況が設定されています。

たとえば、耳かきASMRというシチュエーションボイスは、

「美女に ひざ枕されて、ささやきながら耳かきしてくれる」

…という、男性が憧れる状況設定です。

男性は音声を聴きながら想像力(妄想力)をフル活用して、その状況を脳内再生しているのです。

この状況も、VR映像で体感することも すでに可能です。

⬇VRヘッドセットを装着すると、3Dの美女が現れてひざ枕をしながらささやいてくれる…というVR映像を体感することができます。

(そのまま睡眠導入に使えば、グッスリ眠れそうですね。)

 

このVR映像を「音声NFTの所有者 特典」にすることもできます。

また、このVR映像自体を「美女のひざ枕耳かきVR映像NFT」として販売しても面白いでしょう。

 

「美女のひざ枕VR映像」自体は さほど珍しくありませんが、NFT化は珍しさがあります。

また、すでに人気があるVTuberの場合、NFT化すれば好調に売れる可能性が高いです。

新しい収入源になるでしょう。

 

また、スカイダイビングをしているVR映像のNFTや、太古の恐竜の動画などをNFT化もできます。

(⬆風切り音ASMRや、恐竜の鳴き声ASMRなど、単体で音声コンテンツとして実験的に売っても面白いです。)

 

これから音声NFTという市場が、「どのように発展していくか?」という視点で見ていけば、コンテンツの発展の本質を掴めるチャンスにもなるのです。

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