NF亭ショウタです。
現実世界にデジタルアートを飾る、NFT美術館というモノが国内外で創られています。
そして、日本国内のNFT美術館が「竜とそばかすの姫」のNFTを落札しました。
「・・・なんで、このようなことが起こってるの!?」
と、疑問に思うかもしれません。
この記事では、国内外のNFT美術館の現状と未来予測について、解説します。
NFT美術館とは?
その名称のとおり、NFTアートを展示する美術館です。
メタバース上でのバーチャルな美術館もすでに存在しますが、この記事では現実世界に存在するNFT美術館を解説していきます。
NFTは、世界的権威のオークションハウスでも扱われるなど、資産価値を認められるようになっています。
つまり、アートコレクターや投資家たちが、数億円もの高額なNFTアートを購入する事例は、もはや海外では珍しくもないくらい、NFTが価値を持っているのです。
そのため、これからさらなる発展が確実なNFTアートを展示する美術館を設立する流れが起きているのです。
日本初のNFT美術館「NFT鳴門美術館」
NFT鳴門美術館は、徳島県鳴門市で運営されていた「鳴門ガレの森美術館」が、2021年11月より「NFT鳴門美術館」に改称しました。
日本で初めてのNFT専門の美術館です。
すでに運営されていた美術館を改称して運営を再スタートさせたことからも、NFTアート市場に大きな可能性を感じているということでしょう。
管理運営をしているのは、一般財団法人NFT鳴門美術館(旧称:一般財団法人鳴門ガレの森美術館)であり、
・発行
・審査
・一次販売
・二次販売
…ができるNFTマーケットプレイスも運営するとのことです。
この事例により、国内でNFTアートがより身近に感じる人が増えれば、NFTアート市場が盛り上がって文化として定着していくでしょう。
(また、来場者が増えれば地域活性化にもつながつ効果が期待できます。)
「竜とそばかすの姫」(細田守監督)NFTを総額5000万円で落札
細田守監督作品「竜とそばかすの姫」と、ファッションブランドであるアンリアエイジがコラボしたNFTを総額5000円でNFT鳴門美術館が落札しました。
アンリアエイジは竜とそばかすの姫の主人公の衣装デザインを手掛けているため、今回コラボNFT販売にいたったのです。
今回落札したNFTは、もちろんNFT鳴門美術館で展示する予定とのことです。
細田守監督は2009年公開の「サマーウォーズ」で、すでにメタバースを題材にした作品を制作しており、今後もメタバースの普及とともに作品の注目度も高まっていくでしょう。
エルミタージュ美術館もNFTプロジェクト開始
世界3大美術館のひとつといわれるエルミタージュ美術館(ロシア・サンクトペテルブルク)も、NFTプロジェクト「Your token is kept in the Hermitage」を開始しました。
このプロジェクトは、エルミタージュ美術館が所有する絵画を、デジタルコピーしてNFT化するという内容です。
レオナルド・ダ・ヴィンチやゴッホなど、超有名な画家の作品もNFT化されるとのことで、注目度が高まっています。
1つの絵画につき2つのNFTが制作され、1つはエルミタージュ美術館が保有、もう1つが一般に販売されます。
「世界最大NFT美術館」in 世界一細い超高層ビル
アメリカの大手金融企業グッゲンハイム・パートナーズの創業者の1人であるトッド・モリーが、ニューヨークのマンハッタンに世界最大のNFT美術館を創ると予定しています。
その場所は、
・ニューヨーク・マンハッタン西57丁目111番地「111 West 57th Street(ビル名)」
…の建物の一角です。
建設途中である95階建てビル「111 West 57th Street」は、”世界一細い超高層ビル”といわれており、まるでチョコレートをかける前のキットカットのようです。
マンハッタンには細い高層ビルが多く存在しますが、それらの中でもこのビルのインパクトは群を抜いています。
完成後は、商業施設やマンションなど、様々な用途で利用される予定です。
このビルに世界最大のNFT美術館を創る予定のトッド・モリーは
「テクノロジーの象徴のようなもので、新しいテクノロジーを発表するのに最適な場所。」
…と語っています。
確かに、これだけ斬新な形状のビルだと、それだけで注目されて世界中から集客効果があります。
必然的に、ここに美術館を構えれば新しい文化が好きな層の注目を集めやすいですし、NFTの先進性・革新性をアピールできそうです。
NFT美術館は、既存アーティストの次の活躍の場所
NFTが世界に普及するのは必然
NFTアート市場は、世界に急速に普及しつつあります。
その本質は「所有権の証明」です。
ブロックチェーン技術により、「このデジタルアートの所有権が誰なのか?」を、疑いの余地なく100%証明することができるのです。
(⬇ブロックチェーン技術については、こちらの記事で解説。)
そして、NFTはアートだけではなく、パスポートや契約書や権利書の「所有権の証明」も可能になります。
これらは、万人が確認可能であり、改ざん不可能な状態で管理されるのです。
「この人は、信用できるのだろうか・・・?」
などと、相手の人間性を判断する労力や手間がなくなります。
まったく素性不明の相手とでも、安心して取引が可能なのです。
つまり、NFTは世の中になくてはならないテクノロジーとして浸透していくのです。
必然的に、所有権が証明されるNFTアートも、芸術の新しいカタチとして浸透していくでしょう。
アーティストにとっては未曾有の大チャンス
アーティストたちにとって美術館は、自分の作品を発表して認知させる晴れ舞台です。
そして、この記事で解説したように、美術館という業界にもデジタル化・NFT化の流れが押し寄せてきています。
そして、マーケティング的な話になりますが・・・。
アート業界では、アート作品の魅力が乏しくても、ポジション取りをいち早くしてアーティストとしての地位を確立してしまえば、その人のアート作品は高値で取引されます。
デジタルなNFTアート市場においても、同じことがいえます。
具体例をあげます。
CryptoPunksと呼ばれる世界最古のNFTシリーズは、1枚の画像が8億円を超える値で取引されたこともある、超高価なNFTシリーズです。
全部で1万個の画像が存在しており、だいたい1枚あたり数千万円くらいで取引されています。
しかし、なんの前情報もない状態で これらの画像を見て「数千万円で買いたい!」と思う人はいないでしょう。
・「世界最古のNFT」として高値で売買されている➡投資目的で買う
・「所有してれば、羨望の的になれる!」➡優越感のために買う
…と言った具合に、「他者から価値があるとされている」との前情報があるから、高値で売れるのです。
(1万円札も「欲しい物と交換できる」という前情報があるから、価値が認められるのと同じ。)
つまり、CryptoPunksは「世界最古NFTシリーズ」という歴史的な価値が認められているから、高値で取引されるのです。
アートとしての純粋な魅力という視点では、CryptoPunksは魅力度ほぼゼロです。
(⬇CryptoPunksは、この記事でくわしく解説してます。)
日本でも、同じことがいえます。
・いち早くNFT市場に参入して、NFTアーティストとしての地位を確立
・卓越したマーケティングにより、アートの魅力以外で価値を持たせる
…などの要因で、高値で取引されている国内NFT作品もあります。
つまり、「アート作品としての魅力」以外の要因によって超高値がついているのです。
どう考えても価格に見合う魅力を感じないイラストNFTを、多くの人が「可愛い!クオリティ高い!」と褒めちぎっている場面に出くわすことがありますが、大きな違和感を感じます。
それは、「高値で取引されている作品=アート自体の魅力が高い」と、先入観があるためです。
結局、「他の人から需要があるモノ」を、人は好きになりやすいのです。
つまり、NFTアートでもリアルアートでも、
・相場の決定要因 ≒ 作品自体の魅力≪≪≪その市場における、作者の知名度や影響力
…なのです。
つまり、稼ぎたいアーティストは、一日でも早くNFT市場に参入して地位を築く努力をすべきです。
純粋な実力を持つアーティストは、高確率でNFT市場での地位を築ける
アート自体に魅力があった上で今すぐ参入すれば、高確率で地位を築けます。
個人的には、
⬇有名イラストレーターのLAMさんの作品は、前情報が一切なしでも強烈な魅力を感じます。
LAMさんが描く、鮮やかでインパクトのあるイラストは、強烈な魅力があります。
LAMさん自身はNFT市場に未参入ですが、もし参入したら地位を築ける可能性は高いです。
・・・1つの根拠として、LAMさんはVTuber業界では絵師(VTuberのキャラデザをする人)として有名なことがあげられます。
(LAMさんはVTuberがとても好きで、自分がキャラデザを手掛けたVTuberのライブ配信のチャット欄でコメントする場面をよく見かけます。)
一目でLAMさんのイラストだとわかる強烈なインパクトは、VTuberという他の市場でもすでに強烈な存在感を放っています。
なので、黎明期であるNFT市場に参入すれば、高値で売れる事例が生まれて、大々的に情報が拡散されます。
結果、NFTアーティストとしての地位が上がっていくでしょう。
(⬇また、VTuberとNFTについてはこちらで詳しく解説してます。)
・・・LAMさんのようにアート自体の魅力で勝負できる人の参入は、今後も増えていくでしょう。
なので忖度なしの意見を言うなら、アート自体の魅力に自信がないアーティストは、NFT市場が黎明期である今のうちに参入して一気に地位を築くしかないでしょう。
実際に、あまりイラスト自体に魅力がないイラストレーターでも、いち早く参入して日本NFT界でのコネクションを順調に拡大している実例も複数あります。
つまり、アート自体に魅力が乏しくても戦略次第で大きな金額を稼げるのです。
NFT投資家は、”アート自体の魅力”ではなく、”将来、値上がりするのか?”という金銭的な目線でシビアに判断して購入します。
なので、アート自体に魅力がなくても、早めにNFT市場に参入して地位を築く努力をすべきなのです。
それが、アーティスト業界の生存競争に打ち勝つための戦略なのです。
アーティストたちがNFT市場に参入する流れ
今後は、イラストレーター・画家はもちろん、写真家や音楽家など、多彩なジャンルのアーティストがNFT市場に参入してくるでしょう。
下請けイラストレーターとして薄給の仕事で生活していた人が、NFT市場に参入して高値で取引されているような事例を見て、他ジャンルのアーティスト達も続々参入するのは確実と言えます。
充実した心身で創作活動するには、十分な生活費が必要です。
そのため、下請けで十分に稼げていないアーティストでも、十分な稼ぎを得て独立するチャンスが生まれます。
”観光名所”としても需要が生まれる
そして、NFT鳴門美術館のようなNFT専門の美術館は、NFT市場の発展にともなって興味性が高まります。
すると、NFT美術館がある地方への集客効果が期待できます。
つまり、渡航制限が解除された後にも、観光名所となる可能性が高いのです。
NFT市場の発展を見越して、県庁が補助金を出す…などの施策も、今後は増えるかもしれません。(NFTが市民権を得てからになりそうですが。)
・・・NFT専門の美術館は、大きな可能性を秘めています。
アーティストは、NFT美術館のプロジェクトなどに、なんらかのカタチで協力をして信用を築いておくべきでしょう。
3年後、5年後にNFT市場が発展したときに、その種まきが生きてくるでしょう。
またNFTコレクター視点からしても、NFT美術館が増えて一般層への認知が広がれば、所有するNFTの相場が上がるチャンスもあります。
NFT美術館という革新的なアート展示会は、NFT界にとって大きな転機となりそうですね。
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