NF亭ショウタです。
ローカルテレビ局である中京テレビが、メタバースに本格参入しました。
- メタバース開発・運営を請け負うサービスを開始
- 運営VTuberが、メタバース情報を発信
…という変化が起こったのです。
そして この事例により、長期的に「ご当地VTuber界」に変化が起こります。
(ご当地VTuberとは、特定の地方の情報を発信するVTuberです。)
この記事では、
- 中京テレビのメタバースで事業の詳細
- 3パターンのメタバース開発手段
- メタバース開発の可能性が高い ご当地VTuber
…を解説していきます。
中京テレビがメタバース事業
中京テレビとは
中京テレビは、日本テレビ系列のローカルテレビ局です。
VTuberイベント「VILLS」や「ナゴヤVTuberまつり」などを行っています。
(また、日本テレビ自体も「V-Clan」というVTuberサポートサービスを運営しています。)
また、
愛知県の高校・大学でのVR課外授業や、メタバースで英会話イベントなど、教育方面でもメタバースを活用しています。
中京テレビ「エブリバース」とは
中京テレビは、2022年6月10日にエブリバースというメタバース事業の支援サービスを開始しました。
これは、メタバースでの企画提案〜運営まで、すべてを委託できるサービスです。
- 企画提案
- 出演者の手配
- 台本の作成
- 本番の運営
…という具合に、イベントを一括で委託できます。
また、それ以外にも
- メタバース求人サイト「メタジョブ」との連携で、スタッフ求人も可能
- 中京テレビ所有メタバースのレンタル
- オリジナルの空間やアバターなどを製作
- 用途に合うメタバース プラットフォームを選定
- メタバースイベントを 映像として記録
…なども可能とのことです。
中京テレビのVTuber=ご当地VTuber界の有識者
中京テレビアナウンサー・大蔦エルとは?
中京テレビでは、2018年から大蔦エルさんというVTuberが、正式なアナウンサーとして活動しています。
中京テレビのアナウンサー名簿一覧に、VTuberが記載されているのです。
世界初のVTuberアナウンサーとされており、VTuberとしてのチャンネルを持ち配信活動をしつつ、VTuberイベント司会や、中京テレビの番組でアナウンサーをしています。
ご当地VTuber界での有識者ポジション
大蔦エルさんは、VTuber界の中でも有望な「ご当地VTuber」というジャンルにおいて、有識者として知られています。
自身は、愛知県名古屋市のご当地VTuberとして活動しつつ、
他の地方のご当地VTuber同士のコラボを主催したり、ご当地VTuber特集 のような企画の際には、有識者として解説を依頼されたりしています。
つまり、ご当地VTuber界において、影響力が強いポジションにいるといえるでしょう。
ご当地VTuber界の有望性
ご当地VTuber界は、現時点ではニッチジャンルですが、徐々にマーケティング的にも有効性が高まっています。
イノベーター理論(モノが広がっていく過程を5段階に分類する理論)当てはめると、2021年下半期あたりから キャズムを超えてアーリーマジョリティの段階に入り始めた…という印象です。
画像引用:ONEmarketing
このキャズムを超えれるか否か…が、モノが普及できるか否か、に直結するのです。
ご当地VTuber界はキャズムを超えた(印象を感じる)ので、これからの普及が期待できます。
ご当地VTuberとして活動しはじめる人も増えていますし、これからの発展は確実と思われます。
また、自治体による運営VTuberの例も、すでにたくさん存在します。
- 茨城県 運営VTuber・茨ひより
- 岩手県 運営VTuber・岩手さちこ
- 岡山県 運営VTuber・ももこ と キビト
上記の例の他にも、自治体がVTuberを運営する事例は複数 存在しています。
そして、すでに活動しているVTuberを対象に、自治体の観光大使などを募集するパターンもあります。
その代表的な例が2021年7月〜11月にかけて行われた、「埼玉バーチャル観光大使」です。
埼玉県が観光大使として活動してくれるVTuberを募集し、個人運営VTuberである春日部つくしさんが選出され、実際に活動しています。
春日部つくしさん自体のもともとの知名度に加えて、「個人運営VTuberが、県の公式VTuber」という意外性から、VTuber界で大きな注目を集めました。
この事例で、ご当地VTuberへの注目も高まったと言えるでしょう。
これから、ご当地VTuberを活用する自治体・企業も増えていくのは確実です。
大蔦エルの影響で、他のご当地VTuberがメタバース参入?
「地方の情報を発信する」という共通の特性があるため、ローカルテレビ局と ご当地VTuberは相性が とても良いです。
すでにローカルテレビ局によるVTuber運営は、大蔦エルさん登場以降も複数の例が登場しています。
そしてこれから、ローカルテレビ局によるメタバース参入が増えて、
同時に、案内役・広報役としてご当地VTuber運営も併行されるパターンが増加していく可能性が高いです。
ご当地VTuber×メタバースの前例
⬇ご当地VTuberによるメタバースでの地方創生の前例が、沖縄県ご当地VTuberによるメタバース「バーチャルOKINAWA」です。
2018年からご当地VTuberを運営していた沖縄県那覇市の企業が、2021年からメタバース開発を開始した事例です。
このように、
「ご当地VTuber運営➡メタバース開発・運営」というパターンが増えると ともに、
「メタバース運営・運営➡ご当地VTuber運営」という逆パターンも、これから増えるでしょう。
メタバース開発手段は、大別して3パターン?
- ローカルテレビ局
- 民間企業
- 自治体
- 個人
…など、ご当地VTuber運営者がどんな立場であっても、メタバース開発は可能です。
メタバースを開発するには、とうぜん準備が必要です。
- メタバース開発する技術
- メタバース開発を外注する資金
…の いずれかが必須となるのです。
ここでは、ご当地VTuberがメタバース開発する手段として想定されるパターンを3つに大別してみます。
パターン1:クラウドファンディング
クラウドファンディングで、メタバース開発資金を調達します。
VTuber界において、アバター3D化を目的としたクラファンは定番戦略となっています。
それは、ご当地VTuberにおいても同様です。
地域密着型である ご当地VTuberは、ファン数は少ない傾向にありますが、その分ファンの平均熱量が高いため、
チャンネル登録者数が少なくても、出資してくれやすいです。
今後は、クラファンがメタバース開発資金の調達手段に使われていくでしょう。
注意点
ご当地VTuber活動開始後、ファン数もロクにいない状態で、いきなり資金調達クラファンをやっても、集まる可能性は かなり低いです。
なので、まずはファン数を増やすか、
⬇またはこれから解説する「パターン2」を実行することが必要になります。
パターン2:メタバース制作を学び、開発過程を配信
自分でメタバースを開発する手段です。
VTuber界では、マインクラフトのゲーム配信は定番化しています。
今後はそれと同じように、メタバース開発過程を配信していくのです。
もちろん、開発過程を配信・・・といっても、無言でノロノロ モタモタ と配信するだけだと、視聴者は退屈してしまいます。
なので、
開発するための知識・操作は裏で学んでおき、視聴者の前では楽しいトークを交えてスピーディに開発していく様を見せる・・・のが望ましいです。
現在、メタバース開発プラットフォームプログラミング言語Unityなどの使用方法を身につける必要があります。
また、それが難しい場合は「NeosVR」というプラットフォームを使うのが良いです。
NeosVRは、自分のメタバースを作る機能が充実しており、比較的容易にメタバース開発が可能です。
しかし とうぜん、メタバースはNeosVR内での利用者しか利用できません。
利用者数が多いVRChatを始めとする、他のプラットフォームでは利用できないのが、大きなデメリットと言えます。
パターン3:一部DAO化
DAO(自律分散型組織)とは、中央に管理者が存在しない、非中央集権的な組織形態です。
参加者たちは、ガバナンストークンを保有して、投票したり、売却益を得たりします。
ガバナンストークンの保有者は、その相場価格を上げたいので、アイデアを出したり、情報拡散に協力してくれたりと、協力してくれます。
これを、部分的に取り入れるのです。
もちろん、全体を完全なDAO化すると、自分の思想や方針とズレていても、多数決で決まってしまうので、
部分的にDAO化すると良いです。
たとえば、
メタバース運営のアイデアを募集して、複数の候補アイデアが出たときにのみ投票を募集・・・という、カタチにしたり、
明らかに自分の思い描くものと違っていた場合、拒否できるようにするのです。
⬇「トークン発行型クラファン」を活用すれば、それが可能になります。
DAOはとても革新的ですが、まだ活用法が確立されておらず、探り探りで使われている組織形態ですが、
⬇VTuber界でもDAOを取り入れている事例は存在します。
WEB3.0の地方創生
メタバースという全世界と繋がれる仮想世界を、地方創生に活用するのはとても有効です
このブログでも、多くのメタバース・NFTでの地方創生の事例(と考察)を解説しています。
⬇また、メタバースとVTuberは非常に相性が良いです。
メタバース開発の可能性が高い ご当地VTuber
個人的に、「メタバースを開発する可能性が高い」と思う ご当地VTuberを紹介します。
いずれもローカルテレビ局と関係性が深いです。
茨城県VTuber:茨ひより
(前述したとおり)茨ひよりさんは、茨城県が運営する おそらく世界初の自治体公式VTuberです。
運営元は、いばキラTV (茨城県 営業戦略部 プロモーションチーム)であり、茨城放送も2020年5月から参画しています。
(運営受託先:株式会社オプト)
また、
メタバースで行われた「令和三年度学校法人角川ドワンゴ学園N高等学校・S高等学校 バーチャルライブ入学式」で司会を担当しています。
今後のメタバース開発・運営の可能性は高いでしょう。
静岡県VTuber:木乃華サクヤ
木乃華サクヤさんは、静岡県のご当地VTuberであり、
- 静岡放送
- SBSラジオ
- 静岡新聞社
…が
- ユニバースプロダクション(VTuber事務所)
…と協業で運営しています。
木乃華サクヤさんは、過去にクラファンを行っており、当初の目標をはるかに超える金額を集めることに成功しました。
なので、熱量の高いファンが多いといえます。
(また、この3Dを開発したのは、静岡県のIT企業であるユピテルプラスであり、同社も静岡県ご当地VTuberを運営しています。
今後は、メタバース開発にも乗り出すと思われます。)
そして、静岡県のメタバースを作るためのクラファンをすれば、高確率で成功すると思われます。
(もちろん、ファンに「メタバースを開発したら、どんなメリットがあるのか?」を前もって しっかりとファンに伝えておく必要があります。)
新潟県VTuber:越後屋ときな
越後屋ときなさんは、新潟県ご当地VTuberとして活動しています。
運営元は非公開ですが、過去の案件から、NST新潟総合テレビと関連性が深いことが伺えます。
なので、新潟県のメタバースを作るのも、ありえるでしょう。
すでに、
VR空間でのライブも行っており、メタバース展開も運営戦略の選択肢として思案されていると思われます。
企業と個人の差が小さくなっていく
(前述した手段を使えば)個人運営のご当地VTuberでも、メタバース開発をすることは可能です。
様々なプラットフォームが充実した現在、企業と個人の差はドンドン小さくなっています。
個人でも、
- クラファンで資金調達
- クラウドソーシングへ外注(必要な時のみ)
…という手段を使えば、資金も人材も圧倒的に劣る個人運営のままで、プロジェクトを進めていくことが可能なのです。
近い将来、「メタバース×ご当地VTuber」が、地方創生の定番戦略となっていく可能性が高いのです。
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