錦鯉NFT!消滅寸前の限界集落(村民800人)の地方創生の戦略

NFT

NF亭ショウタです。

消滅の危機にある限界集落が、NFTを駆使した戦略をしています。

さらに、メタバースも視野に入れています。

目的は、限界集落の町おこしです。

 

町おこしの手段としては、以前はご当地ゆるキャラなどが活発でしたが、今は下火です。

そして この限界集落では、最先端テクノロジーによる町おこしプロジェクトが進行中なのです。

 

その全体像と未来予測を解説します。

限界集落、錦鯉のNFTアート発売

錦鯉(ニシキゴイ)のルーツの地と言われる山古志地域(旧山古志村)。

村民は800名しかいないうえに高齢者が多く、消滅の危機にある限界集落です。

 

そして、この集落を象徴する錦鯉のアートをNFTとして、自治体公式で販売しています。

⬇NFTマーケティング会社やアーティストを外部から招いて、運営チームを結成しているのです。

この錦鯉NFTアートは、公式サイトで出品されています。

 

今後、山古志村の知名度が上がれば、値上がりする可能性もあります。

限界集落・山古志村

山古志村は、新潟県 長岡市の南東に位置する地域です。

2004年の中越大震災の影響で、村民が2,200人から800人に減少しました。

豪雪地帯であり、美しい雪景色が魅力的です。


錦鯉 発祥の地であり、美しい雪景色もある山古志村。

 

山古志村の知名度が上がれば、
ストレスフルなブラック企業で精神が疲れてしまったサラリーマンが、癒やされたくて移住する・・・
なんてパターンも増えそうですね。

英語圏がメイン ターゲット

公式サイトTwitterDiscordの説明文などは、英語で書かれています。

また、公式ブログ記事では、英語でニシキゴイNFT制作秘話も語られています。

日本のNFT市場はとても小さいので、海外層をターゲットにした方が、明らかに有利なのです。

(⬇日本と海外の市場規模の差は、こちらでくわしく解説。)

【NFT市場規模】日本と海外の比較&超深刻な4つの課題とは?
NFT市場は爆発的に拡大しており、日本と海外では市場規模に圧倒的な差があります。この記事で「NFT市場が爆発的に増大する理由」「なぜ、日本と海外のNFT市場規模は圧倒的な差があるのか?」「NFT市場の問題点と、今後の課題」 を解説。

地方文化をNFTアート化するメリット

限界集落である山古志村の文化をNFTアートとして販売したこの事例。

メディアにもたびたび取り上げられていて注目度も高く、地方創生の新しい戦略といえます。

 

この戦略のメリットを解説します。

比較的、少ない資金で可能

NFTを作るには、多額の資金が必須ではありません。

地方文化を画像や動画などに収めて、それをNFT化して販売すればよいのです。

また、イラストレーターに依頼して報酬を支払うにしても、巨額というほどの資金は必要ありません。

 

財政に余裕がない限界集落などでも、地元の文化をNFT化すればよいので、取り組みやすいプロジェクトといえます。

(もちろん、NFT制作やマーケティング戦略を外部に依頼する場合は、相応の報酬が必要になりますが、それは従来の町おこしでも同じです。
町おこしのための「公営住宅の運営・ゆるキャラぬいぐるみ・インフラ整備」などは維持費がかかりますが、NFTは維持費がかかりません。)

コミュニティ感を出しやすい

山古志村は、NFT購入者を「デジタル村民」と呼びます。

つまり、山古志村のNFTを所有することは、「コミュニティへの参加」を意味するのです。

NFT購入者たちと村民で、1つのコミュニティを形成するような感覚ですね。

山古志村のリアル住民たちが作ったアプリでは、デジタル村民による日本語や外国語での山古志村への想いが投稿されているらしいです。

 

コミュニティに所属している感覚があれば、その人は今後も山古志村への興味が持続しやすいです。

なので今後、山古志村が新しいプロジェクトを実行するときも、興味を持ってくれやすいのです。

もしかしたら、プロジェクトに率先して協力してくれる可能性もあります。

 

村民が少ないからこそ、逆にコミュニティ感を出しやすい…ともいえます。

デジタル村民という言葉は、とても上手い言葉ですよね。

⬇実際に、デジタル村民が自主的に協力してくれる実例もあります。

 

「自分は山古志村のデジタル村民であり、仲間だ!」

…という感覚があるからこそ、一緒に町おこしに協力してくれているのです。

地元の文化を全世界に知ってもらえるチャンス

NFTアートは、これから爆発的に普及していくでしょう。

メタバースが発展するとともに、メタバース内で飾るNFTアートの需要も増大していきます。

なので、地元文化のNFTを販売すれば、メディアに情報拡散してもらいやすいです。

 

特に、NFTアートが黎明期である今のうちから長期的な活動を見据えれば、いずれは有名なNFTアートシリーズとして認知されるかもしれません。

全世界に向けて地元文化を知ってもらうための”集客導線”になる可能性があるのです。

利益が出る可能性

多くの人に知ってもらえれば、「お金を払ってでも欲しい!」という人は現れます。

そのような人たちが一定数いるなら、オークション形式で出品すれば高い利益を得るチャンスもあります。

その利益を再投資して、町おこしの規模を拡大できるのです。

錦鯉NFTで可能な戦略

メタバースで展示

メタバースでは、NFTアート美術館が作られ始めています。

画像引用:kanerinさんTwitter

そこでは、世界各国のNFTアートが展示され、多くのNFTアート愛好家たちが鑑賞に来ます。

そこで美しい錦鯉NFTアートを飾れば、強く惹かれる愛好家は必ず現れるでしょう。

 

これからドンドン作られていくであろうNFTアート美術館に、展示してもらうのは、認知拡大に有効な戦術です。

ふるさと納税返礼品に?

ふるさと納税とは、好きな自治体に寄付できる制度です。

寄付したお礼として、特産品などの返礼品をもらうことができます。

画像引用:ふるさと本舗

つまり、山古志村のふるさと納税をしてくれた人に、錦鯉NFTを返礼品としてプレゼントすることも可能です。

 

すでに北海道 札幌市では、ふるさと納税返礼品をNFTにすることが計画されています。

また、ご当地VTuberグッズが返礼品になる事例もあります。
(※ご当地VTuber=地方の情報を発信するVTuber)

つまり、ふるさと納税の返礼品は、伝統工芸品や食品だけでなく多種多様のものがあるのです。

 

今後は、ふるさと納税返礼品NFTの事例が多く出てきそうですね。

ご当地VTuberのNFTが返礼品になる・・・なんて事例も出てくるでしょう。

デジタル住民票

NFTが正式な住民票となる日がきます。

エストニアでは、2014年に「電子国民プログラム」が開始されました。

画像引用:GIGAZINE

これは、エストニア国民以外でも、登録すればエストニア国のサービスの一部を受けれます。

現在、8万人が登録しており、日本にも数千人の登録者がいます。

 

同じことを、山古志村が計画している可能性があります。

このNFTは、デジタルアート作品(コンピュータアルゴリズムによって生成されたジェネラティブアート)であり、山古志地域の電子住民票を兼ねています。現段階では、既存の住民票やマイナンバーとの接続はありませんが、山古志に共感してくださる仲間としての証です。

引用元:山古志住民会議

「現在段階では、ありません」ということはいずれは実現の可能性があります。

ドンドン革新的な取り組みを行っている山古志村ですので、いずれエストニアのように電子住民票を導入する可能性はかなり高いと言えます。

山古志村の今後の動向

⬇公式ブログ記事の文章です。

・「Colored Carp(錦鯉NFT)を接点に、より世界に開かれた仮想国家「山古志」づくりを目指します。」

・「10,000人のデジタル住民の知恵、ネットワーク、資源が集まり、現実の社会に関係なく、独自の財源、独自のガバナンスを構築し、持続可能な「山古志」が誕生します。自然資源や錦鯉、牛の角突きをはじめとする独自の文化を保持し続けるリアルと、物理的な制約をこえて無限に広がる仮想空間の組み合わせで、山古志住民とデジタル住民による共有財産を育んでいく挑戦がスタートしました。」

引用元:山古志住民会議

この文章を、解説していきます。

メタバース仮想国家を創造

おなじ内容の英文ブログ記事では、日本語記事の「仮想空間」に対して「metaverse(メタバース)」という固有名詞が使われています。

山古志村の記事で書かれた”仮想空間”が、メタバースを意味する・・・ということに間違いないでしょう。

 

NFTとメタバースは相性が良いですし、外部から技術者を招いての事業拡大はとうぜん視野に入っているでしょう。

すでにNFTの専門家を招いての錦鯉アートがNFT化されたので、今後はメタバース構築の専門家がチームに加わることも十分考えられます。

(もちろんメタバース構築は、クオリティの高いものを制作するなら、NFTよりも多額の資金が必要になるデメリットもあります。)

メタバース移住者を募集

メタバースが構築されれば、とうぜんそこに世界中から興味がある人が集まります。

そして、前述したNFT(電子住民票)を所有する利点、つまりデジタル村民になる利点がここで用意されるでしょう。

たとえば、

  • デジタル村民は、プライベートな空間(つまり自宅)を持てる
  • デジタル村民のみが入れるエリア
  • デジタル村民のみが参加できるイベント(見学は誰でもOK)
  • 有料サービスが、デジタル村民は無料or割引になる

などのメリットがあれば、NFTの価値は上がり、山古志村のブランド力も上がっていくでしょう。

DAO化

公式の記事では、DAO化を示唆しています。

NFTホルダーであるデジタル住民専用のコミュニティチャット内(Discordを使用)で展開し、メンバーからの意見の集約、投票など、可能な限り民主的な手法を取り入れた地域づくりを目指します。

引用元:山古志住民会議

たとえば、「◯◯という店舗をメタバース内に設置したい」という意見が出たとしましょう。

 

それに対し、賛成意見と反対意見が出てきます。

賛成「利便性の向上のため、◯◯という店舗を作るべき!」
反対「しかし、村の景観が損なわれて魅力が落ちてしまうデメリットが大きい」

…といった具合に意見が分かれた場合は、投票によって決まる・・・ということです。

 

このような形態の組織は、「DAO(ダオ)」と呼ばれます。

日本語訳は「自律分散型組織」です。

 

従来の組織では中央に意思決定者がいました。

しかしDAOでは、中央に意思決定者が不在で、投票数によって決定します。

つまり、非中央集権的であり、ブロックチェーンの思想を反映しているのです。

 

※また、投票権は”ガバナンストークン”と呼ばれます。

⬇ガバナンストークンの具体例は、こちらで解説。

マナブさん”NFT的ガバナンストークン”発行!メタバース交流も
有名インフルエンサー・マナブさんが、オリジナルのトークンを発行します。マナブさんは、今回のトークンは「NFT的な側面」もあると語っています。この記事で、マナブさんのトークンについて、どこよりも くわしく解説していきます。

 限界集落×最先端テクノロジー

後が無いから、新技術に貪欲

限界集落である山古志村は、現状のままでは後がないのが明白だからこそ、積極的に新しい技術を取り入れています。

 

これは、日本における”リープフロッグ”といえます。

リープフロッグ(直訳:🐸カエル飛び🐸)とは、
「インフラが整っていない国や地域などが、新技術をドンドン取り入れて飛躍的に進化する」
という意味です。

 

たとえば、アフリカでは銀行・病院・道路といったインフラが発展していません。

なのでアフリカは、新技術を貪欲に取り入れています。

  • 銀行口座が無い➡仮想通貨で送金
  • 道路が整備されてない➡ドローンで荷物を輸送
  • 病院がない➡遠隔診療

…と言った具合に、不便を解消するために新技術をドンドン吸収しているのです。

インフラが整っているあまり、新技術への理解が遅れている(理解しようともしない)傾向が強い日本とは、対照的です。

 

しかし、日本の中でも消滅の危機に直面している山古志村は、この記事で解説してきたように、最新技術をドンドン取り入れています。

つまり、山古志村は、日本における”リープフロッグのモデルケース”となる可能性があるのです。

【NFT×メタバース×VTuber】による地方創生?

メタバース展開をするにあたり、オリジナルトークン(仮想通貨)やVTuber運営をしていく可能性もあります。

なぜなら、メタバースと相性の良いのはNFTだけでなく、 VTuber・仮想通貨も相性がとても良いからです。

⬇詳細はこちら。

メタバースは「VTuber・仮想通貨・NFT」で形成されていく
Facebook社が社名を「meta」に変更するなど、大企業がメタバース事業をはじめる事例が相次いでいます。事業をはじめる理由は、経済圏での活動で利益を得るためです。メタバースによって生まれる経済圏を構成する「人・お金・所有権」を解説。

つまり、

  • 山古志村メタバースで使えるオリジナルトークンを発行
  • 山古志村の魅力(メタバース&リアルの村)を伝えるご当地VTuber運営

なども、可能性があるのです。

 

すでに、VTuberによる山古志村を紹介する動画も、1本投稿されています。

山古志村のメタバースが作られるなら、案内人的なキャラがいた方が良いです。

その案内人キャラが、VTuber運営も兼任すれば、VTuber界からも集客のチャンスが生まれます。

つまり、「NFT➡メタバース➡VTuber」と、事業を展開していき、これからも町おこしの規模が拡大していくかもしれないのです。

 

山古志村による新時代の地方創生。

どんな戦略が実行されるのか、とても楽しみですね。

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