NF亭ショウタです。
NFT市場は、日本・海外ともに2021年から爆発的に拡大しています。
同時に、日本と海外では市場規模に圧倒的な差があります。
とうぜん、NFTを学ぶ上で市場規模を把握しておくことは不可欠です。
ですが、
「NFTの市場規模は、日本と海外では圧倒的な差がある!」
…と書いている記事は見かけるのですが、その理由をしっかりと説明している記事はありません。
しかし、この記事では理由も解説しているので
・NFT市場規模が、爆発的に拡大する理由
・日本と海外のNFT市場規模が、圧倒的な差がある理由
…を、理解することができます。
同時に、NFT市場の問題点も解説するので、多角的にNFT市場を見れるようになります。
NFT全体の市場規模の推移
NFTの取引総額が爆発的に増えた時期
NFT業界の市場規模は、2021年初頭から爆発的に伸びています。
上のグラフは世界のNFT市場全体の取引総額を表したグラフです。
・2020/Q4=2020年9〜12月
・2021/Q1=2021年1〜3月
・・・を見比べてみると、短期間に取引総額が爆発的に上昇しているのがわかります。
NFTの取引総額が激増した理由は?
取引総額が爆発的に増えた理由は、「イーサリアムの高騰➡NFTも投資対象になった」です。
世界に存在するNFT販売マーケットプレイスは、その大多数がイーサリアム(ETH)という仮想通貨を利用しています。
そして2020年9月以降、イーサリアムの仮想通貨としての価値が高まり始め、2021年に爆発的に価格が暴騰しました。
出典:investNavi
(※イーサリアム価格が暴騰した要因:
コロナショックによる金融緩和
➡投資家が、仮想通貨への投資額を増やした
➡時価総額2位のイーサリアムを利用するNFT市場も投資対象に)
それに連動するカタチで、NFT市場も取引総額が暴騰したのです。
さらに、数億・数十億円という超高額でNFTが落札される事例も相次ぎ、さらに注目度が高まる好循環が生まれたのです。
⬇ NFTの超高額・落札事例は、下の記事の「NFT取引の有名な例」の項でコンパクトにまとめてあります。
(スクロールせずに、自動的に その項が表示される設定です。)

その後、NFTの取引総額が90%急落した理由は?
2021年の8月から9月にかけて、世界最大NFT販売プラットフォームOpenSeaにおいて、取引総額が急落しました。
・2021年8月、1日あたり平均の販売額:3億2300万ドル(約355億円)
⬇
・2021年9月、1日あたり平均の販売額:5200万ドル(約57億2000万円)
これは、業界に大きな衝撃を与えました。
ネット上を探しても、この暴落の明確な理由を書いている記事は1つも無いので、理由が気になっている人も多いでしょう。
私見ですが、暴落の理由はシンプルです。
・急激に注目を集めて起こった一時的な暴騰価格が、正常値に戻った
これに尽きます。
暴騰が起こった8月は、世界最大プラットフォームOpenSeaで注目度が高いNFTが立て続けに販売されていました。
その結果、一時的に爆発的な販売総額を記録しただけなのです。
その後、NFTの取引量も落ち着いて正常値に近づいていったのです。
仮想通貨(暗号資産)市場全体でのNFTの現状は?
NFT・仮想通貨の市場は、状況の変化がとても速いです。
毎日、様々なできごとが起こるので、情報の一部を追うだけでも精一杯です。
2021年8〜9月に起こった、極めて重大な出来事だけでも
・世界最大プラットフォームOpenSeaがバグを起こして42個のNFTが消滅
・中国がマイニングとオンラインゲーム(当然ブロックチェーンゲーム含む)規制
…があります。
他にも関連性のありそうな出来事は、無数に起こっています。
僕も、すべての情報を追うなど不可能です。
しかし、ありとあらゆる要因が組み合わさった結果、
「2021年8月、1日あたり平均の販売額:3億2300万ドル(約355億円)」
という、異常なレベルの高騰が起こったのです。
もちろん、永遠につづく高騰など存在しません。
NFTが異常な高騰を見せたあと、「正常値に戻った」のです。
本当に、NFT市場は変化の波が激しすぎます。
・・・新しい市場が定着するまでには、激しい浮き沈みが存在します。
そして、様々な問題が勃発し、それを改善することによって市場全体が安定していくのです。
NFT市場に必ず訪れる「ハイプ・サイクルの幻滅期」
いずれ、NFT市場には今回よりも さらにスケールの大きい暴落が訪れるでしょう。
その根拠は、新しいテクノロジーが成長する法則を表した「ハイプ・サイクル」という理論です。
(※ハイプ=過度の興奮・サイクル=周期)
どんなテクノロジーでも、一時的には世間から幻滅される時期があるのです。
出典:Gartner
いずれはNFT市場が「過度な期待」のピーク期を超えて「幻滅期」に突入する時期が来るのです。
しかし、幻滅期を越えた後は また徐々に市場は広がっていきます。
そして、「啓発期」を経てやがては「安定期」を迎えて世界的文化として定着していくでしょう。
(※僕の私見です。あなたの意見も知りたいので、コメント欄に書いてくれれば うれしいです。)
日本と海外のNFT市場規模を比較
日本の市場規模は、とても小さい
日本におけるNFT市場の規模は、とても小さいです。
その理由として、「日本は仮想通貨への理解が遅れている」ことが挙げられます。
海外に比べ、日本は排他的であり新しいモノを受け入れることが苦手です。
意思決定が遅く、現状維持を好む人種なのです。
なので、新しいテクノロジーや文化を受け入れるスピードが遅いのです。
結果、ITにおいて海外に大きな遅れをとっています。
そして、「仮想通貨 後進国」と言われており、NFTにおいても後進国になっているのです。
しかし同時に、日本人は「多数派に影響されやすい」人種でもあります。
ある程度、NFTという文化が浸透してきたら、その後 急速に浸透する可能性もあるのです。
有名企業&Vtuber界などの新興業界も参入
仮想通貨・NFTという文化の普及が遅れている日本。
しかし2021年から、アニメ・漫画を扱う大企業などが参入し始めています。
特に、NFTはブロックチェーンゲームと相性が良いため、大手のゲームメーカーは続々と参入しています。
意外なところでは、Vtuberという新しい娯楽業界からの参入も相次いでいます。
⬇VTuber NFT「RIOT MUSIC 1st LIVE “Re:Volt” Key Visual NFT」
出典:VtuberNFT
(⬇VTuberのNFTは、こちらで詳しく解説。)

また、NFTマーケットプレイス運営においても、様々な業界の有名企業が開始しています。
・nanakusa:株式会社スマートアプリ
・Coincheck NFT(β版):コインチェック株式会社
・Adam byGMO:GMOアダム株式会社
・NFTstudio:CryptoGames株式会社
・NFTマーケットβ:LINE株式会社
・Rakuten NFT(楽天グループ株式会社)
…など。
NFT販売・NFTマーケットプレイス運営をする日本企業は、これからも増加することは確実と言えるでしょう。
イケダハヤトさん「CryptoNinja」が急成長
有名なインフルエンサーである、イケダハヤトさんのNFTアートシリーズCryptoNinjaが、急速に注目を集めています。
2021年9月に販売開始したCryptoNinjaですが、すでに数百万円での取引事例も多いです。
EXILEの関口メンディーさんが所有したことでも有名です。
イケダハヤトさんは、非常に高いマーケティングスキルがあるので、これからも日本NFT市場を盛り上げていくことが予想されます。
⬇イケダハヤトさんの「CryptoNinja」は、この記事で くわしく知ることができます。

海外のNFT市場規模
NFTの市場規模は、海外の方が圧倒的に大きいです。
「海外は日本と比較すると、10000倍以上の市場規模」と分析するNFT専門家もいます。
また、海外では数億という高額での取引も少なくないですし、取引の件数もケタ違いです。
また、NFTマーケットプレイスの数や、NFT業界への参入も日本より圧倒的に多いです。
海外では「NFT市場は、地位を確立している」と言えるでしょう。
NFT市場の課題
NFTは急激に発展している市場なので、解決されていない課題も多いです。
それらの中でも、重要なものを解説します。
バグの危険性:OpenSeaで42個のNFTが消滅
バグでNFTが消滅する危険性があります。
実際に起こった事例があります。
NFTプラットフォーム世界最大手であるOpenSeaで、システムのバグが起こり42個のNFTが消失しました。
(つまり、42個のNFTの「所有権の証明が不可能」な状態になった、ということです。)
このバグによる被害総額は1,100万円を超えるとのことです。
このバグは、高額なNFTを取引している人からしたら、無視できないリスクです。
また、プラットフォーム自体の信用性にも関わります。
このようなバグは、いずれは解消されていくでしょうが、現状は誰にも起こり得る事故といえます。
法律によって「所有権の保護」が無い
日本の法律において、所有権が認められるのは「有体物=物理的に存在するモノ」です。
(※著作権は、有体物でなくても法律で保護される)
従って、NFTを購入しても法的には所有権は認められず、保護されないのです。
ブロックチェーンによって所有権が認められていても、法律では認められません。
なので、悪意ある者から所有権を侵害されても、法的措置をとることは現状不可能なのです。
有名な出品者のニセモノが多発
国内NFT市場で有名な、おにぎりまん さんの偽アカウントによる出品が複数件も起きています。
すでに被害にあった人も数名います。
【注意喚起】
まーーーーーーた🍙まんの盗用アカウントが見つかったそうです‼️こういうことがあるので、気になったNFTの発行元は絶対にチェックしてくださいね‼️高額で偽物をつかまされるなんてたまったもんじゃないと思いますので以後ご注意を‼️ https://t.co/xeiyZhMnHW
— おにぎりまん⛩🍙⛩ (@onigiriman1998) October 8, 2021
現状は、プラットフォームでの規制がまったく追いついていません
ダマされないためには、販売プラットフォーム上で出品者名を検索するのではなく、
・本人のSNSやブログなどのリンクから販売プラットフォームへ行く
というのが、現状できる防衛策です。
イーサリアムのガス代(取引手数料)高すぎ問題
NFTマーケットプレイスで最も使用されているのは、イーサリアムです。
そして、イーサリアムでNFT取引をするときには、ガス代と呼ばれる手数料が発生します。
これは、取引履歴を記録(マイニング作業)してくれる”マイナー”の報酬にもなるので、支払う必要があるのです。
しかし、このガス代が爆発的に高騰しています。
出典:TheBlock
これは、NFT取引をしたい人にとって大きな痛手となります。
例えば、100円の安いNFTを購入するために、数千円もの高い手数料を支払うことになるのです。
しかし、世界最大プラットフォームであるOpenSeaは、「ガス代を安くするための施策を考えている」と発言しています。
現状はまだまだ高いガス代ですが、いずれは解消されて気軽に誰でも売買取引できるようになるでしょう。
NFT市場は、”急激に発展する国”
急激な発展を遂げる国では、色々な問題も起こるものです。
中国や東南アジアはどんどん発展してインフラなども整備されていますが、環境汚染などの問題も発生します。
急激な成長には、”成長痛”がつきものです。
しかし、市場が成熟すれば次第に問題も解消されていきます。
そうすれば、誰もが安心してNFT市場という文化を受け入れ、楽しめる日が来るでしょう。
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