NF亭ショウタです。
マンガは、日本を代表する娯楽コンテンツです。
また、マンガから派生してアニメやゲームといったメディアミックス展開も、新たな経済圏を生み出します。
日本にとって、マンガはなくてはならない文化遺産といえます。
NFTマンガは、そんな日本の文化遺産とNFTが融合して誕生しました。
そして現在、世界中に愛好家がいる日本のマンガコンテンツが、NFTとして販売される流れが起こっています。
この記事を読めば、NFTマンガの
・概要と特徴
・現在の状況
・未来像
を知ることができます。
NFTマンガとは?
マンガの原画などをNFT化したモノです。
NFTマンガの所有権は改ざん不可能な状態で管理されるので、原画のデジタルデータにコレクターズアイテムとしての価値が生まれます。
現在、複数の大手出版社がNFT市場に参入して、NFTマンガを発売しています。
NFTマンガの特徴
本物の証明
マンガの原画は、コレクターズアイテムとして取引されています。
人気が高いマンガほど、高値がつきやすいです。
しかし、同時にニセモノ(海賊版)が偽造されて、被害にあうケースも生まれます。
その問題点を完全に解消できるのが、NFTマンガです。
ブロックチェーン技術により”本物の証明”がされるので、ニセモノはすぐにバレるのです。
また、二次流通市場で取引(つまり転売)されると、著作権者にあらかじめ設定したロイヤリティが入るので、創作活動の資金にできるメリットもあります。
(⬇ブロックチェーン技術については、こちらで詳しく解説。)
経年劣化が無い
マンガ原画は、カラー塗料も多く使われるため、時間が経過することで品質が劣化していきます。
これは、物理的に存在する原画が「紙+インク」という物質の組み合わせで できているので、避けられない宿命だったのです。
しかし、原画をデジタルデータにすれば、経年劣化はなくなります。
そして、デジタルデータをNFTとして所有権を販売すれば、出版社の利益にもなるのです。
NFT漫画の事例
ONE PIECE
集英社は、国民的マンガ ONE PIECEをNFT化しています。
ONE PIECEの単行本100巻の出版を記念して、今回のNFT化が実施されました。
価格は、198,000〜495,000円で抽選販売されてすべて完売しました。
また、「ベルサイユのばら」「バイオーグ・トリニティ」「イノサン」のマンガ原画も出品されてこちらも完売しています。
集英社は「SHUEISHA MANGA-ART HERITAGE」というプロジェクトにおいて、原画をNFTとして販売しました。
今後もこのプロジェクトで、他作品の原画もNFT化されて発売されるでしょう。
手塚治虫の作品群
「日本マンガ界の神」といわれる偉大なマンガ家・手塚治虫 先生。
世界的にも有名な手塚治虫の多数の名作が、NFT化されます。
手塚治虫が長年にわたり描いたマンガ原画のデータを40000点以上に分断して、配置することで1つの大きなキャラクターのイラストを作り出します。
この手法は、「デジタルモザイクアート」と呼ばれます。
こうして作り出されたイラストをNFT化して販売するという試みです。
⬇この動画を見ると、とても わかりやすいです。
作品数が膨大なので、手塚治虫のNFTマンガがどのような戦略で販売されるのか、個人的に とても楽しみです。
北斗の拳
電子書籍大手のメディアドゥ運営のNFTマーケットプレイス「FanTop」の第1弾コンテンツとして、北斗の拳のNFTが発売されました。
主人公であるケンシロウや、その仲間・ライバルである南斗六聖拳の名場面のコマを用いた動画がNFT化されて販売されたのです。
連載終了から長い年月が経っているにも関わらず、根強い人気を誇る北斗の拳のNFTは、数時間で売り切れました。
連載終了から長い年月が経過していようとも、往年のファンは健在のようです。
ブラックジャックによろしく
根強い人気を誇る青年漫画「ブラックジャックによろしく」が、NFTカード化されました。
”職業を擬人化してNFTカードゲーム”というコンセプトで生まれた「JobTribes」というNFTゲーム。
そのゲーム内で使えるNFTカードとして、「ブラックジャックによろしく」のキャラクターたちがNFT化したのです。
NFTカードは、全6種類×各30枚限定(合計180枚)で販売されました。
「JobTribes」運営会社であるC&R社は、今後もゲーム、VRアートなどでNFT業界に携わっていくとのことです。
NFTマンガが売買されるプラットフォーム
NFTマンガの売買ができる代表的なプラットフォームを紹介します。
OpenSea
OpenSeaは世界最大のNFTプラットフォームです。
もちろん、NFTマンガも販売されています。
日本語対応もしているため、利用しやすいプラットフォームといえます。
VeVe
こちらは、アメコミのアニメやフィギュアなどのNFTを中心に扱うプラットフォームです。
アメコミ作品の関連NFTを買いたいときに利用すると良いでしょう。
楽座(RAKUZA MARKET PLACE)
アニメのセル画を中心に扱うNFTプラットフォームです。
NFTをバーン(焼却)することで現物を郵送してもらうことも可能です。
NFTマンガのクラウドファンディング
ブロックチェーン技術を利用した、「コミカブ」というクラウドファンディングのプラットフォームが運営されています。
「コミカブカード」というNFTを購入することで支援ができ、新しいコンテンツの”企画・制作・流通”に携わることができます。
その第一弾として発売されたコミカブカード「BORDER -境界線-」は、5000枚を完売しました。
「BORDER -境界線-」は、高い人気を誇るBLマンガです。
さらなる創作活動の資金調達のために、コミカブカードというNFTが発行・販売されたのです。
コミカブカードを購入した後に、「BORDER -境界線-」という作品がより人気が出て有名になれば、そのコミカブカードの価値があがります。
つまり、「購入した金額<売却する金額」になるので、利益を得ることが可能になるのです。
今後も、マンガなどの創作物の制作資金を集めるために、NFTを発行・販売するプラットフォーム事例は増えていくでしょう。
NFTとオタク文化の融合が加速
日本はマンガ大国であると同時に、マンガの原画が膨大な数 倉庫に溜まっていく問題点がありました。
さらにその原画の偽物が出回るので、購入希望者も「この原画は本物なのか?」という心配がありました。
しかし、それを公式にNFTとして販売するなら、ファンも安心して本物を購入できます。
出版社の新たな収益源になるとともに、購入するファンにも喜んでもらえるので一石二鳥なのです。
(さらに、希望者には(NFTを焼却すれば)現物を郵送してもらえるNFTもあります。)
この記事で紹介した企業以外にも、これから続々とマンガ関連企業のNFT市場への参入が増えるのは確実です。
日本は、マンガをはじめとする娯楽コンテンツ大国なので、今後も多くのNFTマンガが生まれるでしょう。
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