NF亭ショウタです。
ドラえもんには、多くの映画作品がありますよね?
しかし、その中でも「創世日記」は他の映画作品とは明確に異なる点があります。
それが、ドラえもんたちが「神の視点」であることです。
他の作品のように、ドラえもんたちがストーリーの中心で活躍するのではありません。
他のキャラたちがストーリー展開の中心で活躍しているのを、ドラえもんたちは遠くから見ているのです。
しかし・・・
いや、だからこそメタバース化・ゲーム化すれば、とても独自性が高いモノになるのです。
結論から いえば、あなたが神となってメタバースを創れるのです。
この記事では、創世日記のように「メタバースを創れるゲーム」を制作・運営する戦略を考察していきます。
創世日記とは?
「創世セット」による世界創造ストーリー
「創世日記」は、1995年に公開されたドラえもんの映画作品です。
同時期に発表された原作マンガも存在します。
22世紀の秘密道具である「創生セット」で、新しい地球を創って発展を見守るストーリー構成です。
(創世セットは、”太陽系 全体”を創ることができますが、作中では”新地球の日本(に似た国)”にストーリーの焦点があてられています。)
「神の視点」で、生物や文明の進化を たどる
創世セットを使って新地球を創ったのび太を始めとする おなじみのメンバーが、神の視点で、生物・文明の進化を俯瞰的に見守るストーリーです。
たまに少し手助けしたりしますが・・・、
他の映画のように、前線で敵キャラと戦ったりは一切しません。
原作者である藤子・F・不二雄先生は、この作品を創るにあたって多くの資料を集めて設定を練ったとのことです。
そのため、人類史の文明発展・時代の流行なども、リアルに反映されています。
そのため、メイン読者層である子供からは、「難しくて、よくわからない」と思われた作品かもしれません。
(僕自身も、当時は そんな印象を抱きました。)
SF短編集にも同名の読み切り作品がある
ドラえもん原作者である藤子・F・不二雄先生が、1979年に発表した同名の読み切り作品が存在します。
主人公は、「天地創造システム」と呼ばれる円盤を渡され、自分だけの宇宙を創り、育成していく・・・というストーリーです。
限られたページ数であり、登場人物も少ないため、宇宙を創る手順なども簡略化されており、かなりシンプルなストーリーです。
この作品をより発展・複雑化させたのが、映画ドラえもん「創世日記」だといえるでしょう。
世界創造ゲームの前例
世界を創るゲームは、すでに存在します。
代表的な例を紹介します。
文明を発展「The Universim」
プレイヤーが神となって、惑星に生まれた人類の発展を導くゲームです。
石器時代からスタートして、火を始めとする様々な発見をして、人類が発展していきます。
人類の発展は、いずれは宇宙への進出・他惑星への移住もされます。
(また、他の惑星には宇宙人もいます。)
創世日記のイメージに、かなり近いゲームと言えるでしょう。
VRゲーム「Townsmen VR」
神視点で人間を文明発展させるVRゲームです。
VRゲームなので、ヘッドセットを装着して直感的に楽しむことができるのが、大きな特徴です。
家畜を飼ったり、農作物を作ったりと、食べ物を自給自足しながら文明が発展していきます。
プレイヤーは、VRゲームである特性を活かして、
- 住民を手づかみで移動させる
- 自分の手で建物を作る
…など、かなり直接的、物理的な介入が可能です。
また、他国や盗賊などに襲撃されることもあるので、武器を調達したり兵を雇うなどの自衛策も必要になります。
リーダー視点で村を創造「Dawn of Man」
これは、神視点ではなく、「リーダー視点」で原始時代の集落の発展を先導していくゲームです。
人間視点なので、高い臨場感を楽しめます。
衣・食・住を確保して生き抜くために、さまざまな戦術を駆使します。
また、自然災害の脅威や、野生動物の襲撃などもあります。
神視点で村を創造「Godus」
こちらは、神視点で村を発展させていくゲームです。
特徴的なのは、「土地の地形」を変化させれることです。
また、
神様であることを利用して、人間たちから「信仰心」を集めるほど多くの行動が可能になるという、面白いシステムです。
現時点では「メタバースを創れるゲーム」は無い
この記事を書いている時点では、「自分が創った世界を、メタバースとして利用できるゲーム」は、僕の調べた限り ありません。
(もしかしたら海外にあるかもしれませんし、まだ発表されていないだけで制作中かもしれません。
また、メタバースを作れるシステムはありますが、スケールも自由度も まだ極小レベルです。)
なので現状では、自分のメタバースを作りたかったら、
- プログラミング言語を習得して、制作
- プログラマに高い金を払って、制作依頼
…するくらいしか方法がないでしょう。
「 ”自由” に ”楽しく” 自分のメタバースを創りたい!」
…という需要に応えるゲームは、まだ無さそうです。
しかしこれからは、プレイヤーが神となり、メタバース世界を創造するゲームも開発されていくでしょう。
創世日記をメタバースゲーム化したら、可能なゲームシステム
「自分だけのメタバース(新世界)を創って、ゆっくり過ごしたり冒険したりできる。」
…というゲームを作れば、かなり面白いでしょう。
大枠としては、
- 「神視点」で新世界を創る=VRゲーム(※神が複数人の場合、メタバースゲーム)
- 「人間視点」で新世界で過ごす・冒険する=通常のメタバースゲーム
…のようなイメージです。
その上で、具体的にどのようなゲームシステムにすべきなのか、考察していきます。
オリジナル性を出す➡「秘密道具を使う」「生物の進化に不確定要素をもたせる」
作中では、ドラえもんの秘密道具を使い、急激に進化スピードを速めました。
⬇一体の生物への、小さな影響が・・・
⬇長い時間を経て、超大規模な変化へと拡大。
このように、「神」が手を加えることで、オリジナル性の高い自分だけの新世界を創ることが可能になります。
手を加えるための秘密道具はNFTとして販売して、所有者だけが使えるようにすればよいでしょう。
手を加えないと他のプレイヤー(他世界の神)と同じようなノーマルな新世界になってしまいますが、NFTを所有することによりオリジナル性が高い新世界を創れるようになるのです。
また、秘密道具NFTは、使用後に他のプレイヤーに転売も可能です。
必要になったら再購入すれば、また使用できます。
また、
秘密道具NFTを使わなくても突然変異が起こるという不確定要素を持たせれば、NFTを知らないプレイヤーも楽しみやすいでしょう。
「ゲームを楽しむために、NFTを理解しなきゃいけないの?メンドクセー!」
…という層の取りこぼしも防ぎやすくなります。
人間だけでなく「動物」「鳥」「虫」「魚」などの視点でも活動できる
新世界においてメタバースで活動する際、「人間視点」に限定するより、多種多様な生物の視点で動き回れるほうが臨場感がでます。
- 動物視点=高速可能・木の上を移動可能
- 鳥視点=飛行して、高い視点で景色を視れる
- 虫視点=すべてが巨大に見えて迫力を感じる
- 魚視点=海の深部まで移動可能
…のように、
同じ世界でも「どんな生物視点なのか?」で、視える世界が全く異なってくるのです。
視点が多種多様であるほど、飽きられにくくなります。
また、虫などは苦手な人もいるので、
造形をマンガ的にデフォルメするか、リスなどの小動物に置き換えてもよいでしょう。
生物NFTを交配させて、新しい生物NFTを生む
キャラクターをNFT化したゲームCryptoKittiesのように、生物を交配させて新生物を生む・・・というシステムも面白いです。
もし、レアな突然変異種が生まれたりしたら、NFTとして売買できるようにすれば、利益を得ることができます。
CryptoKittiesは、猫を育成・繁殖させる…というシンプルな内容のゲームですが、”突然変異種”というレアな猫が生まれる不確定要素があるため、一発逆転のような面白さがあるのです。
また、生物の繁殖目的の人に貸して「NFTのレンタル料」を得ることもできるシステムなので、そのシステムもマネするとよいでしょう。
(もちろん、一時的なレンタルなので期間が過ぎたら返却されます。)
世界観を壊さない広告
創世日記のゲームシステムを管理する運営サイドの収益化ポイントは、前述したNFT販売に加えて「企業に広告枠を売る」というのも有効です。
しかし、原始時代などに現代風の広告を置いたら、世界観が破壊されてしまいます。
⬇こんなん設置したら、その時代の情緒ブチ壊し・・・。(´・ω・`)
なので、世界観に溶け込むような広告が求められます。
たとえば
⬇「遺跡に描かれた壁画」のような広告ならば、原始時代でも世界観を壊さず自然と広告を出せます。
⬇大正時代ならこんな感じ
⬇逆に、オーパーツ的に時代とのミスマッチを演出する広告も、面白いかもしれません。
「地底世界」などの特殊なエリアに入れるNFT発行
作中では、南極の大穴を通じて巨大な地底世界がありました。
このように、通常は立ち入れないような限定エリアに入れる”NFT通行証”などを販売すれば、運営サイドの収益化ポイントになります。
「戦争」「伝染病」などの要素は排除すべき
作中では、宗教戦争や疫病などの要素も取り入れられています。
これらは、人類史において重要なテーマではありますが・・・。
自分の創る世界をメタバースとして楽しむのが最重要な創世日記ゲームにおいて、難解なテーマを扱うのは、敬遠するプレイヤーもいるでしょう。
宗教などは扱いが難しく、大きな問題に発展するリスクもあるので、排除したほうが良さそうです。
季節感を再現
同じ場所であっても、四季の移り変わりは見ていて美しく、楽しいものです。
メタバース上でも、季節ごとに違った景色を見れるようになれば、いつでも新鮮な気持ちで楽しめるでしょう。
また、
年中行事に適した広告を表示する(例:お月見シーズンには月見団子の広告)…などの収益化ポイント設置も可能になります。
NFTアート販売
新世界に飾れるNFTを販売すれば、オリジナル性を演出できます。
たとえば、
- ドラえもんを始めとするキャラの、石像や銅像
- 神殿などに描かれる壁画
- マンガ作中に登場したオブジェ
…など、その世界感にマッチしたモノをメタバースに飾れるようにするとよいでしょう。
…また、
ゲームには無関係のNFTアートなどを販売しても、ドラえもん自体が極めて人気が高いので、高額でもガンガン売れるでしょう。
一部をDAO化
DAOとは、「自由にアイデアを出して、投票で決める」システムです。
投票権(ガバナンストークン)の保有者により、
- アイデアを自由に提案
- アイデアの可否を投票で決定する
…という手順で、運営戦略などが決まるのです。
ゲームシステムのアイデアをDAOで決定するなど、部分的なDAO化により、
多種多様なアイデアが集まり、利用者の満足度向上につながるのです。
⬇DAOについては、コチラでくわしく解説。
生物進化学・人類史の教材として採用される可能性
原作者である藤子・F・不二雄は、多くの資料を使って創世日記のストーリーを完成させたそうです。
つまり、史実を忠実に再現しているのです。
なので、
ゲーム化する際も、生物進化学や人類史の権威者の監修を受ければ、それらを学ぶための教材として教育機関で推奨されるチャンスがあるのです。
生物進化学・人類史を学ぶキッカケ➡ドラえもん
ドラえもんは、世界中で愛されているマンガ・アニメ・映画作品であり、キャラクターです。
創世日記をゲーム化すれば、ドラえもんをキッカケとして、生物進化学・人類史を学んでもらうことができるのです。
マンガやアニメなどのキャラクターを学校の教科書に利用する前例は数多く存在するので、
メタバースを教育に取り入れられていく際、国民的キャラクターであるドラえもんを用いれば さらにモチベーションも上がるでしょう。
もちろん、日本国内だけでなく海外でも非常に高い人気があるので、海外の教育機関にも採用される可能性もあります。
創った新世界の生物にAI(人工知能)搭載
創世セットで創ったメタバース上で活動する生物に、人工知能を搭載して自律行動を可能にすれば、とても面白いです。
つまり、動物や昆虫や恐竜が人間が、自分で考えて複雑な行動をするのです。
現実世界の生物のような行動をする生物と触れ合えば、圧倒的に臨場感が増すでしょう。
また、人工知能を開発している企業に「実験の場」として提供すれば、WIN-WINの関係を構築することも可能になります。
「実践体験型」の学習教材
日本の学校教育は、その方法が問題視されています。
あらゆる情報がネット検索できる時代なのに、いまだに
「指定された範囲の知識を暗記して、試験で暗記の成果を評価する」
…という不合理な教育システムなのは、出来の悪いブラックジョークにしか思えません。
(まあ そもそも日本の学校教育は、盲目的に上に従う人間を量産する”工場”なのですが、本題から逸れるので割愛。)
そして、
生物の進化や人類史を学ぶにあたって、臨場感あふれる体験をすれば、生徒の記憶に鮮明に定着しますし、
自分が世界を創る体験をすることにより創造性も格段に増すでしょう。
明らかに、現在の「知識詰め込み型教育」より圧倒的に合理的です。
「未来」こそ、カスタマイズ性が高く個性が出る
すでに歴史となって多くの情報が存在する「過去」は、どうしても固定観念が入ってきてしまい、独創性が失われてしまいます。
しかし、
不確定な「未来」は多種多様なイメージをふくらませることができます。
⬇洗練された企業広告も入れやすい
ネット上でも、「幻想都市」「近未来都市 イラスト」「未来都市 ノスタルジック」などでググってみると、
いろんな人の想像力をフル稼働させて描かれた、多種多様な未来の風景を見ることができます。
すでに確定済みの「答え」が存在する過去ではなく、不確定で答えが存在しない未来だからこそ、人々の想像力が活かされるのです。
- 創世日記ゲーム運営サイドの想像力
- 創世日記でメタバースを創る利用者の想像力
…の双方が、自由に発想と創造ができる、未知の領域と言えるでしょう。
いずれは、宇宙も創れる?
「創世セット」は、太陽系全体を創ることができます。
ただ、
限られたマンガのページ数・映画の上映時間で、太陽系全体を見て回ると、「浅く広く」になってしまって、
「1つの世界を創り、見守る」というテーマがブレてしまうので、できなかったと思われます。
しかし、
ゲームならばプレイヤーが好きなだけプレイして太陽系、ひいては宇宙を回ることもできます。
その好例として、「No Man’s Sky」というメタバースゲームが存在します。
極めて広大な宇宙を舞台に、多数の銀河・惑星を探索していくゲームです。
現時点では、すでに用意された宇宙でしか遊ぶことはできません。
しかしいずれは、プレイヤー自身が宇宙全体を自分で創りメタバースとして利用できるようになるかもしれません。
自分で創った宇宙を、神様視点で探索・冒険して回ってそこで生活する生物たちを見て楽しみ、必要ならば手を加えることもできるでしょう。
また、前述した「メタバース上の生物にAIを搭載」も、技術発展のスピードにより可能になると思われます。
「メタバース宇宙全体の惑星の生物にAI搭載?・・・数が膨大すぎて無理だろ!!」
…と思うかもしれません。
しかし、この科学技術の領域では
「進化の速度は本質的に加速度を増していく」
…という法則が存在します。
⬇このグラフのように、進化スピードはドンドン加速していき、”指数関数的な成長”をするのです。
(この法則は、「収穫加速の法則」という原理原則です。)
テクノロジーを例に上げると、
「新技術が生まれると、その技術が次の技術を生み出すために使われる」
…ということです。
【新技術が生まれるプロセス】
- A(…が生まれる)
- A➡B
- A×B➡C
- A×B×C➡D
- A×B×C×D➡E
「➡」=進化のための試行錯誤、適応進化
…という感じで、進化を続けると、過去の成功や失敗の経験の総量が大きくなります。
その経験とかけ合わせて、新技術が生まれるのです。
コンピュータも発明初期は巨大で低性能でしたが、歴史を重ねるにしたがってドンドン超小型・高性能化しています。
それは、経験の集積により知恵がつき、進化プロセスが合理化されるからです。
「多くの経験を積めば積むほど、次の経験も身につきやすくなる」
…と言いかえることもできます。
つまり、
「メタバース上に生まれた宇宙全体の生物すべてにAI搭載」というのも、いずれは可能になると思います。
新世界を創造する「神の視点」を知る
創世日記は、藤子・F・不二雄先生が膨大なアイデアをもとに創った作品です。
(現在、無料試し読みできます。)
繰り返し強調しますが・・・
他の映画作品と決定的に違うのが、「神の視点」でストーリー展開を俯瞰する点です。
なので「創世日記」は、ドラえもんたちが”読者と同じ視点”に立って、ストーリーを解説していく異色作になっているのです。
また、マンガやアニメや映画などを見渡しても、このような作品は珍しいです。
だからこそ、プレイヤー自らがメタバースという世界を創るゲームは独自性が高いです。
これから「メタバース創造ゲーム」は、ドンドン生まれてくるでしょう。
・・・あなたなら、どんなメタバースを創りたいですか?
⬇「銀河超特急」のメタバース化についての考察はこちら。
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