NF亭ショウタです。
ブルガリが、5000万円を超える高級腕時計を発売しました。
QRコードでアクセスすれば、NFTアートなどの特典が手に入ります。
高級腕時計は、市場が大きく安定しているため、「投資先」としての人気が高いです。
NFTも投資先として注目されていますので、「高級腕時計NFT」は投資先として注目を集めていくでしょう。
この記事では、高級腕時計NFTで可能になる戦略を考察していきます。
ブルガリの「高級腕時計NFT」とは?
ブルガリ社が、高級腕時計NFTとして限定10本で「オクト フィニッシモ ウルトラ」を発売しました。
販売価格は、52,217,000円です。
限定本数10本の この腕時計には、それぞれに、
- 真正性を証明(本物証明)するNFTアート
- 専用のメタバース
…が付与されます。
この腕時計の所有者は、固有のQRコードからアクセスすればNFTアートを得ることができます。
くわえて、
同じくQRコードからアクセスできるメタバースでは、この高級腕時計「オクト フィニッシモ ウルトラ」に関する、
- バーチャル3Dツアー
- メイキング
- インタビュー
…などのコンテンツを観ることが可能です。
また、
この「オクト フィニッシモ ウルトラ」は、厚さ1.80mmという驚異的な薄さを誇り、”世界最薄”の時計とされています。
この薄さを実現するために、極限まで洗練された部品が開発されています。
このような精巧なメカニズムにこだわり抜くところが、男のロマンを くすぐるのかもしれません。
ブルガリ「オクト フィニッシモ」シリーズの最新作
このNFT高級腕時計「オクト フィニッシモ ウルトラ」は、
ブルガリ社から2014年に誕生した「オクト フィニッシモ」シリーズの最新作です。
「オクト フィニッシモ」シリーズは、男性向け・世界最薄をコンセプトにした高級腕時計シリーズであり、薄さの世界記録を何度も更新しています。
高級腕時計は、資産性が高い
高級腕時計は、資産保有の手段として利用価値が高いため、投資先としても有効とされています。
その理由を解説します。
価値の安定性
高級腕時計は、値崩れしにくいです。
「スマホの普及で、腕時計が売れなくなっている」という話を聞いた事があるかもしれませんが、
それは「時間を知る道具」としての時計の話です。
投資先としての高級 腕時計市場は非常に大きいため、今も取引が活発に行われています。
なぜなら、腕時計は壊れにくく、価値が低下しにくいからです。
壊れにくいモノは、中古でも価値が低下しにくい傾向があります。
なので、
高級腕時計を中古で購入すれば、中古で売却するときも大幅な価値な低下をする確率は低いので、同じ値段で売却できることも多いのです。
特に、
ロレックスやセイコーなどは、値崩れしにくい上に 値上がりしやすい銘柄として知られており、投資先として特に有望とされています。
流動性が高く、すぐに換金可能
「高級腕時計は、資産価値がある」と多くの人に認識されています。
そのため、多くの投資家が売買を行っています。
また、高級腕時計そのものが好きで収集しているコレクターも多いです。
常に「買いたい人」が存在するため、すぐに買い手が現れる可能性が高く、
売りたい時にすぐ売れる確率が高い(=流動性が高い)のです。
資産維持コストがとても低い
資産には、その価値を維持し続けるための管理費用が発生します。
たとえば、マンションなどの場合は、
管理費・修繕費・固定資産税などで年間100万円ほどの維持費が必要になると言われています。
しかし、高級腕時計の場合は、
数年に一度、オーバーホール(精密機械のメンテナンス)費用がかかるだけで、非常に少額で良いのです。
固定資産税もかかりません。
資産価値の維持コストの低さが、高級腕時計の投資先としての人気の大きな要因といえるでしょう。
【高級腕時計 業界全体像】半数以上が企業グループ傘下
これは、銀座の時計専門店が制作した「2022年 腕時計ブランド業界相関図」です。
⬇クリックで大きな画像が開く。
引用:GINZA RASIN
数多くのブランドが存在しますが、その多くが企業グループに属していることがわかります。
ブルガリは、LVMHというフランスの企業グループに属しています。(後述します。)
高級腕時計の投資先として値上がりしやすいロレックスやセイコーは、独立起業です。
また、独立時計師アカデミーとは、国際的な独立時計師による協会…みたいな組織です。
(時計師を養成する教育機関ではない。)
このように、高級腕時計ブランドの半数以上が企業グループに属しているのです。
ブルガリ社(BVLGARI)は、多角経営
ブルガリは、高級宝飾品ブランドとして、イタリアのローマに1884年に創業しました。
その後、1975年、ローマ本店の顧客100人にブルガリ社 初の腕時計が配布されました。
そして1977年、「ブルガリ・ブルガリ」で本格的に高級腕時計の製造・販売も開始したのです。
その後、現在に至るまで、数多くの高級腕時計を発表しています。
そして2000年代 以降は、
- サイフ
- 香水
- バッグ
- チョコ
…などの販売も開始して、多角的な経営をしています。
また、1991年には日本に進出してブルガリ・ジャパンを設立しています。
多国展開をして、多種多様の高級品を販売しているのです。
ブランド価値さえ確立できれば、多種多様の高級品を世界中で売ることができる…
という、ブランディングの重要性がよくわかりますね。
可能な戦略
投資家へのアプローチ
(前述のとおり)高級腕時計は、投資先としても需要が高いです。
全体として値下がりが少なく、中古市場でも相場が安定していますし、新品で購入したときよりも高値で売れることもあります。
そのため、有名ブランドの腕時計は投資家へのアプローチもしやすいです。
そして、
NFT自体も投資商品として認知され始めていますので、「高級腕時計のNFT」は、投資先の候補として選択肢に上がりやすくなるでしょう。
多角的な経営なので、宣伝 集客しやすい
前述のとおり、ブルガリ社は多角経営です。
それぞれの業界で、ブルガリ社の顧客がいます。
そして、一貫して高級路線です。
なので、今回のような高級時計NFTも、経済的余裕がある層を集客しやすいです。
すでにブルガリの顧客である人などに対して宣伝すれば、高級時計にも興味を持ってくれやすいでしょう。
ネックレス・バッグなどもNFT化できる
腕時計以外にも、扱っている高級品をNFT化できます。
ネックレス・バッグなども、同じ様にNFT化すれば、ネックレス・バッグを集めている人にもアプローチできます。
すると、「ブルガリNFTのコレクター」のような人も出てくるでしょう。
ブルガリが出すNFTなら、時計でもアクセサリーでもサイフでも積極的に購入してくれやすくなります。
メタバースで着用
NFT所有者がメタバースで対象の商品を身につけられるようにすると、購買意欲を上げることができます。
つまり、
メタバース空間で、腕時計やネックレスなどを再現してアバターに装着できるようになれば、承認欲求や優越感を満たせるのです。
VR店舗(免税の可能性)
ブルガリの店舗を、VRで再現すれば、いつでも気軽に訪れることができます。
VR店舗上での決済を可能にして、後日 郵送などをすれば、利便性があがります。
また、郵送元を「空港・免税許可を受けた店舗」にすれば、免税される可能性もあります。
仮想通貨での取引を併行してもよいでしょう。
高級リゾートホテルの多国展開で、世界中の富裕層へアプローチ
ブルガリは、高級リゾートホテル市場にも参入しています。
最高級ラグジュアリーホテルを目指して「ブルガリ ホテルズ & リゾーツ」を運営しているのです。
- ミラノ
- ロンドン
- ドバイ
- ミラノ
- バリ
- 上海
- 北京
…など、世界中の高級エリアで営業しています。
今後も、
- ローマ、モスクワ、東京、マイアミビーチ
などに進出予定です。
つまり、世界中の富裕層が集まるホテルで宣伝できるのです。
NFT所有者限定の優待などがあれば、腕時計NFT(だけでなく、ブルガリ高級品NFTも)を欲しがる人が増えて市場相場が上がるでしょう。
LVMHグループを視野に入れれば、戦略は広がる
2011年3月、ブルガリ社は フランスの企業グループであるLVMHに買収されました。
LVMH(正式名称:LVMH モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)は、フランス・スペイン・イタリアを中心に、60ほどの高級ブランドを傘下に収めています。
それらのジャンルを大別するだけでも、
- ファッション
- 化粧品
- ジュエリー
- ワイン
…など、多種多様な高級ブランドを有しています。
これらの傘下ブランドが相互に協力すれば、戦略は格段に広がります。
また、LVMHグループ傘下の別のブランドも、NFT市場にすでに参入をしています。
有名な事例としては、
- ウブロ:村上隆とのコラボによる2つのNFT
- ルイヴィトン:ブロックチェーンゲーム「LOUIS THE GAME」(NFTアートが30作品ほど)
…などがあります。
これから、LVMHグループ傘下のブランドのNFT市場参入は、増えていくでしょう。
宝石のNFT化の可能性
NFT化の対象として、宝石(ジュエリー)の可能性が高いと思われます。
ブルガリもジュエリーを販売していますし、
同じくLVMH傘下であるティファニーもジュエリーを販売しています。
- ブルガリ「マニフィカ」(5億7200万円)
- ティファニー「リターン トゥ ティファニー ラブ バグ」(それぞれ7万3000円〜18万円)
これらをNFT化して、現実世界・メタバース両方などで着用できるようにすれば、ブランドの先進性をアピールできます。
「ジュエリーのNFTアート」は複数の前例がありますが、「実物のジュエリー+NFT」の前例は、調べた限りではありませんでした。
しかし、今後は現実世界とメタバース両方で身につけられる、実物のジュエリー+NFTの事例は、高確率で出てくるでしょう。
⬇2022年4月には、ティファニーの重役による特注ジュエリーアクセサリーが公開されました。
ティファニーから「クリプトパンクス ペンダント」
⚡ティファニーの重役が自身の所有するパンクスで作成
⚡サファイア、ルビー、イエローダイヤモンドを使用
⚡「ティファニー」ロゴと「punks#3167」が裏面に刻印カスタムメイドだが、今後パンクスのホルダーが発注できるようになる可能性も✨ pic.twitter.com/gotmJZwWQa
— miin | NFT情報コレクター (@NftPinuts) April 9, 2022
これは、世界初のNFTシリーズといわれるCryptoPunksをジュエリー化したものであり、ティファニーの重役がNFTに高い興味を持っている事がうかがえます。
(⬇CryptoPunksの詳細については、こちら。)
つまり、ティファニーの運営戦略の選択肢の中に、ジュエリーのNFT化の構想もあると思われます。
LVMH+プラダ+カルティエ、ブロックチェーン事業を開始
LVMHは、2021年4月に、プラダ・カルティエと共同でブロックチェーン事業「Aura」を開始しました。
Auraは、高級ブランド品の「真贋の検証・履歴情報」の確認が可能なシステムです。
これにより、消費者が自身の所有物が本物であるかを調べることが可能になります。
- マイクロソフト
- コンセンシス(ブロックチェーンソフトウェア技術企業)
…の2企業により開発されたシステムであり、
企業向けブロックチェーン技術「クオーラム(Quorum)」が利用されています。
(クオーラムはイーサリアムを基盤にしています。)
AURAは、公式アプリで
- 材料の原産地
- 販売場所
- 中古市場での流れ
…など、そのブランド品の取引履歴を追跡できるため、本物かニセモノかを消費者自身がネット上で確認できます。
すでに、LVMH傘下ブランドであるブルガリ・ルイヴィトン・ウブロなどでは実際に活用されていますし、
- プラダ グループ
- OTBグループ
…などのファッションブランド企業グループでも、AURAは実用されています。
このように、LVMHグループや他の有名ブランドも、NFT関連事業に乗り出しているのです。
また、
LVMHグループ会長の息子は、「NFTのインサイダー取引」の疑いもあります。
真偽のほどは不明ですが・・・。
LVMHグループ自体がNFT市場に強い興味を持っていることの、表れといえるでしょう。
メタバースという”もう一つの世界”が発展していくにつれて、
「現実世界+仮想世界」の両方で身につけられるブランドアイテムの需要は、飛躍的に高まっていくでしょう。
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