NF亭ショウタです。
スポンサーNFTが数分で完売する事例が相次いでいます。
急速に、注目度が上がっています。
また、メタバースやVTuberとも相性が良いです。
この記事では、
- スポンサーNFT販売事例
- メリット・デメリット
- 可能な運営戦略
…を解説します。
スポンサーNFTとは
スポンサーNFTは、所有すると、
- スポンサーであることを公言できる
- 店舗の広告枠
…といった特徴的なメリットがあります。
「店舗の広告枠」のバリエーションは、
- メニュー表のQRコード
- リアル店舗に設置されるディスプレイ
- 商品購入時のサンクスカードのQRコード
- 座席やカウンターのQRコード
…など、複数あります。
(QRコードのアクセス先が、広告枠です。)
また、一般のNFTと同様に転売可能であり、転売額の10%がNFT発行企業に還元されます。
スポンサーNFTの事例
ここから、実際のスポンサーNFT事例を 複数 紹介します。
数分で完売する事例も多く、これからスポンサーNFTというモノが一般化していくことが予想できます。
また、同じ店舗がスポンサーNFT販売の回を重ねる度に値上げしていることからも、スポンサーNFT発行者が「効果が高い」と判断しているのが わかります。
カフェ「こはくの天使」
「こはくの天使」は、徳島県小松島市で営業しているカフェです。
おそらく、国内で初めてスポンサーNFTを販売した企業です。
現時点で4回、スポンサーNFTを販売しています。
1回目:「18個×1000円」2022/2/18~2/25
国内初の、スポンサーNFTの事例と思われます。
このスポンサーNFTは、開始2分で完売しました。
2回目:「11個×2000円」2022/3/3~3/10
前回よりも、単価が高いスポンサーNFTを追加販売しました。
こちらは、販売開始3分で完売しました。
3回目:「14個×3,000円」2022/3/17~3/24
さらに高単価なスポンサーNFTが追加販売されました。
(タンブラーとは、「コップ」を意味します。)
4回目:「13個×4,000円」2022/4/6~4/13
さらにさらに高単価なスポンサーNFTが販売されました。
(といっても、4000円はNFTとしては安い部類と言えますが。)
カフェ「KAPE TAYO TOKYO」
2022年4月頃 六本木にオープン予定のカフェです。
これは、店舗に設置されるディスプレイに「スポンサー名」が表示される広告枠が手に入るスポンサーNFTです。
「QRコードでアクセスする」という手間がなく、お客さんの視界に広告が入りやすいメリットがあります。
1回目:「10個×10,000円」2022/3/1~3/8
「店舗ディスプレイ連動型」のスポンサーNFTとしては、世界初の事例です。
開始1分40秒で完売 しました。
2回目:「50個×15,000円」2022/3/9~3/16
前回と比べて、
- 個数「10個➡50個」
- 価格「10,000円➡15,000円」
…という強気の販売内容です。
それだけ、スポンサーNFTというものに高い有効性を感じたのでしょう。
キャンプ道具「TAKIBIシェラカップ」
TAKIBIとは、キャンプ・アウトドア情報のサイトです。
そこで通信販売される商品のサンクスカードに印刷されたQRコードにアクセスすると表示される広告枠の権利が手に入ります。
1回目:「17個×1,000円」2022/3/7~3/14
こちらは、開始1分14秒で完売しました。
また、条件付きでプレゼントされた3個のNFTも存在します。
2回目:「24個×3,000円」2022/3/22~3/29
前回より、「1000円➡3000円」に価格アップして、個数も増やしています。
3回目:「47個×4,000円」2022/4/14~4/21
前回よりも、さらに価格アップしています。
47都道府県すべてに対応した商品のようです。
一部、オークション形式で販売されました。
また、NFTと同時に実物の商品も販売開始されました。
古民家茶屋「黒門茶屋」
黒門茶屋は、福岡県朝倉市秋月の城下町にあります。
半世紀以上の長きにわたって、経営されています。
1回目:「15個×3,000円」2022/3/10~3/17
黒門茶屋のメニューのスポンサーNFTです。
1分28秒で完売しました。
2回目:「24個×4,000円」2022/3/23~3/30
クリームソーダに24種類もそろえていることに驚きますが、どれも美味しそうです。
3回目:「10個×5,000円」2022/4/19~4/26
黒門茶屋のメニュー表のQRコードでの広告枠に加えて、
黒門茶屋と福岡県朝倉市秋月の魅力を発信するVTuber秋月みいひ さんのチャンネルでの広告枠も手に入ります。
他の事例もある
ここでは、3つの店舗のスポンサーNFTを紹介しましたが、他にも事例はあります。
数分で完売することも多いことから、その可能性に着目する企業も増えます。
なので、これからもスポンサーNFTは 様々な企業が発行するようになるでしょう。
スポンサーNFTメリット
超圧倒的に簡略化・明確化
従来、スポンサーになるためには、複雑難解な手続き や、内容の厳密な説明など必要でしたが、
スポンサーNFTは、「NFTを買う」だけで良いのです。
スポンサーNFT購入者のメリットも 明確でわかりやすいため、わざわざ説明をする手間もありません。
スポンサーを募集する側とスポンサーになる側、双方にとって時間と労力の節約になるのです。
多くの個人がスポンサー候補になれる
投資というものになじみがない、一般の人間がスポンサーになってくれます。
「NFTアートを買う」ということの延長線上のような感覚で、スポンサーNFTを買ってくれるのです。
「投資=怪しい、危険」とネガティブなイメージを持たれやすい日本ですが、NFT(デジタル資産の所有権の証明)という技術は、これから急速に社会に必要とされ広まっていきます。
そして、NFTが広まるに連れて、投資へのネガティブなイメージは払拭されていくと思われます。
そうなれば、さらに多くの人がスポンサー候補になるのです。
もちろんNFTが広まるにつれて、スポンサーNFTもたくさん販売されるでしょうから、なんらかの差別化が必須になります。
告知・募集もカンタン
スポンサー募集の告知も、自身のSNSやメディアなどですれば、
日頃から情報を見てくれている人に伝わりやすいです。
また、
NFT情報を扱っているメディアなどに
プレスリリース
(新商品の情報、新事業スタートなどの情報を提供して、ニュース素材と扱ってほしいと依頼)
を告知すれば、取り上げてくれやすいです。
積極的に拡散してくれる
スポンサーNFTの相場価格を上げて転売益を得るために、所有者自身が情報拡散してくれやすいです。
また、「QRコードで希望のメディアにアクセスされる」というメリットを求めてスポンサーになる人は、自身のメディアを持って情報発信している・・・ということです。
情報発信する手段を持っているので、積極的に情報拡散してくれる可能性が高いです。
話題性がある
スポンサーNFTは、2022年3月初旬頃にはじめて登場しました。
まだまだ新しいNFTの形態なので、話題性があるのでメディアで情報拡散されやすいです。
また、話題性があるので購入もされやすいです。
(前述したとおり、
スポンサーNFT販売者が高い知名度を持っているわけでもないのに、NFTが数分で完売してしまうケースは、複数あります。)
完売は期待値を上げ、次の完売へつながる
前述したスポンサーNFTの販売事例では、数分で完売したケースが複数あります。
販売しても大量に売れ残るNFTシリーズも多い中、「数分で完売」というのは、大きなアピールポイントになります。
「数分で完売した?スゴい!どんなNFTなの?」…と、大きな興味を持たれます。
人間は、他者が欲しがっているものを見ると、自分も欲しくなる生き物です。
そして、次の販売時に購入してくれるチャンスが高まるのです。
つまり、完売は次の完売につながるのです。
スポンサーNFTデメリット
わざわざQRコードでアクセスされるのか?
「QRコードでアクセスすれば、自身のメディアなどを見てもらえる」
…というのは、どれだけの効果を生むのか未知数です。
⬆飲食店のメニュー表などに併記されたQRコードを わざわざスマホで読み込んで、スポンサー情報を見る・・・という行動をする人がどれだけいるのか?
正直、疑問が残ります。
もし、見てもらえたとしても、それがスポンサーの商品に興味を持ってくれて購入などにつながるのかも未知数です。
なので、「店舗ディスプレイに表示される」など、確実に客に認識してもらえるようなシステムのスポンサーNFTの方が良さそうです。
大口の融資は期待できない
現状、スポンサーNFTは、
・1個5,000〜15,000円、数十枚発行
…という具合に、販売額のトータルもかなり小さいです。
つまり現状では、
「個人でもスポンサーになりやすいメリット」の代わりに、
「数百万〜数億といった大口の融資は不可能なデメリット」もあります。
なので、個人や小規模商店での発行が主流になりそうです。
商品数に直接連動する場合、上限数が小さい
現時点でのスポンサーNFTの事例は、どれもメニュー(商品)に連動しています。
15個のスポンサーNFTが販売されたら、15種類の商品と連動しています。
つまり、その店舗の商品数が30種類であった場合、30個以上のスポンサーNFTは 販売できないことになります。
(もちろん、1つの商品に複数のスポンサーNFTを販売する・・・という手法も考えられますが、
その場合すでに「商品AのスポンサーNFT」を購入している人の立場からしたら、
後から、商品AのスポンサーNFTの2個目が新しく販売されてしまった場合、自分がすでに所有している商品AのスポンサーNFTの価値が半減してしまい不満に繋がります。
また、あらかじめ
「1つの商品に対して、複数のスポンサーNFTを販売する」
…と告知した場合でも、それだけスポンサーNFT1つ1つの価値が落ちてしまいますし、
広告業界では”ダブルスポンサー”といわれ、好ましくない手法とされて、避けられる事が多いです。)
商品数に直接連動しない場合、追加発行で「株式の希薄化」が起こるリスク
店舗そのもののスポンサーNFTであり、特定の商品のスポンサーNFTでない、(商品数に直接連動しない)場合でも、追加発行にはリスクがあります。
たとえば、店舗のディスプレイに表示される広告枠の権利を購入した人からしたら、
後から大量に追加発行された場合、それだけ店内ディスプレイに広告が大量にあふれかえることになります。
すると、自分の広告が認識されづらくなり、不満を感じてしまい、価値が下がるリスクがあるのです。
NFTは、株式と同じく”投資商品”としての要素を持ちます。
そして、株式市場では株式を増やすと
「株式の希薄化=発行される株式の数が増えると、株式1つあたりの価値が低下する」
…という現象が起こりやすいです。
スポンサーNFTにおいても、追加発行には同じ現象が起こるリスクがあるのです。
メニュー終了時の対応
不人気や、用意される材料などの変化により、終了するメニューも とうぜん出てくるでしょう。
店としても 収益性が悪いメニューを続けるわけにもいきません。
しかし、
スポンサーとしてはNFTを所有するメニューが終了してしまったら、スポンサーNFTの価値が無くなってしまいます。
そこで、なんらかのスポンサーへの対応をしないと、他のスポンサーNFT所有者の心情にも悪影響です。
ここが、アートとしてのNFTとの違いです。
NFTアートとスポンサーNFTは、投資価値の源泉が違います。
NFTアートは、「コレクターズアイテムとしてのブランド」が価値の源泉ですが、
スポンサーNFTは、「広告枠」が投資価値の源泉です。
その広告枠自体が消滅してしまうので、スポンサーNFTを購入してくれた人への なんらかの対応はしておいたほうが、企業としての信用が保たれるでしょう。
外国人から購入されにくい
日本企業のスポンサーであり、その企業の客も日本人が多いです。
数千円からスポンサーになれるNFTなので、個人のメディア運営者などに購入されやすいですが、外国のメディアなどの広告を出しても、日本人には見られにくいです。
なので、外国人からは購入されにくいでしょう。
所有欲がメリットのNFTアートの場合は、世界中の人が対象になりますが、スポンサーNFTのメリットは「宣伝できる」ことです。
宣伝効果が薄い・・・と判断されたら、購入されにくいのです。
しかし、NFTアートはライバルも非常に多いので、
日本人にターゲットを絞ってスポンサーNFTを販売する・・・というのは、ライバルも少ないため有効と考えることもできます。
【可能な戦略】メタバース・VTuberとの相乗効果
メタバースで店舗の世界観を体感
店舗のメタバースを作れば、手軽に店の雰囲気などをリアルに感じてくれます。
そうして多くの人に見てもらえば、気に入った人は実際の店舗に来てくれる可能性が高いです。
また、「メタバース運営もしている」というのが、スポンサーNFTの期待感を上げて、相場価格が上がる可能性につながります。
メタバースでスポンサーNFT所有者の広告を表示
メタバース運営をする場合、メタバース上にスポンサーNFT所有者の広告を表示できます。
ディスプレイ広告でも良いですし、メタバースだからこそ可能な広告(例:浮遊物などの広告)を試みても面白いでしょう。
革新的な広告をすれば、メディアが情報拡散してくれてメタバースの知名度向上につながります。
VTuber運営
VTuber運営は、Live2Dなら比較的 低予算で開始できます。
なので、自身の店舗をPRする手段の1つとして、VTuber運営をしてみるのも良いです。
同じ外見のアバターでメタバース上で活動すれば それも宣伝になりますし、メタバースでの活動をYouTubeチャンネルにアップロードしても良いでしょう。
現在、VTuberは国内だけでも1万6千人以上がいるといわれており、ライバルも多いので、正直チャンネル登録者は あまり伸びないでしょう。
しかし、チャンネル登録者という指標では少なくても、濃いファンが数百人〜数千人いるだけでも、情報拡散してくれやすいですし、店舗運営にも好影響を及ぼします。
また、
店舗がある地域の情報を発信する”ご当地VTuber”として活動すれば、近隣の人たちに興味を持たれやすく、店舗にも足を運んでくれやすいです。
販売事例ですでに解説した「黒門茶屋」の秋月みいひ さんが、すでに ご当地VTuberとして活動しています。
費用対効果・労力対効果と比べてみて、それ以上のメリットがあると判断したら、VTuber運営するのも良いでしょう。
複数のNFTを所有すると、追加特典
たとえば、同一のスポンサーNFTシリーズ内で
- 麺類のNFTを7種類以上 所持
- デザートのNFTを5種類以上 所持
…などの条件を満たせば、
「大幅値引き」
「リアル店舗に行けば、(材料の可能な範囲内で)オーダーメイドのメニューを作ってくれる」
…などの さらに上位の優待があると複数所持してくれやすくなります。
新時代の地方創生
すでに解説したとおり、
スポンサーNFT・メタバースなどを経営戦略に組み込めば、集客に効果を発揮します。
また、
⬇山奥の村である山古志村は、名産品であるニシキゴイのNFTを活用して地方創生をしていますが・・・、
同じように、地方の名産品や工芸品のスポンサーNFTを販売することもできます。
メタバースで、世界中の人が 気軽に店舗に来て、名産品の魅力に触れてもらう機会を作るための具体的なロードマップなどを用意して、
そして実行する姿勢を見せれば、将来性を感じて購入されやすくなるでしょう。
外国人を集客
日本より海外の方がNFT市場が大きいですし、日本文化は海外でも人気があります。
そして前述したとおり、スポンサーNFTとメタバースは、かけ合わせての戦略が可能です。
そのうち、メタバースでの会話が(タイムラグなく)自動翻訳されるようになるでしょう。
つまり近い将来、メタバースでは”翻訳コンニャク”的な効果が永続するのです。
「言語の違い」という境界線すら意識することなく、外国人と日本人が接することができるようになります。
(しかし、文化の違いや 言葉のニュアンスなどの違いにより、誤解が生まれてトラブルになるかもしれませんので、深いコミュニケーションには相応の注意が必要ですが。)
そうすれば、メタバースにも外国人が来てくれます。
店舗内だけでなく、店舗外の景観もメタバースで体験できるようにして
世界的にも稀有とされる「日本の四季」を再現すると、さらに良いでしょう。
そして、日本文化に高い興味を持つ外国人は、日本料理にも一定以上の興味を持つ人もいます。
外国人に人気がある日本料理は、
引用:裏読みWAVE
…という具合になっています。
なので、日本料理のメディアなどを運営する外国人は、これらのスポンサーNFTを持っていると、「広告枠・売却益の可能性」としてのメリットだけでなく、
- メディアのネタにもできる
- 日本料理の有識者として「箔がつく」
…というメリットも得ることができるのです。
もちろん、日本料理以外の日本文化においても、スポンサーNFTが販売されれば、同様のメリットがあるのです。
web3.0時代の広告
web3.0とは、
NFT技術でデジタルコンテンツ所有権が証明されることによって、「権力の非中央集権化」が進むことを意味します。
web2.0までの”権力が中央集権的な状態”では不可能だった、個人や小規模商店の間での取引が活発化されます。
スポンサー市場も、ドンドン変化していくでしょう。
もしかしたら、
「NFTアートからアクセスされる広告枠が手に入る、スポンサーNFT」という、
脳が 混乱しそうなモノも販売開始されるかもしれませんね。
⬇例えば、有名NFTアートシリーズの「CryptoNinjaの広告枠」が手に入るスポンサーNFTが販売されるかも・・・?
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