闘病者メタバース!統合失調症VTuberの事例と可能な運営戦略

VTuber

NF亭ショウタです。

闘病者による闘病者のためのメタバースが、実現されます。

このプロジェクトは、様々なメディアで取り上げられています。

 

実行しているのは、現在20歳の女性です。

幻覚・幻聴・被害妄想に悩まされ、精神に異常をきたして、自ら命を絶とうとしたらしいです。

しかし、クラウドファンディングを行い、その資金を集めることに成功して、メタバース実現に向けて活動しているのです。

この記事では、

  • 闘病者メタバースの詳細
  • 企業が参入したら可能な戦略
  • 疾患を持つVTuber×メタバースの可能性

…を解説していきます。

「もりのこどく」とは

統合失調症VTuber

もりのこどく さんは、2021年7月より活動を開始したVTuberです。

統合失調症という精神疾患の患者である、現在20歳の女性が運営しています。

  • 数分の短い動画➡統合失調症について解説
  • 40分〜1時間半のライブ配信➡雑談・英語学習

…などの情報をYouTubeで発信しています。

メディアなどで拡散され知名度上昇

もりのこどく さんは、2月初旬に

  • 東京新聞
  • 中日新聞

…で、その活動内容を取り上げられました。

・東京新聞

・中日新聞

そして、その後の2022年2月25日に、

統合失調症の患者のためのメタバースを作るクラウドファンディング(詳細は後述。)を行ったのです。

統合失調症とは

症状

統合失調症になると、自分の考えや心が まとまりがつかなくなります。

また、幻覚や幻聴を見ることもあります。

 

日本国内には70万人以上の患者がいます。

思春期から40歳くらいの年齢層に発症しやすいと言われています。

発症しやすい人の特徴

統合失調症を発症しやすい人には、性格の傾向があります。

  • 内気
  • 人と接するのが苦手
  • 精神的に傷つきやすい

…などの特徴がある人が、統合失調症の患者には多いと考えられています。

 

なので、統合失調症を治療するには、ストレスの軽減・ストレスとの合理的な対処法を学ぶことが重要と言えるでしょう。

治療の手段・費用

統合失調症による入院費は、「13590円/1日」ほどですが、医療保険の適用により自己負担は3割になります。

なので、1年間入院した場合は、約220万円ほどの入院費になると言われています。

また、自己負担限度額を超えた場合は、払い戻されるなどの制度が適用される場合もあります。

 

今現在、日本の景気は どんどん悪化しているので、この出費はかなり辛いものになります。

日本における精神疾患の医療市場

日本国内で精神疾患で入院している人の数は、400万人以上がいるというデータがあります。

 

しかし、日本の医療では「病床利用率90%を維持しないと経営が困難」といわれています。

なので、利益を得るために一人あたりの患者から多く治療費をもらわねばなりません。

(※日本の医療機関は、自分で利益を出さねばならない民間企業が多い)

つまり、長期的に入院費を収め続けてほしいので、なかなか退院をさせたくないのです。

 

なので日本の精神科医療は、

  • 世界一 入院ベッド数が(人口比で)多い
  • 世界一 入院日数が長い

…とされているのです。

(また、超ストレスフルな日本の労働環境も、影響していると思われます。)

引用:We介護

そのために、

過度に薬を処方して自己治癒能力を退化させ、薬物に依存させて入院させ続ける

…という悪魔のような経営手段をしている病院もあると言われています。

(もちろん、患者の人生を真摯に考えて正しく経営している病院が多い…と信じたいです。)

 

もちろん、薬による対処療法は即効性があり、正しく服用すれば有効でしょう。

しかし、自己治癒能力を阻害することがあってはいけません。

いずれは、薬から解放されて自分の生体機能で生きれるようにならねばならないのです。

 

そして、その手段として、メタバースが大変有望なのです。

もりのこどくクラウドファンディング詳細

もりのこどく さんのクラウドファンディングは、2022年02月25日〜4月15日にわたって実施されました。

そして、目標金額の2,500,000円を上回る、支援総額3,065,000円が集まり、クラウドファンディング達成したのです。

目的=統合失調症患者の居場所となるメタバース

クラウドファンディングの目的は、統合失調症患者のためのメタバース「もりのへや」を創ることです。

メタバース「もりのへや」の特徴は、

  • 統合失調症の患者同士がコミュニケーションをとって、孤独を癒やす場所
  • 統合失調症への差別・偏見・誤解をなくす目的
  • 匿名で顔を出さずにコミュニケーション(テキストチャットのみも可)
  • 精神科医、公認心理師などが常駐して、相談可能
  • 他者から攻撃を受ける心配が無い(周りの人間から攻撃される…などの妄想で、外を歩けない人もいる)
  • VRヘッドセットがなくても、スマホのみでも参加可能
  • 医療機関ではなく、医療的なアドバイスはできない

…と、解説されています。

クラウドファンディングに対する反応

2022年2月25日に開始した このクラウドファンディングが注目され、3月下旬から4月初旬にかけて、

  • 東京新聞
  • 朝日新聞DIGITAL
  • Quick Japan Web
  • 共同通信47NEWS
  • 小学館のウェブマガジン@DIME

…などのメディアで次々と情報拡散されました。

また、精神科医YouTuber(登録者5万人以上)も このクラファンに関する動画を上げています。

精神疾患の業界においても、注目度が上がっているといえるでしょう。

メタバース化のメリット

「早期対策・予防」が可能

自分の精神が不安定であると、内心では自覚している人でも、「精神科で診察を受けた」という事実そのものを避けたがります。

「自分の精神の不安定性を、認めることになる」・・・と思ってしまうからです。

なので、

実際に精神科に足を運んで診察を受けるのは、かなり遅くなってしまうパターンも多いと思われます。

 

しかし、

「精神科で診察を受ける」よりも「精神疾患について学べるメタバース」の方が、おとずれる敷居が圧倒的に低いのです。

つまり、早い段階から精神疾患について知っておくことで”早期対策”しやすくなります。

 

また、現段階では精神疾患ではない人も、

「念の為に、精神疾患について知っておこうかな…!?」

…という感じで、あらかじめ精神疾患にならないように”予防”が可能になります。

興味本位がキッカケであっても、多くの人に実情を知ってもらえる

「世間で肯定的な話題になっている」「他者から高い評価を得ている」

…と認識したものには、最初から好意的に受け止める人が大多数です。

(逆に、「マイナスの評価をされている」と認識したら、最初から否定的に受け止める人も多いのですが…。)

 

そして、

今回の もりのこどく さんの事例のように、肯定的に情報拡散されれば、

(接点が興味本位であっても)世間に精神疾患の実情を知ってもらい、理解を得るチャンスが生まれます。

患者同士でのコミュニケーションが活発化

日本中の(同時翻訳機能が搭載されれば、世界中の)患者と 会話できます。

  • 症状の改善に効果があったコト
  • 疾患との付き合い方

…など、情報交換が活発になります。

 

なにげない世間話をしても、心が軽くなるでしょう。

また、同じ趣味を持つ人がいたら、そのことについて語り合えば脳が活性化して、症状の改善も期待できます。

 

大きな注意点としては、「不幸自慢大会」になってしまい、お互い”低め合う関係性”にならないようにするのが絶対不可欠です。

”高め合う関係性”を実現する場を維持するのが、大前提です。

薬物投与などの対症療法だけではなく、食事と運動を促進

薬物投与は、有効ではありますが、同時に薬物依存になってしまうリスクもあります。

(前述しましたが、)医療機関が患者を薬物漬けにして、医療費を長期的に搾取…というケースもあるそうです。

 

しかし、メタバースの場合は、自宅にいながらアクセスできるので、

現実世界の病院に わざわざ行き、診察を受けて薬を受け取る・・・というプロセスがありません。

なので、自宅で手軽にできる、食事の改善・運動などを自主的にすることが促されます。

 

⬇健康増進と予防に重きを置く、東洋医学などをメタバースで教えても面白いでしょう。

健康増進&長寿&美容!東洋医学を学ぶメタバース運営で可能な戦略
多くの人がイメージする医学は”西洋医学”であり治療の即効性に優れます。対して、東洋医学は健康増進と予防が主眼なので長期的な実践が必要であり、メタバースとの融合は普及する可能性が高いです。「東洋医学の全体像」「可能な戦略」「未来予測」を解説。

「隔離病棟で拘束される」という不安がなくなる

「精神疾患と診断されたら、隔離病棟でベッドに拘束される」

…という制度はあります。

(拘束目的は、自分や他者を傷つける行為を防止するため。)

 

しかし、診察を受けようか迷っている人からしたら これは非常に大きな恐怖です。

四肢の自由を極度に制限された生活が、何年間 続くかわからない…というのは、非常に大きなストレスです。

「かゆいときも自分ではかけず、寝返りもいっさい打てません。

一度大嫌いなクモが天井から降りてきた事があり、動かせない顔の数センチ横に落ちましたが、どうにもできませんでした。

身体拘束された77日間で、『死』よりも『いつ地獄が終わるのかわからない生』のほうが、とてつもなく恐ろしいと知りました」

引用:東洋経済ONLINE

精神疾患を直したいと思っている人でも、身体拘束される状況などは、万が一にも、回避したいはずです。

なので、診察自体を嫌がる人も多いでしょう。

 

しかし、メタバースなら身体拘束される恐怖などないので、自分の状況を包み隠さず相談・申告することもしやすいのです。

【もし企業が参入したら?】闘病者メタバースで可能な運営戦略

もりのこどく さんが作るメタバースは営利目的ではありません。

 

しかし、営利目的の企業が参入して利益が上がる見込みがあるなら、闘病者のためのメタバースがドンドン創られます。

競争原理が働き、より高クオリティで使いやすいモノが開発されていくでしょう。

また、

個別の症状に特化したメタバースが創られていき選択肢が増えるので、闘病者はより自分に適したメタバースを選ぶことができるのです。

 

ここから、「営利目的の闘病者メタバース」で可能な運営戦略を考察していきます。

「フリー戦略」で集客

”フリー”とは、”無料”を意味します。

 

メタバース自体、無料なのが普通ですが、

「精神疾患に効果的な、安価で手軽な治療法が 無料で学べる」

…という状況ならば、人は集まります。

つまり、統合失調症を治療するための具体的な対処法を、わかりやすく教える講座などを作り、メタバース利用者が無料視聴ができるようにするのです。

 

精神疾患の治療には毎月多くのお金がかかります。

なので、

「親に金銭的な負担をかけたくない!」

…と思い、治療を開始するのが遅れてしまう人も多いでしょう。

 

しかし、「無料で、自分でできる治療法が学べる」とアピールすれば、病院に診察に行くか否か迷っている人たちを、強力に集客できるでしょう。

無料セミナー➡必要な人だけに有料サービス

闘病者向けのセミナーを開催します。

(前述したとおり)「優良なセミナーを無料で聞ける」…というのを宣伝すれば、見込み客を集客できます。

そして、セミナーの最後で 自社の有料のサービスを告知して必要な人にだけ買ってもらうのです。

 

もちろん、悪質なサービスを売ったらメタバースひいては企業の評判がガタ落ちしてしまいますので、

「本当に必要な人だけに、価値の高い有料サービスを売る」のを順守すべきでしょう。

医師・カウンセラーにトークン配布

闘病者の質問などに答える専門家を配置して、その報酬としてトークンを配布します。

(もちろん、可能なら日本円でも良いです。)

 

もちろん、専門家にも本業での診察があるでしょうから、メタバースに来れる時間は限定されがちになりますが、

診察などの予約が入っていない時間帯は、メタバース内で書類作成などの作業をできるようになれば、メタバースにいてくれる時間が増えます。

 

もちろん、トークンを報酬にするということは、「いずれは高値で売れる見込みがある」と思ってもらえるのが前提になります。

これからは、企業が複数のメタバースを運営する時代になるでしょうから、他の一般ウケしそうなメタバースのトークンを配布する…というのが現実的でしょう。

広告掲載枠

メタバース内に広告スペースを設置します。

そして、その掲載枠を他企業に売るのです。

 

しかし、悪質な業者の広告を掲載してしまったら、メタバースの信用がガタ落ちします。

なので、広告内容や企業の審査は、しっかりと行うべきです。

 

もちろん、売りたい自社サービスがあるなら、その広告を掲載することもできます。

自分のペースでできる仕事を斡旋

闘病者は、会社員として働くのは困難です。

毎日、

満員電車に揺られながら出社して、気の合うわけでもない会社の人たちとコミュニケーションをとりながら、好きでもない仕事をしなければならないので、

多大なストレスを感じてしまい、仕事を続けるのは難しいでしょう。

 

しかし、

自分1人で、自分のペースで制作できる内容であり、納期が決まっていない緊急性のない仕事なら、パソコンがあれば受注することができます。

近年の研究では、「創造性が高い人は、精神疾患になりやすい」という説も有力視されています。

⬇「芸術的な創造性は、精神疾患と遺伝子を共有している」という研究結果も、アイスランドの生物工学 企業が発表してします。

「創造的であるためには一般人とは異なる考え方をする必要があるが、

統合失調症にかかりやすい遺伝因子を持つ人々も

やはり その他大勢とは異なる考え方をすることが、これまでの研究で判明している」

引用元:AFP BB News

 

なので、精神疾患で闘病している人には創造性が求められる仕事をさせてみるのも有望です。

 

国から助成金が出るかもしれませんし、

闘病者の脳が活性化することによって、精神疾患の改善につながる確率も高まります。

疾患を持つVTuberのメタバース

精神や身体に疾患を持つ人が、VTuber活動をするケースは複数存在します。

 

たとえば、「左目が義眼」であり、視覚障がい を持つ 瞳美コッコさんは、

自身の体験などを発信しており、視覚障がい への理解を深める活動をしています。

瞳美コッコさんは、障がい者・難病者たちが所属するタレント事務所ココダイバーシティ・エンターテイメントの6期生です。

いずれは、この事務所もメタバース運営をするかもしれません。

同じような悩みを持つ人たちが、日本中、世界中から集まれるメタバースを運営すれば、企業戦略としても有効でしょう。

 

疾患があり、通常の生活が困難な人でも、VTuber活動自体を楽しむようになれば、同じ悩みを持つ人の希望になりえますし、

VTuber活動でお金を稼ぐことも可能になります。

 

そして、メタバースという時代の波に乗れば、社会貢献をしながら 自分の能力でお金を得れる可能性が高いです。

疾患を持つ人は、健常者が知らない視点を持っています。

健常者が知らない視点を持っているからこそ、健常者ができない発想も可能になります。

つまり、

社会の常識にガチガチに縛られる傾向が強い社会で生きる人よりも、発想に制約が少ないと言えるかもしれません。

(※”常識”という言葉には、

  1. 多数派の意見
  2. 道理で考えれば、自然と行きつく考え方

…などの複数の意味がありますが、ここでいう常識は「1.」です。)

 

そして、メタバースという最先端の世界で、高い創造性を発揮することも可能です。

もちろん、そのためには「自主的な学び」と「行動」を継続するのが不可欠です。

健常者でも、自主的に学び行動しつづける人は 超少ないです。

 

しかし、それさえできれば、メタバースに自由な世界を創造できます。

今まで弱みとされていた事が、強みになりえる時代といえるでしょう。

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