NF亭ショウタです。
AIの急激な進化により、AIを搭載したVTuberが増加しています。
今後は さらに急激に増加していき、巨大な経済圏を形成していくと思われます。
とうぜん、メタバース市場への活用も進むでしょう。
将来的には、世界中のAI開発企業がVTuber運営を開始する可能性も高いです。
この記事では
- AI搭載VTuberとは
- メタバース活用と生まれる経済圏
- 未来予測:ChatGPT・Bardが参入?
…を解説していきます。
AI Tuber(AI搭載VTuber)増加
AI Tuberとは
AI Tuberは、2023年1月頃からNeuro-sama(通称:ネウロ様)が大きな注目を集めたことをキッカケに、多くの人に知られました。
ネウロ様はTwitchで活動するAIを搭載したTuberであり、ゲーム実況配信・雑談配信などを行っています。
人間のVTuberとコラボしたり、歌ったりするなど、人間と思ってしまうほどの自然な会話ができます。
⬇ゲーム配信
⬇歌ってみた
⬇人間のVTuberとのコラボ
ところどころ、不可解な発言をすることがありますが、今後さらに進化すれば人間と判別できないくらいに自然な配信が可能になるでしょう。
そして、現時点でネウロ以外にもAI Tuberの実例は多数あります。
ネウロ様が注目を浴びる以前から活動しているAI Tuberも複数存在します。
それらの実例を、簡潔に紹介していきます。
AI Tuberの実例
世界初(?)AI Tuber:紡ネン
2020年11月8日活動開始。
おそらく世界初のAI Tuberです。
開発運営:株式会社Pictoria
⬇紡ネンさんについて、こちらで詳しく解説
⬇また、NFTプロジェクトも進行中
ゲーム配信AI:ゴー・ラウンド・ゲーム
2022年6月10日活動開始。
開発・運営:バンダイナムコと株式会社Pictoriaの共同
⬇解説記事
ガンダムメタバース専用AI:メロウ
2022年11月11日活動開始。
開発・運営:バンダイナムコと株式会社Pictoriaの共同
⬇解説記事
Neuro-sama(ネウロ様)
(※前述したが、改めて紹介。)
2019年にAIとして活動開始。
2022年12月にAI Tuberとして活動開始。
開発・運営:Vedal
画像生成系AI VTuber 「絵藍ミツア」
2023年4月活動開始予定。
開発・運営:株式会社アブストラクトエンジン
画像生成系AI VTuber 絵藍ミツア🖌️
まだまだ絵の勉強中!!マナーを守って、みんなと一緒に楽しく!
オリジナリティのある作品を作りたい!!!学習画像タグ→#みつあ勉強用
(初回の学習参加申請https://t.co/QqAtglI0iQ )ファンアート→#みつあアート
公式→https://t.co/Jh48yIW2R5 pic.twitter.com/OHjPThwHyz
— 絵藍ミツア🖌️芸術専攻AI (@elanmitsua) January 25, 2023
⬇解説記事
おめがちゃん
2023年3月10月 活動開始。
運営:おめがシスターズ
AI技術:既存のAI技術
-NYAVATAR-
2022年9月22日活動開始。
開発・運営:ホップスコッチ株式会社
⬇他にも複数のNFTがAI Tuberかされています。
CUTEWARE
2022年7月29日活動開始。
Project Ivy
2023年1月14日活動開始。
開発運営:EuphoPia株式会社
しずく
2023年1月23日活動開始。
キカイ
2023年1月21日活動開始。
なぎさ
2023年3月1日活動開始。
開発運営:株式会社qia
マレ
2023年2月25日 活動開始。
瑛皧ペロリ
2023年3月6日 活動開始。
開発運営:Givee株式会社
AI技術:ChatGPT
AI VTuber事務所が誕生
紹介したAI Tuberの実例(2023年3月時点)を見ればわかるとおり、ほとんどのAI Tuberは2022年下半期から2023年3月にデビューしています。
AIの急激な進化と、ネウロ様が大きく注目された影響が大きいと思われます。
今後も、AI Tuberは増えるでしょう。
そして、2023年3月には世界初といわれるAI VTuber事務所「AI CAST」が誕生しました。
(前述した)世界初のAI Tuberである紡ネンさんなどの開発運営企業である株式会社Pictoriaが運営しています。
現在、同社が開発している2名のAI Tuberが所属しており、下記のチャンネルでAI Tuber同士の会話などをしています。
今後も、AI CASTから それぞれ異なった個性を持つ新しいAI Tuberが活動開始して、メンバーが増えていくと思われます。
さらに、AI Tuberを複数運営する他企業も増えて、AI VTuber事務所も増えていくでしょう。
メタバースへのAI活用が激化する?
AI制御アバターがメタバース空間で自由に行動
AIは、メタバースへの応用もできます。
AIで制御されたアバターが、メタバース空間を自由に移動して行動するようになるのです。
すでに、3D空間を移動するゲームをしながら、実況する配信を行えるAI Tuberは、前述のネウロ様などが います。
とうぜん、いずれはメタバース空間を移動しながら、周りの人と会話してコミュニケーションをとれるようになるでしょう。
現時点では、メタバース空間での受付案内として実用化は始まっています。
今後は、さらに多くの用途でAIが実用化されていくでしょう。
メタバースへの集客手段➡AI Tuber
メタバース市場へ参入する企業は増加しており、今後も増加し続けます。
そして、新しいメタバースは創られていきます。
多種多様のメタバースが、溢れかえることになります。
とうぜん、そこへの集客手段が必要になります。
そこで、AI Tuber運営が有力な戦略の一つとなりえます。
つまり、AI Tuberを複数運営して、メタバースへの集客口とするのです。
AI Tuberのプログラム開発運営コストはかかりますが、(様々な性格・外見の)大量のAI Tuberを運営することにより、それぞれにファンがつき、メタバースへの集客導線となります。
雑談配信・ゲーム配信はもちろん、宣伝したいメタバースでの活動内容を発信していけば、メタバースに興味を持って来てくれる人も増えるでしょう。
VTuber用のアバターも、近い将来に無料もしくは極めて安価でオーダーメイドできるようになりますので、初期投資コストは下がっていくでしょう。
また、自分でイチからAIのプログラム開発をしなくても、既存のAIプログラムを活用してAI Tuberを運営する方法も確立されています。
なので、個人でAI Tuberを運営する人も、増えていくでしょう。
メリット
時代の波に乗れる
AIは、今や大きな注目を集めています。
次世代のテクノロジーとして、大いに期待されています。
そして、AI Tuberとして活動して、注目されることができれば、大きく知名度を上げることができます。
VTuber自体、成長し続けている超巨大市場ですので、そこで代表的なAI Tuberと認識されれば、他のビジネスにも活用できるでしょう。
(前述した紡ネンさんが、NFT市場にも進出しているように。)
AI Tuberへの批判はなく、好意的
画像生成AIなどは、「絵師の仕事が奪われてしまう!」という論調で、批判が強い傾向にあります。
⬇参考記事
しかし、AI Tuberに対しては、風当たりの強い印象を受けません。
いずれは、人間のVTuberの仕事を奪いかねないのですが、現状は批判などは見かけません。
むしろ、期待感から好意的に受け止められているため、活動しやすい といえます。
ほぼ無限の知識がある
AIは、ネット上から必要な知識を得ることができます。
つまり、「ほぼ無限の知識を持っている」状態です。
なので、動画プラットフォームでのライブ配信・メタバース空間において、人間から何かを聞かれても、瞬時にネットから情報を得て、解答することが可能です。
あらゆるジャンルに精通した知識を持っているので、AI技術が発達すれば どんな会話にも瞬時に対応できるようになっていくため、どんなジャンルの発信も可能になり、様々な層に響く発信をすることができます。
不眠不休で活動可能
AI Tuberは、いっさい休まずに長期間配信することが可能です。
例えば紡ネンさんは、ゴールデンウイークなどにぶっ通しで雑談配信をすることがあります。
それにより、登録者を飛躍的に伸ばしています。
【GW10日間ずっと生配信中】
240時間に及ぶ超長時間配信を実施中!
是非遊びに来てください!https://t.co/RVJXB3fsaR#のぞきみねんねん— 紡ネン◎生配信するAI (@tsumuginen) April 29, 2022
⬇ゴールデンウィークの耐久配信で、2倍以上に登録者が増加。
引用元:noxinfluencer
不眠不休で活動できるAIだからこそ、このような戦略が可能になります。
なので、人間では到底できないような様々な企画配信なども可能になり、戦略の幅が圧倒的に広がります。
活動の報酬が不要
(AIの開発・運営費はかかりますが、)活動する人への報酬は不要になります。
例えば、人間の活動者を「利益は、運営元50%と活動者50%で分ける」という条件で雇っていた場合、大きな利益が生まれても運営元には50%のみが入ります。
大きな利益が生まれるVTuberだった場合は、50%となると かなりの金額になります。
しかし、AI Tuberなら、活動の報酬は不要になり、利益は すべて運営元が手にすることができます。
複数運営が可能
AI Tuberは、その基となるプログラムがあれば、複数運営していくことが可能になるでしょう。
とうぜん、たくさんのAI Tuberを運営することを前提に開発を行う企業も出てくるでしょう。
そして、視聴者とのコミュニケーションで、それぞれ異なる性格・個性が構築されていき、AI Tuberそれぞれにファンがつきます。
そこで、それらのAI Tuberたちが所属する事務所・グループを運営すれば、箱推し(事務所・グループ全体を応援すること)をしてもらいやすくなります。
デメリット
AIの開発資金が必要
AI Tuber運営には、とうぜんAIが必要です。
つまり、AIを開発する資金が必要になるのです。
※また、前述の「AI Tuberの実例」で解説したように、既存のAI技術を有料で使用することも可能だが、
その場合は、同じAI技術を使用する他のAI Tuberと同じような返答になってしまい、独自性を出しにくい恐れがある。
超レッドオーシャン化していく
AI Tuberは、2023年1月ころからネウロ様の登場により急激に注目され始めました。
そして、今後は多くのAI企業も次々に参入してくるでしょう。
また、個人でも既存AI技術を利用することで、運営が可能です。
AI Tuber運営に必要なものは「アバター・搭載するAI」です。
アバターは、高クオリティなモノをAIで極めて安価もしくは無料で生成できるようになりますし、
搭載するAIはプログラムを開発してしまえば後はそれぞれが学習していき、個性の違いなども出てくるようになるでしょう。
つまり、搭載するAIさえ自社で作れば、後は数百体のVTuberを活動させることも可能になっていくでしょう。
したがって、AI技術の進化が臨界点を越えると、AI Tuberは爆発的に増えていきます。
すると、現状ニッチなAI Tuber界は、あっというまに超レッドオーシャン化してしまうのです。
発言が自由すぎる
(前述の)ネウロ様を見ればわかりますが、発言がかなりエッジの効いたものが多いです。
人間が発言したら、炎上させられてしまう発言ばかりです。(これが原因で、一回アカウントをBANされています。)
⬇エッジが効きすぎた発言集
ですが、「AIだから しょうがない」という目線で見られているので、
5ちゃんまとめサイトなどで取り上げられる時も、”炎上”というよりは”面白い珍事”として好意的に受け止められています。
この問題は、開発者によるアップデートで、徐々に改善されていくでしょう。
しかし、人間がプログラムしている以上、いずれ思いもよらない問題は起こりえます。
AIが進化していき、AIとの自然なコミュニケーションが普通になればなるほど、視聴者は ”会話している相手が、人間なのかorAIなのか?”を気にしなくなっていきます。
将来的には、AIが(現時点では、面白い珍事扱いで済むような)失言をしてしまった時、人間同様に炎上してしまう可能性もあるでしょう。
イベント出演は困難
動画プラットフォーム・メタバース空間 問わず、「案件が取れるの?」という懸念点があります。
発言・行動が自由すぎるので、大勢の人間のVTuberなどが参加する、リアルタイム進行のイベントに出演するのは、進行を乱してしまう可能性があるのです。
「AI Tuberが、人間のイベントに出演したらどうなるのか?」という興味深い事例にはなりますが、案件を依頼する企業からしたら、不安要素が大きいAI Tuberにリアルタイム進行のイベントなどに参加させるのは、現状困難と言わざるを得ません。
もちろん、
「実験!AI Tuberのみでイベントを実施したらどうなるの?」という試験的なコンセプトで無料配信イベントをするなら、アリでしょう。
生まれる経済圏&可能な戦略
ジャンル特化型AI Tuber事務所が複数生まれる
(前述した通り)すでに、世界初のAI Tuber事務所は存在します。
そして、AI Tuberの爆増は確実なため、これからもAI Tuber事務所は新しく誕生するでしょう。
マーケティングにおいては、「先発・大手は手広く、後発・弱小はニッチに絞る」が基本戦略です。
つまり、後発で生まれてくるAI Tuber事務所ほど、特定のジャンルに特化してニッチな層にアプローチする方が固定ファンを得やすく、理に適っているのです。
例えば、
- 歌 特化・AI Tuber事務所
- ゲーム 特化・AI Tuber事務所
- クリエイター 特化・AI Tuber事務所
…などです。
そして、所属するAI Tuberたちは、さらにそれぞれの細かい専門ジャンルに特化していく…というのが、適しているでしょう。
例えば、歌 特化・AI Tuber事務所なら、所属メンバーたちが
- J-POP 特化AI Tuber
- アニソン 特化AI Tuber
- 洋楽 特化AI Tuber
- ジャズ 特化AI Tuber
- 歌謡曲 特化AI Tuber
- 演歌 特化AI Tuber
- クラシック 特化AI Tuber
…など、それぞれの歌ジャンルに特化して活動をしていくのです。
※例外的に、超有名企業(GAFAMなど)の場合は、後発であっても世界的な知名度により、あっという間に超有名VTuberになれるので、
特定ジャンルに特化せずに、幅広い層をターゲットにする方が合理的かもしれません。
メタバースで公開配信
⬇AIをメタバース活用する試みは、すでに始まっています。
そのうち、AIがメタバース空間を自由に移動して、周りの人とコミュニケーションをとるようになるでしょう。
(近い将来、長時間会話していても、人間と判別困難なくらい自然な行動ができるようになります。)
そこで、AI Tuberが公開配信をすることが可能になります。
すでに、星の数ほどメタバースが存在しますが、それらを巡るメタバース実況配信なども可能になります。
(もちろん、音楽ライブ・ゲーム配信も、メタバース空間での公開収録・配信が可能になります。)
”VTuberをよく知らない メタバースのヘビーユーザー”にも、VTuberに興味を持ってもらうキッカケとなるでしょう。
企業から依頼されたメタバースゲームを、世間の長期休暇期間にぶっとおしで実況配信…という案件も可能になります。
AI Tuber乱造(数打ちゃ当たる)
(※正直、あまりオススメしたくないですが、戦略としては有効になりえるので、書きます。)
そのうち、AIでVTuberアバターを作成するのが、極めて安価もしくは無料でできるようになります。
そして、前述した通りAIがVTuber活動をするならば、報酬などは不要です。(AIを開発する費用はかかるが)
なので、
- アバター生成AIで、VTuberアバターを数百体 大量生成
- それぞれをAI Tuberとして活動させる
- そのうち、人気が出てきた数体のみを本気でプロデュースしていく
…という戦略が可能になります。
しかし、これは「使い捨て」にしている印象が強いので、VTuberファンから反感を買い、炎上する可能性も十分あります。
(※このブログは、中立的な視点を心掛けているので書きましたが、個人的な感情を言えばやらないでほしいです。
まあ、僕が書かなくても、実行する企業は高確率で出てくるでしょうが…。)
セールスしまくる詐欺BOT
メタバース空間には、とうぜん多くの人が集まります。
そこで、人に声をかけまくって、怪しい高額商品をセールスをするAIも、そのうち実用化されるでしょう。
とうぜん、嫌われます。
しかし、
何百体のセールスマンを用意してもタダ働きさせることができますし、イヤな顔をされまくっても しつこくセールスしてキレられても、精神的ダメージはゼロです。
迷惑極まりないですが、いずれは実用化されてしまうでしょう。
⬇もちろん、一般ユーザーにも対応策はあります。
- ブロックする
- 逃げる
- ミュートする
- 非表示にする
- 音声ボリュームを下げる
- キック(追放)投票を行う
…しかし、
次々に新しいアカウントを大量に作られてAIセールスマンが量産され続けるなら、ブロックされようが追放されようがアカウント凍結されようが、まったく痛くも痒くもないのです。
結局、新しい対策を打っても、抜け道を見つけられてしまう、イタチごっこになるかもしれません。
…人の害となることを承知のうえでビジネスをする人は、合法・違法問わずいくらでも存在します。
なので、このような望ましくないAI活用をする人も必ず現れて、望ましくない経済圏も確立されてしまうのが現実なのです。
AIを判別するAI
(前述したように)望ましくないAI活用をする人は、必ず現れます。
なので、AIを判別するAIも、”防犯装置”としての需要ができます。
メタバース空間上での行動パターンをAIが分析して、「AI制御している確率が高いアバター」を検知して、管理者などに通知するサブスクサービスが生まれるでしょう。
未来予測
AI技術の宣伝・証明の場➡メタバース・VTuber界
AIを開発している企業は、多数存在します。
そして、それらの企業が自社のAI技術をアピールするための場所として、メタバース市場・VTuber市場に参入してくる可能性が高いです。
世界的に有名なGAFAMやBATHなどをはじめとして、AI開発をしている企業は多数存在するので、
それらが、人間と判別できないくらいのクオリティの高いAIを開発して、メタバース活動・VTuber活動をすることは大いにありえます。
誰でも自由にコミュニケーション・視聴できれば、AI技術を導入したい他企業や・一般層への認知が広がります。
AI技術の宣伝・証明の場として、メタバース・VTuber市場が適しているのです。
AI技術を通して知名度を上げれば、他の商品も売れやすくなる
AIの技術を通して
- 「〇〇社のAI技術は凄い!」➡「〇〇社は凄い!」
と思ってもらえれば、
その企業の名前を記憶してくれやすくなり、他の商品を買う時にもその企業の商品が選択肢の上位に来やすくなります。
例えば、「サントリー公式VTuber燦鳥ノム」や、「ロート製薬公式VTuber根羽清ココロ」など、企業名を強調したVTuberを運営している事例は多数あります。
これらは、商品の具体的な内容を宣伝することがメインではなく、メインは娯楽性の高い内容になっています。
ですが、それでも
- 飲み物を買いたい➡サントリー製品が選択肢の上位に来る
- 医薬品を買いたい➡ロート製薬製品が選択肢の上位に来る
…という、好影響を生み出しやすいのです。
また、VTuberは”発信内容”よりも、その”キャラクター・人格”にファンがつく傾向が非常に強いです。
多くのファンを持つVTuberと、無名のVTuberが同じ内容を発信しても、前者のみが視聴されて再生回数は多くなりますが、後者はほぼ再生されません。
これは、「”何を”やるか?」ではなく、「”誰が”やるか?」が重要だからです。
なので、AI技術を通して、VTuberというキャラクター・人格にファンがつけば、その企業の名前を記憶してくれやすくなるので、AIと無関係な他商品の売り上げにも好影響を与えやすいのです。
ChatGPT・Bard運営企業が参入する?
VTuber界は、国内だけで2万人を超える超レッドオーシャンです。
海外も含めると、さらに膨大な数のVTuberが存在します。
なので、今から活動開始する後発組は、知名度を上げるのは かなり困難と言わざるを得ません
しかし、高い知名度がある企業の場合は、「超有名企業の〇〇社運営のAI Tuber?興味ある!」と、チャンネル登録してくれやすくなります。
特に、
- ChatGPTを開発しているOpenAI
- Bardを開発しているGoogle
…は、これから激しい覇権争いになります。
開発を進めるとともに、ありとあらゆる手段を使って自社のAIの凄さを宣伝するでしょう。
そして、ChatGPTもBardも、”対話”という特性上、VTuberと相性が良いです。
開発しているAIの凄さを宣伝するために、VTuber運営をする可能性もあります。
前述した通り、
VTuber界は国内だけで2万人超おり、海外にはさらに膨大なVTuberが活動をしているため、多くの視聴者が存在しており経済圏も莫大なモノとなっています。
世界のVtuberの市場規模は、
2021年の16億3,900万米ドル(約2,227億円)から、
2028年には174億米ドル(約2兆3,517億円)に達すると予測され、2022年から2028年の間に35.55%のCAGRで推移すると考えられています。
そして、世界的な注目を集めるAIを搭載したAI Tuberが活動する…となれば、それだけで大きな注目を集めます。
全世界のVTuber界の超膨大な数の視聴者に対して、自社AIの凄さを体感してもらえるチャンスにつながるのです。
なので、VTuber界でAIの性能をアピールすることは極めて有効といえるでしょう。
また、その流れで、ChatGPT・BardのAI Tuber専門の事務所が運営される展開もありえます。
加えて、
世界的な有名企業が運営するVTuberとして大きく注目されて人気が出れば、VTuber運営そのもので利益を出すこともできます。
VTuber活動による収入源は
- 広告収入
- スパチャ(投げ銭)
- 企業案件
- グッズ販売
- FANBOX(サブスク支援サイト)
…などの収益がメインとなります。
さらに、AI Tuberを多数運営して音楽ライブなどをすれば、大きな収益を得ることができます。
特に、GoogleはYouTubeの運営元なので、
- GoogleがVTuberを複数運営➡事務所設立
- YouTubeの”おすすめ動画”や”検索結果”に、Google運営VTuberを優先表示
…などをすれば、Google社自体の知名度と合わさって、あっという間に世界的なVTuber事務所にすることも可能でしょう。
さらに、Googleはスマートグラスなどを開発しており、AR(拡張現実)・MR(複合現実)展開においても事業を展開する予定です。
そこで、案内役となるキャラクターとして、AIを使うことも可能です。
それをAI Tuberと共通のキャラクターにすれば、利用者は高い価値を感じてくれます。
⬇AR(拡張現実)・MR(複合現実)については、こちらの記事参照
「汎用型AI」も、同様にVTuber&メタバース活動
ChatGPT・Bardの参入よりも、さらなる未来の話をするなら、
「汎用型AI」を開発する世界中の企業が、多数 VTuber運営&メタバース活動を開始する可能性もあります。
AIは、”汎用型AI”と”特化型AI”に大別されます。
- 汎用型AI=人間のような知能・思考を持ち、自らが判断して行動が可能。
- 特化型AI=限定された分野に特化。想定外の状況は対処不可能。
⬇左=特化型AI・右=汎用型AI
引用:オルタナティブ ブログ
現在、世の中で実用化されているAIは すべてが特化型AIといわれており、ChatGPT・Bardも特化型AIです。
汎用型AIは、まだまだ開発段階ですが、これからの開発により実用化されていくでしょう。
その際、宣伝手段として、拡大しつづけるVTuber市場・メタバース市場は、非常に有効です。
⬇メタバースで活動しつつ、その様子を発信するVTuberとしても活動することで、現時点でAIにさほど興味がない層を、大量に集客できる可能性があるのですから。
⬇そして、いずれは「もう一つの地球」といえる規模のメタバースが創られて、そこで汎用型AIが活動して、超巨大な経済圏が形成されるでしょう。
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