NF亭ショウタです。
NFT×VTuber の同時進行プロジェクト「Transmit Streamers」が進んでいます。
VTuberがNFT化したり、NFTがVTuber化の前例は すでにありますが、同時進行するパターンは僕の知る限り、初めてです。
さらに、AKBグループの運営戦略を応用しているので、興味深いです。
また、メタバースでの活動・独自トークン発行も予定されています。
この記事では、
- 「NFT×VTuber」プロジェクト全体像
- AKBグループ運営戦略との比較
- 未来予測
を、解説していきます。
「Transmit Streamers」とは?
「NFT販売×VTuber活動」同時進行プロジェクト
「Transmit Streamers」は、「ファンと一緒に運営する・透明性」をコンセプトとしたNFTプロジェクトであり、NFTを活用し6人のVTuberの運営を行っていくプロジェクトです。
すでに6体のキャラクターデザインは完成しており、公開されています。
⬇これらのキャラクターを、段階的にVTuber化していくのです。
コンセプト1:「ファンと一緒に運営する」
NFT保有者は、プロジェクトにおける意思決定に参加できます。
⬇VTuberとしての活動開始までに、このようなプロセスで進みます。
- 6体のキャラクターが、VTuber化の候補としてNFTとして販売される。
NFTの販売枚数(総選挙)の上位キャラが、VTuber化が決定する。 - VTuberの魂オーディションを実施。
NFT保有者による投票で、魂が決定される。
つまり、
NFTを購入・保有するファンは、外側から見ているだけではなく、運営に関われるのです。
コンセプト2:「透明性」
従来のVTuber事務所では、VTuber本人への利益の還元率が不明でした。
しかし、
NFTを支える技術であるブロックチェーン上で、万人に公開されることで解決します。
⬇スマートコントラクトについての解説記事
ロードマップ詳細
すでに、プロジェクトのロードマップは公開されています。
引用:公式サイト
このロードマップでは、(前述した)NFT化・VTuber化はもちろん、
…などが2023年末までに予定されています。
そして、2024年以降は、アニメ・ゲーム制作やイベント開催も予定されています。
NFT詳細
販売されるNFTは、現時点では下記が予定されています。
NFTの種類と販売価格
- ジェネシス(立ち絵)
オークション形式 :0.1ETH~
- ジェネラティブNFT
先行販売 :0.01ETH
一般販売 :0.02ETH
(現時点での予定)
補足:
ジェネシスNFT=プロジェクト初期に配布されるNFT。
ジェネラティブNFT=画像が自動生成されるNFT。
ユーティリティ(権利)
NFT保有者は、下記の権利が与えられます。
保有者は、様々なカタチでプロジェクトに参加できます。
オーディション参加者への投票もできますし、オーディション自体に参加することもできるのです。
また、今後 販売されるNFTを優先的に購入できたり、無料での追加特典も受け取れます。
そして、6キャラクターすべてのNFT保有者には、さらにレアなNFTがプレゼントされることも示唆されています。
「AKBグループ運営戦略×一部DAO化」?
AKBグループ運営戦略とは?
AKBグループは、CDに”握手券”や”総選挙での投票権”をつけて販売していました。
それにより、推しメンを総選挙上位に押し上げたり、ファンとして自分の想いを伝えることができたのです。
そして、運営側は大きな利益を得たのです。
この販売方法により、一人のファンが何枚~何十枚も同じCDを買うケースが頻発して、売り上げを基準とする音楽のヒットチャートをAKBグループが独占してしまい、大きな問題となりましたが…。
それだけ強力な威力を発揮できる、有効なマーケティングだという証明でもあるのです。
…AKBグループ運営戦略の是非はさておき、
ここから学べる本質は「ファンが、運営戦略の一部に参加できる」という要素です。
AKBグループの例でいうと、「CDを買うことにより、推しメンを上位に押し上げて優位にできる(例:新曲のセンターになれる確率が上がる)など」という要素です。
”自分が参加している実感”が、よりファン心を刺激して、長期的に強い興味を引けるのです。
そして、Transmit Streamersは、 その要素を引き継いでいます。
- VTuber化するキャラクターを、NFTの販売枚数で決定
- そのVTuberの魂(活動者)を、投票で決定
…というように、NFTの購入数や保有数が多いほど、ファンは運営に参加できるのです。
AKBグループは、すでに選ばれたメンバーに投票する…という感じでした。
しかし、Transmit Streamersは、メンバー選抜から参加できるので、AKBグループよりも深く運営戦略に関われるのです。
⬇補足:元AKB指原莉乃さんもVTuber事業に参加しています。
”一部DAO化”とは?
まず、DAOから解説します。
DAOとは、投票権(ガバナンストークン)を持つ不特定多数の人たちの投票数によって、意思決定される組織形態です。
⬇その詳細やメリット・デメリットは、こちらで解説してます
しかし、
”完全なDAO”となると、個々の選択肢からの決定だけでなく、組織全体の在り方を左右するような極めて重要な意思決定も不特定多数による投票で決定されてしまうので、リスクがとても高いです。
なので、完全なDAO化ではなく、運営の判断によりDAO化したい部分を決めるのが良いでしょう。
また、VTuberのDAOの事例はすでに複数存在します。
これから、ますます増えていくでしょう。
⬇参考記事
二次創作のファンアートをNFT化しての販売も許可
公式サイトでは、「ファンアートをNFT化して販売」を許可しています。
もちろん、それにより利益を得ることも許可されています。
さらに、ファンアート制作者には、何らかのメリットの付与が示唆されています。
このように二次創作を促進することにより情報拡散され、さらに多くの人に認識されやすくなるのです。
⬇補足:この戦略の先駆けは、CryptoNinjaです。
メリット
投資家もターゲット層になる
購入後、相場価格が上昇すれば転売益も見込めるので、投資家による購入もあります。
ファンのみでなく、投資家もターゲットになるのです。
⬇下記記事でも解説していますが、投資家をターゲットにすることで、NFTの販売額を大幅に高くしやすくなるのです。
もちろん、上記記事で解説した事例は”既存ファンがいるという前提”があるため、高額でNFTを販売しても売れやすいのです。
しかし、
いま現在は無名であるTransmit Streamersも、有望なプロジェクトだと思わせれば、高額なNFTの販売も可能になるでしょう。
保有NFTのVTuberへの継続的な応援を期待できる
NFT保有者はとうぜん、自分が保有するNFTの相場価格を上げたいです。
投資家目線で”売却益を得れる”というのはもちろん、純粋なファン目線でも”推しVTuberの評価が上がる”というのは嬉しいです。
つまり、所有NFTのVTuberを積極的に布教したり、情報拡散してくれるようになるのです。
そして、新しいファンが生まれるチャンスが広がります。
つまり、NFT所有者は応援してくれる味方になってくれるのです。
今後の展開・新しいキャラ・権利の行使場所への興味を引ける
NFT保有者は、いわばTransmit Streamersというコミュニティの参加者です。
いったん参加したコミュニティなら、とうぜん”その続き”は気になるものです。
- どんな新キャラクターが、VTuber化候補として登場するのか?
- どのような運営戦略を打ち出してくるか?
…と、常にその先を気にしてくれます。
また、権利を行使できる場所への興味をごく自然に誘導することができます。
例えば、メタバース展開をするならNFT保有者にメタバースでの優待権利を設定すれば、自然とメタバースへの導線が引けるのです。
有識者たちの意見を聞ける➡圧倒的な集合知
膨大な数が存在するNFTの中から VTuberのNFTを購入する人は、とうぜんVTuberに興味を持っている人たちです。
つまり、VTuber界に博識な人たちも含まれるでしょう。
興味本位の純粋なファンはもちろん、投資家は情報収集をして様々な思考をしたうえで購入します。
つまり、上手くやれば多くのNFT保有者たちの膨大な集合知を活かすことができます。
Discordなどで意見を募集すれば、それぞれの視点から意見を出してもらいやすく、運営戦略を考えるうえで多くのヒント・有益情報ををもらえるでしょう。
好調な時は、好循環が起こりやすい
VTuber化して人気が出て、チャンネル登録者や再生回数が伸びてきたら、”これからも有望”という印象を与えます。
すると、NFTの取引相場も上がっていき、NFT投資家・コレクターに注目されやすくなります。
そして、取引も活発化して、転売されるたびにロイヤリティ(OpenSeaの場合、最大10%)が運営サイドに入り続けるので、運営資金が増えます。
運営資金が増えると、運営戦略の幅が広がります。
順調に進んでいるときは、好循環が起こりやすくなるのです。
デメリット
落ち目になったら、NFTが一気に売却される?
NFTは、株券の性質を持っています。
なので、(前述のとおり)好調な時は、好循環が起こります。
反面、
伸び悩んだり、運営が上手くいっていない印象を与えてしまうと、NFTの取引相場が下がりやすくなります。
すると、NFT投資家・コレクターからの購入意欲も低下しかねません。
取引が停滞して、ロイヤリティも運営サイドに入りにくくなります。
いったん、落ち目な印象を与えると、悪循環が起こりやすくなるのです。
VTuber・運営サイドは、発言と行動にシビアに気を遣う必要
(前述したとおり)投資家に購入されやすいメリットはあります。
ファンがNFTを購入する場合は純粋なファン心からグッズ購入…という意味合いが強いですが、投資家がNFTを購入する理由は、「相場価格上昇➡売却益を得る」という打算的な期待です。
なのでとうぜん、「相場価格が上がりそうか?下がりそうか?」ということを常に考えます。
なので、もしVTuberが炎上などしたら、NFT投資家たちは一斉にNFT売却に向かうでしょう。
すると、NFTの相場価格は下落しますし、売れ残りが多数あると そのVTuberひいてはプロジェクト全体が不人気な印象を与えてしまいます。
なので、NFT販売をプロジェクト全体の要にしている以上、絶対に炎上しないように他のVTuberよりシビアに発言・行動に気を遣う必要があるのです。
特に、Transmit Streamersは新しいプロジェクトであり、イメージが確立していないので、悪いイメージを持たれないように細心の注意が必要です。
(VTuberや運営サイドに非が無いのに、いわれのない言いがかりを受けて炎上してしまう…というのもあり得るかもしれません。
しかし、投資家たちは金銭的な損得で判断しているので、「炎上している➡相場価格下落が確実➡NFT売却」という行動パターンをとると予想できます。
なので、自分に非が無くても炎上には通常のVTuberよりも気を遣うべきと言えます。)
(※特に、最近では とあるVTuberたちがスプラトゥーンでペンキを塗られた箇所に、アダルトな映像を流して(YouTube規約に抵触させて)アカウントBANさせあう…というライブ配信をして、大きな問題に発展しています。
ゲーム配信においてのガイドラインは、徹底して順守すべきです。)
投票での決定が変更せざるを得ない状況➡NFT保有者からの反発リスク
投票で決めた内容をどうしても実行できず、変更せざるを得ない状況も発生してしまうかもしれません。
例えば、VTuberの魂(活動者)の変更です。
VTuberの魂は、NFT保有者による投票の多数決で決定されます。
しかし、魂に選ばれた人が諸事情でやめてしまうこともありえます。
(特に、思うように人気が出ないと、短期間でやる気をなくしてしまう…という魂もいます。)
しかし その場合、NFT保有者からの反発が起こるリスクがあります。
NFTには お金が絡んでくる以上、
「この魂に投票したのに、こんなに短期間でやめるのは債務不履行(契約内容を果たさない)じゃないのか?」
…と主張する人も、一部出てくる恐れがあります。
このようなことを未然防止するため、しっかりと規約・規定を設定しておくべきでしょう。
NFT市場の盛衰に左右される
2022年4月から9月にかけて、最大手NFTマーケットプレイスOpenSeaにおいて、「売上高が5ヵ月連続で下落」しました。
(また、ビットコインの相場価格も
「2021年11月6万9000ドル(約994.9万円)➡2022年9月 約1万9000ドル(約273.7万円)」…と、同じく大幅に下落しています。)
そして、その情報が拡散されると、さらに「NFTはオワコン」と思う人が増えるでしょう。
2021年9月あたりから半年間ほどは”NFTバブル”といわれるほど盛況でしたが、現在はNFTが売れにくくなっているのです。
⬇VTuber界でも、NFTに権利を付与して販売する戦略をとるプロジェクトは複数の前例があり、NFT販売で多額の資金獲得の成功例はありますが・・・。
しかし、これらは以前から活動しており、既存ファンが多数いる前提があっての成功です。
まったく新しいVTuberのNFTプロジェクトは、成功するか否かは未知数といえます。
…しかし、いずれNFTの市場は盛り返すことが予想されます。
⬇下記画像は、新しいテクノロジーが成長する法則を表す「ハイプ・サイクル」という理論です。
(※ハイプ=過度の興奮・サイクル=周期)
あらゆるテクノロジーは、一時的に幻滅される時期があるのです。
出典:Gartner
2021年9月あたりからは、「過度な期待のピーク期」に突入して、数か月間は活気にあふれていました。
しかし2022年11月 現在、ピーク期を過ぎてNFT市場の活気は下がり続けており、「幻滅期」に突入しつつあります、
これは、「NFTってのがなんか凄いらしいから、買っとこう!参入しとこう!」という流行に乗っただけでNFTの真価を知らない人たちが、一気にいなくなっただけです。
しかし、NFTの真価を知り将来性を理解している人たちにより、これからのNFTビジネス活用は進みます。
そして、NFTが一般に正しく理解されるようになれば、市場はまた大きくなっていくでしょう。
その時を見据えて、あえて今からプロジェクトを進めておけば、数年後の大きな成功のチャンスになりえます。
可能な戦略
メタバース開発・最初期の来場者に独自トークン配布
メタバースでの活動は公表されていますが、「自社でのメタバース開発」がされるかは、まだ不明です。
プロジェクト運営企業の求人ページにも、現時点では”メタバース”の文字はありません。
…もし、メタバース開発をする場合は、メタバースでのユーティリティ(優待権利)をNFTとして先行販売することで、資金調達も可能です。
メタバース運営において、最初期の集客は その後に大きな影響を与えます。
メタバースが公開直後されたとき、「多くの人でにぎわっているか? or 人がおらず閑散としているか?」で、メタバースの命運を分ける…といってもオーバーではありません
- 多くの人で賑わっている➡”有望なメタバース”という印象➡リピーター化につながる
- 人がほとんどおらず、閑散➡”期待度が低い”印象➡二度と来てくれない
…となる可能性が上がるからです。
なので、メタバースの最初期の集客手段として、独自トークンを無料配布する…というのが有効となりえます。
それを目当てに来てくれた人は、とうぜん
- 独自トークンを使用するために、メタバースに再び来る
- 独自トークンを売却して利益を得るために、プロジェクトになんらかのカタチで協力
…などの行動を取ってくれる可能性があります。
Twitterなどでメタバースの情報を拡散してくれた人には、さらなるプレゼントが抽選で当たる…などをすれば、さらなる効果が期待できます。
広告枠を販売
Transmit Streamersは、”NFT×VTuber戦略”を取るプロジェクトです。
そして、今後は他企業による同様のプロジェクトも増えていくでしょう。
とうぜん、NFTとVTuber双方に一定以上の興味がある層に対して、宣伝をしたい需要が発生します。
なので、そのような層をターゲットにする他企業向けに、広告枠を販売することが可能です。
ファッションアイテムNFT
独自トークン(TRSTトークン)を発行することは、すでにロードマップで明かされています。
その独自トークンで購入できるコンテンツとして、ファッションアイテムの販売が可能です。
すでに、NFT市場では、
- 洋服
- アクセサリー
- シューズ
- バッグ
…など、メタバースで着用できるファッションアイテムがNFTとして販売されています。
キャラクターが身に着けているアクセサリーなどを、ファッションNFTとして販売して収益化することが可能です。
⬇参考記事
英語圏への展開
NFTは、日本語圏よりも英語圏の方が圧倒的に市場がデカいです。
⬇日本と海外のNFT市場規模の差についての記事
なので、英語圏を狙うのは、常套手段といえます。
ですが、
いま現在公式サイトを見ても、”英語表記”もなく”言語切り替え機能”もないので、英語圏を狙っていない印象を受けます。
※しかし、まだ準備段階ですし、公式Twitterではプロフィール蘭は英語表記です。
なので、これから本格始動する際には英語圏への本格的な展開も十分ありえるでしょう。
小説などの二次創作を募集
(前述した)ロードマップにおいて、アニメ化・ブロックチェーンゲーム化・イベント化などが予定されています。
アニメ制作も ゲーム開発も イベント開催も、高クオリティのモノを作るなら、多額の資金・技術者が必要になります。
…しかしファンとしては、何らかの形でそれらの活動に参加したい…と思うこともあるでしょう。
ですが、アニメ・ゲーム・イベントに関するスキルを持っておらず、参加できない人が大半です。
なので、誰でも元手なしで制作できる”小説”を募集するのも良いでしょう。
各キャラクターの設定などから過去ストーリーを作り、それを投票にかけます。
(正史でも、パラレルワールド扱いでも、良い。)
そして、優秀作品には独自トークンやNFTをプレゼントする…という感じにすれば、プロジェクトへの積極的な参加を促せますし、ファンの創造性を満たせます。
もし、有望な人材が見つかったらスカウトして、”長編小説の執筆”や”アニメ・ゲームのシナリオ作成”などを正式に依頼しても良いでしょう。
独自トークン自社保有➡必要に応じて売却
独自トークンの一部を自社で保有しておけば、プロジェクトの人気が上がった時に相場価格も上がるので、売却益を得て運営資金にすることができます。
もちろん、一気に大量売却したら供給がハネ上がり、相対的に需要が下がります。
つまり、独自トークンの相場価格の下落につながります。
なので、売却は慎重にすべきでしょう。
※独自トークンではなく、NFTを自社保有した場合、「買い手がつかない不人気なNFT」と誤解されるので、NFTは自社保有しない方が良いでしょう。
拠点を海外に移す
運営企業である株式会社XYLOCOPAは、日本を拠点とした企業です。
しかし、日本はブロックチェーン関連事業に関する規制がとても厳しいため、シンガポールなどに拠点を移すブロックチェーン企業が増えています。
なので、海外に拠点を移すというのは、選択肢に入れた方が効率的に進めていける可能性が上がります。
未来予測
VTuber界の専門ジャンルに転用されていく
Transmit Streamers自体は、VTuber界の特定ジャンルに特化してはいません。
ですが、
NFT販売とVTuber化を同時進行するTransmit Streamersのシステムは、そのままVTuber界の専門ジャンルに応用可能です。
たとえば、
- 歌ってみた動画・歌配信・音楽ライブをする”音楽系VTuber”
- 地方創生を目指す”ご当地VTuber”
…といった、専門ジャンルでも、応用できます。
双方とも、
- キャラクターデザイン決定➡オーディションで魂を選出➡VTuber化して活動開始➡メタバース開発・運営
…という順序で進めていけますし、そのすべてのフェーズでNFT保有者が参加可能にできます。
(また、キャラクターデザインを創り上げていく(つまり、デザイン決定前)段階からもかかわることができます。)
【差別化が必須】「ホロアース」の影響がプラスにもマイナスにもなりえる
VTuber界では、世界最大手VTuber事務所ホロライブのメタバース「ホロアース」が開発中です。
⬇ホロアースの詳細
ホロアースでは、NFTや独自トークンを扱う可能性が高いです。
その詳細については まだまだ謎が多いですが、代表取締役の過去の発言からホロアースの収入源の1つとして、アバターの衣装などの販売が明言されています。
メタバースのアバター用の衣装というのが、”ファッションNFT”を意味するのは ほぼ確実です。
そして、ファッションNFTを売買するには、通常は仮想通貨が必要です。
ファッションNFT市場を見ても、既存の仮想通貨(イーサリアムやポリゴン)での売買されています。
しかし、ホロライブはすでに世界的な人気を誇り、極めて大きな影響力があります。
つまり、ホロアース内で生まれるであろう経済圏で通貨として使える、独自トークンを発行する可能性も高いです。
(前述したとおり)独自トークンを発行するなら、「最初期の来場者に独自トークン配布」「独自トークン自社保有➡必要に応じて売却」という戦略も可能になるからです。
…つまり、Transmit Streamersは、ホロアースの影響をモロに受ける可能性があるのです。
Transmit StreamersをキッカケとしてVTuberのNFT販売・メタバース活動に興味を持ってくれた人は、とうぜん他のVTuberのNFT販売・メタバース活動にも興味を持ち始めます。
もし、メタバース全体のコンセプトが似通っていると思われたら、「Transmit Streamers=ホロアースの下位互換」という印象を与えてしまい、世界最大手ホロライブのホロアースに行ってしまうリスクがあります。
なので、ホロアースとの明確な差別化が必要になります。
(ホロアースは「ゲーム性が強い」メタバースになることが明言されていますが、詳細はまだ不明です。)
上手く差別できれば、全世界のホロライブファンが、「ホロアース」影響で「VTuber×メタバース×NFT」という組み合わせ自体にも興味を持って、
そこから、Transmit Streamersに興味を持ってくれる…という流れを確立できるチャンスにもなります。
NFT×VTuber戦略が広まり、ローカル言語の重要性が増す?
これから、NFT販売×VTuber戦略は、広まっていくでしょう。
NFTを販売するための市場としては、(前述したとおり)日本よりも海外のが圧倒的に巨大です。
なので、海外言語を話せるVTuberが、より重要になります。
そして、英語を話せるVTuberなら、英語圏全体がターゲットになるのですが…。
とうぜんライバルとなるNFT×VTuberプロジェクトもこれから増えていき、それらも英語圏を狙うのは必定でしょう。
特に、(前述した)ホロライブは英語圏でも非常に高い人気があるので、NFTを販売し始めたら、一気にターゲット層をゴッソリと持っていかれるリスクもあります。
なので、VTuberが使う言語で差別化する戦略も有効性が高まっていきます。
その指標としては、
- NFT・仮想通貨の所有率が高い国のローカル言語
…です。
NFT・仮想通貨の所有率が高い国に認知されていれば、とうぜん投資の対象と認識してもらえるチャンスです。
例えば、NFT所有率ランキングでトップとされるフィリピンは英語圏の国ですが、フィリピンの国民からしたら、
- 英語を話すVTuber
- フィリピン語(タガログ語)を話すVTuber
…の双方がいたら、自分の国のローカル言語を話す、後者のVTuberに より親近感が湧くのは至極当然です。
なので、その国のローカル言語で話せるのは、強力な差別化となりえます。
⬇参考
■NFT所有率ランキング(2021年時点)
1位:フィリピン(32%)
2位:タイ(26.6%)
3位:マレーシア(23.9%)
4位:アラブ首長国連邦(23.4%)
5位:ベトナム(17.4%)
6位:ナイジェリア(13.7%)
7位:ブラジル(12.1%)
8位:香港(10.7%)
9位:ベネズエラ(10.6%)
10位:ペルー(9.9%)
ーーーーーーーーーーーー
日本(2.2%)引用:Finbold
(※調査機関によってランキングの順位は全然違ったりするので、入念なリサーチが必要。)
■仮想通貨 所有率ランキング(2021年時点)
1位:ウクライナ(12.7%)
2位:ロシア(11.9%)
3位:ベネズエラ(10.3%)
4位:ケニア(8.5%)
5位:アメリカ(8.3%)
6位:南アメリカ(7.1%)
7位:ナイジェリア(6.3%)
8位:コロンビア(6.1%)
ーーーーーーーーーーーー
日本(1.64%)引用:tripleA
(※調査機関によってランキングの順位は全然違ったりするので、入念なリサーチが必要。)
なので、NFTを活用するVTuberプロジェクトの増加にしたがい、”NFT・仮想通貨所有率ランキング上位の国のローカル言語の話者”の価値が高まる可能性もあります。
反面、
ローカル言語は「親近感を感じてくれる(母語とする)、視聴者の数自体が少ない」という大きなデメリットもあります。
前述したフィリピン語(タガログ語)は、総話者数は9,000万人ほどと言われています。
しかし、その9,000万人のうち、第一言語(母語)とするのは2,500万人ほどしかいません。
残りは6,000万人以上は、第二言語(母語以外に必要性を感じて、学習して修得した)とされています。
つまり、強い親近感を演出できるターゲット層は第一言語とする2,500万人ほどであり、ターゲット層がかなり狭いのです。
その上で、「VTuberに興味をもってもらう➡NFTを購入してもらう」というプロセスを辿る視聴者がどれだけいるのかは、未知数です。
しかし、
だからこそライバル(他のNFT×VTuberプロジェクト)にとって障壁となるので、リスクを負ってでも早めにローカル言語でのVTuber活動を開始しておくことで、
上手く行けば(ホロライブと競合せずに)大きなリターンを得ることもできます。
また、1つのNFT×VTuberプロジェクトで、
NFT・仮想通貨の所有率が上位である、複数の国のローカル言語の話者たちを魂として募集、VTuber活動開始…ということも可能です。
つまり、
- フィリピン語
- タイ語
- マレーシア語
- アラビア語
- ベトナム語
- 他
…など、NFT保有率が高いとされる国のローカル言語の話者である魂を世界中から募集して、多彩なローカル言語の話者が所属するVTuber事務所にすれば、様々な国にアプローチできるのです。
(「ローカル言語を話せる日本人」or「日本語を話せる現地人」を募集する。)
…もちろん、ローカル言語で親近感を出す…というのは、戦略の土台に過ぎず、そこからさらに様々な施策が必要になります。
(NFT文化が広まっていても、VTuber文化が広まっていない国もありますので、「VTuber?何それ?」という状態では、NFTを購入してくれる可能性は低いです。)
それぞれの国民の文化や宗教に配慮して、その国の感性に合った戦略を展開していく必要があるのです。
ローカル言語戦略の”実験”として、インドネシア語が最適解?
1つ、有望なローカル言語VTuberの例を挙げるとしたら、「インドネシア語」です。
こちらの記事でも解説していますが、インドネシアは
- 日本のオタク文化・アイドル文化を好きな人が多い
- 日本語学習者の数が世界第2位(1位は中国)
- 人口が世界第4位
- 中国のように、文化的な衝突も起こりづらい
…という、大きなメリットがあります。
ホロライブもインドネシアには進出しており、VTuberたちもインドネシア語を話しますが、数時間のライブ配信(雑談・ゲーム・歌枠)がそのほとんどを占めています。
なので、数分で見れる短尺のコンテンツをメインにした”動画勢”として活動すれば、そこでホロライブインドネシアとの差別化になります。
(インドネシア語を母語(第一言語)とする話者は1,700万人~3,000万人ほど。
第二言語としてのインドネシア語話者は1億4千万人以上いる。)
⬇また、ホロライブインドネシアのVTuberのデザインは、インドネシアの伝統衣装をモチーフにしている印象を受けません。
なので、
- インドネシアの伝統を反映させたデザインのVTuber
- VTuber・NFTに興味を持つ 現地インフルエンサーへのアプローチ
…などの戦略も可能です。
インドネシアを”実験場”にすることで、ローカル言語戦略の有効性の判断材料になります。
上手く行きそうなら、様々なローカル言語に展開すれば、「NFT×VTuber」への集客の大きなチャンスが生まれるのです。
・・・過去の成功例であるAKB運営戦略と、最新テクノロジーであるNFTの融合は、とても興味深い戦略といえます。
そして、その融合のフィールドとして、VTuber界は最適といえるでしょう。
⬇さらに いずれは、AI VTuberとの融合戦略も生まれてくるかもしれませんね。
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